フィードバックを自分の財産にする方法

フィードバックには漠然としたものが多い。「もっと積極的になれ」「自分勝手な行動をとるな」「年相応にふるまえ」といった言葉は、一見するとわかりやすいように思えるが、内容はほとんどない。(ダグラス・ストーン、シーラ・ヒーン)


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フィードバックの目的を明らかにする!

多くのフィードバックは目的が明確になっていません。
感覚的な指導やアドバイスをいくら行っても
コミュニケーションがうまく行かず、フラストレーションがたまります。
ダグラス・ストーンシーラ・ヒーン
よくないフィードバックはスープの缶に貼られているラベルのようだと言います。
ラベルそのものを食べても栄養にならないように
ラベル同然のフィードバックはなんの栄養にもならないのです。

フィードバックがとても上手な人がいますが、彼らには共通点があります。
そういう人は、「まずはどういう意味か説明しよう」と言い
次に「おかしいところがあれば質問してほしい」と相手に伝えます。
自分のフィードバックを正しく伝えるためには
目的を明らかにし、様々な事実やデータを使って説明した上で
相手に質問してもらうことがとても重要なのです。

フィードバックを与えるときには次の2つのことを意識しましょう!
1、フィードバックは何にもとづいて生まれたものなのか?
2、フィードバックはどこへ向かうものなのか?
フィードバックを与える側は
(1)観察して情報を収集し、(2)それを自分なりに解釈するという過程を経て
フィードバックのラベルをつくります。
たいがいの上司はラベルを通じて、自分の部下への解釈を語っているのです。
このラベルが良いものだと認識させる力を養うことで
部下の力を引き出せるようになります。

フィードバックによって、お互いの未来をよくできます。
指導のフィードバックであれば、相手を向上させるための助言ですし
評価のフィードバックには、今後の相手への期待が含まれています。
特に、評価の伝え方には気を使わなければなりません。
なぜなら、評価は人を冷静でいられなくしますから
お互いが納得できるように工夫すべきです。

評価の中に隠されている事実を伝えなければ、相手との関係は悪化します。
例えば、5段階の評価で相手にあなたが4段階の評価を与えたとします。
あなたは4の評価をつけて、素晴らしい成績だったと伝えますが
相手は5をもらえなかったことに不満を感じます。

ここで客観的な事実やデータを明らかにすると相手の態度が変わります。
「5の評価は誰もいなかった。次はベストを目指そう!」と伝え、質問させることで
相手はそのフィードバックを受け入れます。
その後、的確な指導を行えば、部下は自分の行動を変えようと動き始めます。
正しいフィードバックを行うことで
フィードバックを受ける側も与える側も
お互いの素晴らしさに気づけ、チームを強くできます。

 

フィードバックを財産にする方法

フィードバックをもらい、それについて理解が深まるほど、自分自身のためになる何かが見つかりやすくなる。たとえ見つからなくても、自分がどのように誤解されていたのか、なぜ誤解が生まれたのかは少なくとも理解できるのではないか。我々はそう考えている。

受け取る方がフィードバックを素晴らしいものだと
捉えらえるようになると成長が早まります。
自分にとって意味がないとすぐに判断するのではなく
そこから何かを得られないかと考えることで自分を変えられます。
上司が誤解をしているのなら、お互いに話し合うことで
変化のきっかけをつかめ、生産性を高められるようになります。

自分の役に立ちそうなフィードバックをもらっているときは
間違い探しは忘れ、話を真剣に聴くとよいと著者たちは言います。
自分と上司とのギャップがあるのは当たり前ですから
その違いを見つけ、それが事実だと思えたら、自分を変えてみましょう。
フィードバックから本気で学び、自分を改善させられれば
お互いが幸せな気分を味わえます。
自分の成長が上司の自信になり、双方が成長できるのです。

まとめ

リーダーが愛を持って、部下にフィードバックするとチームは強くなります。
目的を持って、お互いの未来を変える気概を持つことで
相手とのコミュニケーションが変わります。
曖昧な話をするのではなく、事実やデータを使いながら
部下の気持ちに立って話すことで、親密さが生まれます。
相手の質問を受け入れ、誤解がなくなることで
コミュニケーションの質が高まり、お互いの成長につながります。

ダグラス・ストーンシーラ・ヒーン
ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

      

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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