メガヒットはたった7つのキーワードで生まれる(新井庸志著)の書評

友人のマーケッターの新井庸志氏が
新刊メガヒットはたった7つのキーワードで生まれるを出版しました。
献本をいただいたので、今日は簡単に本書をご紹介します。
新井氏は大手広告会社勤務後、マーケティングコンサルタントとして独立、活躍しています。
私も何度かビジネスをご一緒させていただきましたが
彼は近未来のトレンドを見つけ出すのがうまく、話していてとても勉強になります。
スクリーンショット 2015-04-11 14.37.04
最近では、新井氏は執筆でも活躍されていてオールアバウトの記事も大変評判になっています。
Yahooなどにもよく記事が転載されているので
知らぬ間に彼の記事を読んでいる人も多いのでは?ないでしょうか。
その新井氏が、ついに書籍デビューを果たしました。

新井氏の強みは、マーケティングデータだけではなく
企業の現場力を自分の目でチェックし、読み解くことなのですが
本書で彼のノウハウがケーススタディとともにわかりやすく紹介されています。
いくつもの現場に定期的に出かけ、店員やお客の会話を分析し
企業のマーケティングデータやPLと掛け合わせ
新井氏は世の中のトレンドと企業の成長、凋落を予測しているのです。
成功している企業の共通点は「」だと私は考えています。
リーダーシップと現場力(チームワーク)の掛け算で、企業は成長を続けているのです。
リーダーがビジョンを持ち、それを現場がしっかりと受け止めているチームは強く
この両輪が噛み合い、力強く動くことで企業は成長するのです。

良いチームには良い「」があります。
現場のオペレーションには、その「気」が反映されます。
以前のマクドナルドにはピリピリとした「気」があったのですが
数年前から、マクドナルドでは、客を待たせることが恒常化していました。
また、店舗に汚れが目立つなど、リーダーが現場をコントロールできておらず
凋落が始まっていたのです。

新井氏は数々の現場でその「」を定点観測しています。
いくつかのチェックポイントで現場力の評価基準を作り
マーケティングデータと組み合わせて、新井流マーケティング術を生み出していったのです。
本書でそのマーケティング術を吸収できれば、私たちは優秀なマーケッターに変身できるのです。

現場→データ→分析・戦略・実行をワンストップでコンサルする新井氏は
「データでは未来は読めない、現場からだ」と言い切ります。
新井氏は過去、現在の現場とデータをチェックし、思考しているからこそ
未来を予測し、時代のトレンドまでキャッチできるのでしょう。

新井氏は7つのキーワードでヒットが生まれると本書で書いています。
■ストーリー型の仕掛け力
■高品質&低価格
■参加
■個の力、小の力
■気軽さ
■ギャップ
■自己成長力
の7つのキーワードが挙げられています。
ユーザーを主人公に、あるいは巻き込むことを戦略的に考えた企業に
今の時代はチャンスがあるように思えます。
プロダクトやサービスを自分ゴト化させ、ファンになってもらうことを
私も絶えず考えていますが、本書にはそのヒントが数多く隠されています。
豊富なケーススタディーが本書で紹介されていますが
特に、失敗例の分析が勉強になります。
ブランドを過信し、ユーザーを小馬鹿にしたアバクロや
カフェ戦略を進めファミリー層を締め出したマクドナルドに関する指摘は
ユーザーの空気感を読むことが経営者にとっていかに大事なのかを教えてくれます。
日本人は実は企業と一緒にプロダクトやサービスを楽しむ民族なのかもしれません。
特に買い物では、「」を大事にしているような気がします。
人が集まる仕掛けで参加しやすい現場を作り出し
良い「気」を作り出すことを目指したいものです。

本書ではヘッドフォン女子について書かれていましたが
今の時代は、コミュニティーを企業がどうサポートするかが重要になってきています。
山ガール、ヘッドフォン女子などの「気」を作れれば
ユーザーがコミュニティーに参加するモチベーションが生まれ
コミュニティーがアクティブに動き出します。
ファンがソーシャルメディアで投稿しやすい環境をサポートし、
そこにネタを探しているマスメディアが加われば
トレンドになり、ますます、コミュニティが大きくなっていくのです。
どのユーザーがプロダクトやサービスを楽しんでいるのかを発見し
ストーリーをそのファンと一緒に作り出すことが
マーケッターの重要なタスクだと本書を読むことで再確認できました。
価値ある商品やサービスを提供し、ユーザーの声を広い
彼らを味方にできる企業がどんどん生まれれば、日本は元気になれそうです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

  

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
書評ソーシャルメディアブログ
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました