1日1万5000歩を目標にして、脳と体を健康にしよう!

簡単に言ってしまえば、体と脳をベストの状態に保ちたいなら、この歴史の長い代謝システムをせっせと使うべきなのだ。DNAに刻み込まれた古代の活動は、おおまかにウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走に置き換えることができる。そして、この祖先の日常の活動を真似しなさい、というのがわたしに言える最善のアドバイスだ。つまり、毎日、歩くかゆっくり走るかし、週に二、三回は走り、ときどきは全力疾走で獲物を追うのだ。(ジョン J. レイティ、エリック ヘイガーマン)


photo credit: Lucas Lima 91 São Paulo-SP 12-02-17 Run Run Run via photopin (license)

クリストファー・マクドゥーガルBORN TO RUNを読了後
脳を鍛えるには運動しかない!(ジョン J. レイティ、エリック ヘイガーマン著)
どうしても読みたくなり、再読しました。
私たちの祖先は走り続けること、歩き続けることで
獲物をとったり、木ノ実を採集していたのです。
現代人にもそれが脈々と受け継がれ、脳と体の健康を維持するためには
運動が欠かせないことが明らかになっています。

有酸素運動の区別とその効果について

低強度(ウォーキング)、中強度(ジョギング)、高強度(ランニング)の
有酸素運動には、それぞれ別の効果があります。
まず、低強度から高強度の有酸素運動を分類します。
■低強度(ウォーキング) 最大心拍数が55から65%の運動
■中強度(ジョギング) 最大心拍数が65から75%の運動
■高強度(ランニング) 最大心拍数が75から90%の運動
特に、高強度の上限での運動は、時として苦しいのですが
効果は絶大で、意志力を鍛えることにもつながります。

私はこの数年、ウォーキングを心がけてきましたが
これだけでも気分を明るく変えられます。
著者の2人はウォーキングの価値を以下のように整理しています。

これまであまり運動をしてこなかったのであれば、ウォーキングから始めることをお勧めする。エレベーターに乗る代わりに階段を使い、駐車場では遠い場所に車を停め、ランチタイムには近所を散歩しよう。数十年前からある歩数計と呼ばれる健康器具は、毎日どれだけの距離を歩いたかを計算する助けとなる。それをつけていると、意識しなくても自然に運動が生活の一部になる。歩幅の平均を80センチとすると、1万歩で8キロ近く歩いたことになる。あえて時間を割かなくても、体にいいことができる賢明な方法で、実際の効果もある。

一日一時間、最大心拍数の55から65%でウォーキングを始めれば
その時間で歩ける距離は自然と延び、次第に健康になっていきます。
ウォーキングによって、脂肪が燃料として燃やされ、代謝が盛んになるのです。
私もエレベーターをやめ、階段を使用するよう意識改革を行いました。
日々、歩くことを考え、歩く距離を計算しながら移動しています。
この結果、体は軽くなり、病院にも通わなくなりました。

最大心拍数の65から75%という中強度のジョギングなどの運動をやり始めると
体は脂肪だけでなくグルコースも燃やすようになり
筋肉組織はストレスによって微小断裂を起こします。
本来、体と脳のあらゆる細胞は、絶えず損傷と修復を繰り返していますが
このレベルでの代謝が始まると、そのプロセスは加速し、健康になれます。

心拍数が最大時の75から95%となる高強度の運動では
体は完全に緊急態勢に入り、かなり強く反応します。
上限の90パーセントあたりで、代謝は有酸素から無酸素へと切り替わり
筋肉は血流から十分な酸素を引き出せないため、低酸素状態に陥ります。

運動が老化を抑えてくれる!

中強度のジョギングの合間に、短時間全力疾走を取り入れるとより効果を得られます。
無酸素運動の域に達すると、下垂体からヒト成長ホルモン(HGH)が放出されるのです。
それは不老を研究する人々が「若返りの泉」と呼ぶもので、老化を防いでくれます。
加齢を避けたければ、ジョギングに全力疾走を組み合わせるとよいでしょう。

血中に自然に分泌されるHGHの量は加齢とともに減少し、男女とも中年になると、子どものころの10分の1に減る。そして、座ってばかりの生活をし ていると、この減退に拍車がかかる。高濃度のコルチゾール、インスリン抵抗性、血中の脂肪酸過多はすべて、HGHの分泌をさらに抑制する

以前の私はほとんど歩きませんでしたが
本書を読むことで以来、今は最低1日1万歩を目標に歩いています。
また、最近では走り始め、自分の心と体をよりパワフルにすることに励んでいます。

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なぜ1万5000歩歩く必要があるのか??

ライフハッカーの日本版を読んでいて、気になる記事を見つけました。
スコットランドのグラスゴーで働く郵便局員を対象にした研究結果が
レポートされていました。
同研究の被験者はオフィスで内勤する局員と
主に徒歩で郵便物を配達する局員で構成されていますが
各被験者にアクティビティ・トラッカーを装着させて
肥満度指数、ウエストサイズ、血糖レベル、コレステロールプロファイルを
調査の期間を通して測定したそうです。
以下ライフハッカーの記事より研究結果を引用します。

当然のことながら、1日のほとんどを座って過ごす被験者は動きの多い被験者と比較すると、BMI、ウエストサイズ、血糖コントロールはどれも数値が高く、コレステロールプロファイルは理想を下回っていました。実際、研究チームの試算によれば、1日5時間以上座って過ごす場合、一生のうちに心疾患を発症するリスクは1時間につき0.2%も高くなりました。一方、毎日相当歩き回る被験者は健康そのものでした。1日に1万5000歩(約11㎞)以上歩くか7時間以上立って仕事をしている労働者はBMIは正常値、ウエストも平均値であり、メタボリックシンドロームの兆候は一切ありませんでした。総合的に見ると、心疾患になるリスクは、遺伝的に高いリスクが無い限り、1日1万5000歩未満しか歩かない被験者に比べて大変低いものでした。この調査結果が示すことは、現在推奨されている1日1万歩はあまりに消極的であり、命を脅かすような心臓疾患を防止したいなら1万5000歩を目標にすべきだということです。

このレポートを読んで、1日に1万歩では足りないことを理解しました。
まったく歩かないよりは、1万歩でも良いのでしょうが
もう少し目標を高めに設定したほうが体に良さそうです。
記事によると、この研究の筆頭責任者であるWilliam Tigbe博士も
1万5000歩はちょっと努力すれば実行できる歩数だと
ニューヨークタイムズ紙で語っているそうです。
あと5000歩の努力を忘れないようにしたいです。

脳のために運動を習慣化する!

自分の運動に対するマインドを変えて、1日に2時間ほど歩く時間に費やしましょう。
その際、少し早いペースで歩くだけでよいのです。
しかも歩く時間を区切っても問題はありません。
朝、昼、晩にそれぞれ30分間歩き
さらに1日のどこかで10分間を2、3回に分けれて歩けば
私たちは心と体の健康を維持できるのです。

また、運動は脳の老化も防いでくれます。
ジョン J. レイティ、エリック ヘイガーマン
の二人は
運動が脳のニューロンの結びつきを強め、脳を活性化すると指摘しています。

運動するとすぐドーパミンの量が増え、しばらく定期的につづけると、脳の報酬中枢にあるニューロンが新たなドーパミン受容体を生み出し、さらに運動していこうという動機が芽生えてくる。新しい神経回路が作られたり、しばらく使わなかったために錆びついていた経路が磨き直されたりし、ほんの数週間でひとつの習慣が根づく。運動は自分を鍛え直す手段となり、それによって遺伝子の束縛を断ち切ることができる。(ジョン J. レイティ、エリック ヘイガーマン)

歩くこと、走ることが脳の健康を保ち、老化を防いでくれるのですから
1日に2時間、1万5000歩を目標に歩いて見ましょう!
そして、ジョギングと全力疾走を時々組み合わせるのです。
これを習慣にすることで、健康だけでなく、意志力も養えるようになります。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
脳を鍛えるには運動しかないの書評
BORN TO RUNの書評

     

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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