リンダ・ロッテンバーグの「THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する」の書評

わたしの目標は”アントレプレナーの、アントレプレナーによる、アントレプレナーのための”ムーブメントを起こすことだったーそして、あなたたちはそれを実現してくれた。(リンダ・ロッテンバーグ)


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アントレプレナーが成功するための3つの教訓

シリコンバレー以外にも起業家はいると信じたリンダ・ロッテンバーグ
1997年に起業家がアイデアを具現化するためのサポートを開始します。
彼女は非営利ベンチャーキャピタルのエンデバーを立ち上げ
世界に良い影響を与えるハイ・インパクト・アントレプレナーたちが
最初の一歩を踏み出し、成長するための金銭支援やアドバイスを行ったのです。
トーマス・フリードマンは彼女のことを
人類初のメンターキャピタリストとネーミングし
その功績を讃えています。
資金だけでなく、メンターになることで
多くの起業家の卵たちを育ててきたのです。

優秀なアイデアを持ったアントレプレナーたちは
アフリカやブラジルのスラム街など
世界中のありとあらゆる場所に存在しています。
大きな夢を持つ能力は国や性別、年齢には関係しません。
彼らのアイデアを見つけ、ブレークスルーさせるのが
エンデバーのミッションで
起業家の目標が達成されるたびに、世界が少しづつよくなっていくのです。
エンデバーは、創業以来27ヶ国、45都市に拠点を置き
1000人以上の起業家を成功させてきました。

そのエンデバーのリンダ・ロッテンバーグの著作
THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決するには
起業家たちがどうやって課題を解決してきたかが
惜しげもなく紹介されています。
本書を読むことで、成功を阻む難問を解決できるようになります。
現代という不確実な時代を生き抜くための
処方箋がいくつも書かれているので
ページをめくるたびにヒントをもらえます。

その中の一つがレイラ・ブレーズという
アフリカ系ブラジリアンの女性起業家から
著者が学んだ3つの教訓です。

■世界を新鮮な眼で見直す大切さ
■リスクに立ち向かうときの障害には、心理的な要素が大きい。
■リスクを負うものは、めったにひとりでは行動しない。(リンダ・ロッテンバーグ)

新鮮な視点で世の中を見ることで
私たちは自分の周りにある課題を発見できます。
アイデアを実行するためには、多くのリスクを乗り越える必要がありますが
最大のリスクは、実は自分の心の中にあります。
大小様々な恐怖心が日々、起業家に襲いかかります。
自分は一人ではないと気づき
自分の人生や周囲の人生を良くしたいと願い、行動した人たちが
成功のステップを駆け上がっていけるのです。
それをメンターとして、サポートするのがエンデバーの大切な役割なのです。

スタートアップを立ち上げる段階で重要なのは、事業計画ではなく、あなた自身の態度や考え方なのだ。

また、現状を打破したければ、人から支援を受ける必要があります。
そのためには、飾った言葉や数字を上増しした事業計画よりも
起業家の態度や考え方が重視されます。

アントレプレナーとは、行動する人間の気取った言い方にすぎない。(ウェンセス・カサレス)

起業家にとって、もっとも大事なことは
自らがリスクを負い、積極的に行動することです。
このパッションが伝染することで
周りの人たちが共感し、事業をサポートしてくれたり
プロダクトを応援してくれるようになるのです。

逆張り”思考で、人が向かわない道を進むことがポイントで
他の人たちが「あっち」に行くときに
ひとりだけ「こっち」に行く人が、最後に勝ち残ります。
課題を解決できるアイデアを見つけ、行動に移す人のみが勝者になれるのです。

恐怖心を減らすための処方箋

起業に対する期待と興奮が入り混じった状態を
アマゾンのジェフ・ベゾスは「デイ・ワン(初日)」と呼びます。
起業した後もデイ・ワンの気持ちを忘れずに
顧客本位を基準に仕事に取り組むことで
アマゾンは大成功を収め、ベゾスは世界一の富豪になれたのです。

起業するときには、恐怖感が頭から離れません。
その際に「困難に挑んでいいと自分に許可を与える」といいと
リンダ・ロッテンバーグは指摘します。
本書の「心+意志ー恐怖=アントレプレナー」いう公式を頭に入れ
それを口癖にすることで、自分を奮い立たせるのです!

今後、一つの仕事を一生涯続けることは難しくなっていくはずです。
変化の時代を生き抜くためには、
課題を見つけ、それを解決するための新しい働き方が求められるはずです。

他人が決めた道をたどる代わりに、ますますたくさんの人が、自分が進みたい道を自分で選べるようになったのです。うまくいかなければ道を変えることもできるし、自分が望めばピボットも図れます。人生を、ひとつのキャリアパスをたどるものとみなすよりも、大切な”スキル”を身につけていくものと捉えたほうが、人はずっと成長できます。

時代が求める人になるためには、自分への投資が欠かせません。
変化に適応するスキルを身につけるために
日々の努力が欠かせなくなっています。
この努力を重ねることで、自分に自信を持てるようになり
行動が怖くなくなるのです。

夢を叶える3つの秘訣

1、世界を「虹色の眼鏡で見る」 
2、すべてをシェアできる仲間を
3、愛すための人の時間を取る
夢を叶えるためには、この3つのスキルが必要です。
アイデアを考える前に、世の中を見る視点を変えることで
何が求められているかがわかるはずです。
また、アイデアを具現化するためには
困難がつきものだと思い、途中で諦めないことです。
また、より多くの仲間をチームに引き込むことで
勝つチャンスは大きくなります。

アイデアを大きく育てたいなら、一人でなく仲間と一緒に挑戦することです。

従業員と顧客と積極的な関係をつくりファンになってもらうことで
商品やサービスが売れるようになります。
アントレプレナーは最初は弱い存在ですが
障害を乗り越え、目標を達成するたびに逞しくなるのです。

しかし、働きすぎには十分気をつけなければいけません。
1日に24時間働き、勝ち続けるのは生身の人間には不可能です。
自分の休息や家族との時間を大事にすることで
初めて、ビジネスは長続きします。
新しい起業家たちは、働き方のルールを変えることで
成功を手に入れている事実を本書で再確認できました。

アントレプレナーの原動力とは、夢を見ることです。彼らは想像力のなかで生き、思い描いたものを全力を傾けて実現しようとします。他の人に見えないものを見ることは、誰にでもできます。でも、アントレプレナーはそれだけではなく、究極の飛躍をもたらします。想像したものを、かたちにして実現し、人生までも変えてしまうのです。

アントレプレナーとは夢を見れ、なおかつそれを周りに伝えられる人です。
自分のイメージしたものを全力で形にしようとすると
エネルギーが周りに伝わり、多くの人に応援してもらえるようになり
その結果、彼らは成功を手にできるのです。

まとめ

アントレプレナーの旅に出るためには、仲間の力が必要です。
一人の力には限りがありますから
自分の頭の中のイメージをしっかりと人に伝える必要があります。
パッションを持って伝えることで、周りの人のサポートを受けられます。
本書を読むことで、起業とはよいメンバーと
素晴らしいチームを作ることだと理解できました。
周りの人から支援を受けられる人が成功をつかむのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
      

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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