梅田悟司氏の「言葉にできる」は武器になる。の書評

言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある。(梅田悟司)


photo credit: SerCorzo Rainbow Hand (2015) via photopin (license)

常に頭の中に浮かぶ「内なる言葉」の存在に意識を向け、「内なる言葉」を磨く鍛錬を積んだだけである。その結果、言葉が生まれる源泉としての思考が鍛えられ、湧いて出てくる言葉に重みや深みが増したに過ぎないのだ。

「言葉にできる」は武器になる。は噂に違わず、素晴らしい一冊で
本書が評判になっている理由がよくわかりました。
著者梅田悟司氏はコミュニケーションのスキルを高めるなど小手先のことを考えるよりも
自分の意見をしっかりと作ることにフォーカスすべきだと指摘しています。
そのために、頭の中に浮かぶ自分の「内なる言葉」を活用せよと言います。

うわべだけの言葉のテクニックでは、人はなかなか自分のために動いてくれません。
しかし、内なる言葉を深掘りし、それを言語化することで
気持ちを表現できるようになり、相手にそれが伝わり始めます。
自らの思考を磨くうちに言葉も磨かれ、あなたの言葉にパワーを与えます。
相手はそれに共感を覚え、あなたを応援してくれるようになるのです。

まずは、「内なる言葉」について考えてみましょう!

①「内なる言葉」で意見を育てる
物事を考えたり、感じたりする時に、無意識のうちに頭の中で発している言葉。それが内なる言葉である。あらゆる感情が頭に浮かぶ時には必ず、この内なる言葉を伴っている。内なる言葉は外に向かう言葉に核になっているのだが、意識しなければ、その関係性に気が付くことは難しい。自分と対話するということは、内なる言葉を用いて考えを広めたり、深め}たりすることと同義である。つまり、内なる言葉の語彙力が増えるほど、幅を広げ奥行きを持たせるほど、思考が進んでいる状態と言える。

内なる言葉を整理することで、あなたが発する言葉が
あなたの人格そのものになります。
対話を通じて、内なる言葉を掘り下げ、書き留めているうちに
自分の本当にやりたいことが見つかります。
幅を広げ奥行きを持たせることで、思考を素晴らしいものに変えられます。

次にその思考を「外に向かう言葉」として発信してみましょう。
自分の気持ちを人に伝わるように言語化してみるのです。

②意見が変換された「外に向かう言葉」
外に向かう言葉とは、一般的に言葉と呼ばれているものである。自分の意見や思いに言葉という形を与えたもので、主に他者とのコミュニケーションを取る役割を担っている。相手との接点となり、意思疎通を行う道具である。内なる言葉と違い、情報を受け取る相手が存在している。投げかけることによって、相手が反応したり、自身が評価される言葉である。

出来上がった自分の思考やアイデアを
わかりやすく説明するために言葉を紡ぎましょう!
その際声に出して読むことで、相手に伝わるかを確認できます。

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梅田氏は自分の言葉を生み出すために、以下の7つの思考プロセスを踏むとよいと言います。

①頭にあることを書き出す
②「T字型思考法」で考えを進める
③同じ仲間を分類する
④足りない箇所に気付き、埋める
⑤時間を置いて、きちんと寝かせる
⑥真逆を考える
⑦違う人の視点から考える

内なる思考を書き出したら、それを中心に置き
「それで?」「なぜ?」「本当に?」という質問を投げかけ
自分の言葉を深掘りしましょう。
この「T字型思考法」を取り入れることで
自分が思っていることを明確に把握できるようになります。
私もこのブログを書きながら、いつも自分への質問を繰り返しています。
この自分との対話の時間を持つことが、私の変化のきっかけになっています。

アイデアが具体的なものばかりなら、抽象度を上げてみましょう。
抽象度を高めていくことで、自分の思考をコンセプトにできます。
この作業が自分の視点を広げ、思考を深掘りしてくれます。

グルーピングや真逆を考えるなど7つのステップを踏むことで
思考の軸が固まっていきます。
このフレームワークによって、足りない箇所が見つかり
いわゆるMECEを行うことになります。
時間を置くことで、客観性も担保できるようになり
いつの間にか、自分の思考の限界を越えることができます。
この思考のジャンプとその言語化が、あなたにパワーをもたらしてくれるのです。

自分の本当の気持ちに丁寧に向き合うことこそが、外に向かう言葉に変化をもたらすだけでなく、今後の人生を変えていくことになる。さもなければ、「こうしなければならない」といった本当の気持ちではない 「あるべき自分」から発せられる建前が先行し続けることになる。こうした建前を突き破ることができなければ、あなたの言葉はいつまでもどこかで借りてきたようなものになってしまい、迫力も説得力もないものになってしまう。

過去の自分を捨て去り、本当の自分の気持ちに向き合うことが
自分の言葉だけでなく、人生にも変化をもたらします。
私もブログのおかげで、人生が激変したので、著者のこのメッセージにとても共感しました。
自分の内なる言葉に耳を傾けてみましょう!

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

     

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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