UNThink(アンシンク)の書評① ひらめきのスイッチの見つけ方。

本屋の平積みで見つけ、衝動買いした一冊がこのアンシンク UNThinkです。
赤いジャケットには眠れる創造力を生かす、考えない働き方
帯にはダニエル・ピンクが絶賛!と書かれている表紙が私の目に飛び込んできました。

ダニエル・ピンクは私の人生をポジティブにしてくれた著書の一人なので
この本を買わない理由がその瞬間、私にはなくなったのです。
実際、このアンシンク UNThinkの提案やケーススタディは刺激的で
私の知的好奇心をくすぐり、やる気のスイッチを押してくれたのです。

この本に書かれていることを一言でまとめると
「子供時代に戻って、創造力を刺激する」です。
なぜだろう?と考え、遊び心を取り戻すことで、私たちは人生を楽しくできるのです。
ロジカルの左脳ではなく、感性の右脳で生きることの素晴らしさを
著者のエリック・ウォールは私たちに教えてくれます。
  
退屈な日々を選ぶか、躍動感を選ぶかで人生は異なります。
人生の状況を一定に保てば、表面上は安全ですが
創造力はどんどん衰えていき、つまらない大人に成り下がるのです。

大人になればなるほど、脳の領域は左脳が支配し始め
理論的に効率的に判断を下し、人生をある意味過ごしやすくしてくれるのです。
大人になればなるほど、探索をやめて、必要なデータだけを選んでいきます。
しかし、これでは、頭が凝り固まってしまい、効率性を重視する左脳で判断し
あたかも、感情のないロボットのように生きるようになります。

アンシンクで左脳型の人生の限界がエリック・ウォールによって指摘される中で
あのダニエル・ピンクの名言が引用され、私たちに左脳の限界を思い出させてくれます。

左脳が支配し、左脳が創り出した情報化時代は終わりつつある。創造的で全体的な右脳の能力を磨いた人間があらたな時代の主役となり、他の人間は取り残されることになるだろう。


では、私たちは本来の自分に取り戻すためにはどうすればよいのでしょうか?

まずは自分を奮い立たせ、進んで解決策を探求するのです。
会社でも挑発的になり、周囲に刺激を与える存在になるのです。
そのためには、成長への障害とチャンスの両方に
絶えず目を光らせておくことが必要になります。

本田宗一郎の危機を脱するケーススタディが紹介されていますが
不確実性を逆手に取って、現状打破のきっかけを創り出すのです。
締め切りを早くするなど、本田宗一郎は意識的に危機(意図的な挑発)をつくります。
社員が前例主義にならずに創造力を発揮できるようにして
ビジネスを次々に改善させたのです。

進歩は変化の結果として訪れるのでであれば、毎日変化のきっかけを創り出し
仕事が危機にさらされたときに反射的に対応できる創造力を鍛えておくことです。
毎日挑発的でいることで、創造力を活性化できるのです。

挑発し、創造力を活性化するためには、
1、「現状という檻」から抜け出すこと
2、あえて不安な状況に身を置いてみる。
3、誰かの指示を待たずに、自分で責任を持って、仕事の質を向上させる。
4、小さな一歩から始める。

「自分らしく、自分が最善と思う判断を実行に移しなさい」という
ザッポスのCEOのトニー・シェイの話が紹介されていますが
自分で考え、責任を持って行動する社員こそがイノベーションを起こすのです。

また、情報化時代には直感が必要という考えにも共感します。
直感を役立てるためには、時間を経て経験を積むことで得られる
水面下の知識体系=自分が知っていることに気ついていない知識
獲得、所有することが有効です。
この水面下の知識体系が表面に出てきたものが実は直感なのです。

多くのことを体験をしたり、データにこだわらないようにしたり
発見を楽しんだりすることで、直感力は鍛えられます。
また、解決策は人とのコミュニケーションを通じて生まれてきます。
トイ・ストーリーを生み出すピクサーとのスティーブ・ジョブズとの出会いも
アラン・ケイとの何気ない会話がきっかけだったのです。

私たちは日常の何気ない会話から
とてつもない未来のきっかけを見つけることも可能なのです。
会話の中の「ひらめきのスイッチ」を探すことを習慣化しましょう。
日常会話の中にはとてつもないチャンスが隠されてるかもしれません。
こう考えれば、人とのコミュニケーションが重要であることがわかります。
水面下の知識体系、潜在意識を活用すれば、ソーシャルメディアやブログや
リアルの会話などから大きなチャンスを見つけられるようになるのです。
気づくか、気づかないかは本人の準備次第なのです。

好奇心を持って、変化できれば課題を解決できます。
そして、直感力を鍛えれば、チャンスを捕まえやすくなるのです。

このアンシンクを読んでいて、絶えず頭に浮かんだ言葉があるのですが
それは、次のパスツールのこの一言でした。
「幸運の女神は、準備を終えた者のところにしか訪れない」
幸せのための準備には様々な方法があることをこのアンシンクは教えてくれます。

間違いなくこのアンシンク(エリック・ウォール著)は読む価値のある一冊です。

新刊ソーシャルメディアを武器にするための10カ条にも
チャンスの女神の前髪の掴み方を紹介しています。
いよいよ明日3月25日に発売予定です。応援よろしくお願いします。

Photo Credit

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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