シンプルなルールで会社を強くする方法

「戦略」と「実行」はコインの裏表のように、分かちがたいものである。シンプルなルールがあれば、その二つのギャップを埋めることができる。 (ドナルド・サル)


photo credit: wuestenigel Aperol spritz cocktail in sunset via photopin (license)

シンプルなルールが会社を強くする!

戦略の立案と実行が一致すると時間や資源の無駄を防げます。
シンプルなルールを設けることでチームは強くなり
より早く決断したり、的確に行動できるようになります。

ドナルド・サルSIMPLE RULESの中で
以下の3つのフレームワークが会社を強くすることを
複数の成功企業のケーススタディから見つけました。
1.「利益の針」をはっきりさせる
2、ボトルネック(障壁)を見つける
3、ルールを強化する

「ルールを強化する」ことは大事ですが
1と2のプロセスを踏まなければ、会社の利益を生み出せません。
ボトルネックを明らかにすることで、正しいルールを作れるようになるのです。

1、「利益の針」をはっきりさせる

上下に並んだ二本の針=成長線をぬう針をイメージすると
利益の出し方が明確になります。
上の針は、「顧客が支払っても良いと思う値段」で
プロダクトの質やブランド力によって、当然上下します。
もう一本の下の針は、「製品をつくるためにかかったコスト」です。
「イケア」は安さを追求するために倉庫型の販売形態によって
経費を抑えることができるため、低価格でも高い利益をあげられます。

マーケティングによって顧客が支払う金額をより大きくできますし
様々なコストを見直すことで、利益をあげられるようになります。
その際、使えるのが「WWHの法則」です。
これはマーケティングの基本で以下の3つのフレームから
戦略を立案することで、顧客を獲得できるようになります。
1.何を売るか(WHAT)
2.誰をターゲットにするか(WHO)
3.どのように届けるか(HOW)
この「WWHの法則」はあらゆる業界で応用可能です。

「ザティシ・グループ」は1991年にサンジブ・スリが開いたヘルシーな飲食店です。
チェコスロバキアで共産党政権が崩壊したあと
プラハにできた最初の高級レストランとして有名で
しっかりと店舗の特徴を出すことで彼は成功を手に入れました。
彼は自社のマーケティング戦略を「WWHの法則」によって次のように決めたのです
1、ヘルシーで栄養バランスのとれた料理を(WHAT)
2、健康意識の高い人に(WHO)
3、安全で新鮮な食材を使い、つくりたてを提供する(HOW)

サンジブ・スリは売り上げと利益を上げるために
明確なルールを作り、健康に良いレストラン事業をスタートします。

利益を出す方法とボトルネックを克服し、会社のルールを強化する!

2、ボトルネック(障壁)を見つける
企業が利益を生みだすうえで妨げとなるボトルネックを見つける必要があります。
人材不足、資金不足、在庫不足など企業が抱えているリスクを明らかにし
それを解決していく必要があります。
「シンプルなルール」をつくる際には、その中の一つにフォーカスすると
うまくいくと著者のドナルド・サルは指摘しています。

ザティシ・グループのカフエ事業部は「WWHの法則」にしたがい
優先的に解決すべき重大なボトルネックが食材選びであることを見つけました。
ある日、メニューの見直しのために各店舗のシェフたちが集まった際に
この問題点が明らかになったのです。
本来は安全で新鮮な食材を提供しなければならないはずが
季節外れのものや地元以外のものを使用しているシェフが少なからずいたのです。
しかも、それぞれのシエフに管理を一任していたため
食材の仕入れもメニューも各店舗でばらばらでした。

そこでまず、食材の仕入れを一元化することにし
毎日少なくとも二品は各店舗とも同じ料理を提供しました。
90パーセントは地元産の旬の野菜や果物を使用することをルールにしたのです
このシンプルなルールを実行後、わずか数カ月で
利益は2倍になり、一年半後には店舗数も3倍に急増しました。
店のコンセプトとターゲットを明らかにすることでやるべきことがわかり
シンプルなルールによって、会社と社員が一つになり成果を出せたのです。

3、ルールを強化する

ルールというのは実際にそれを運用する人がかかわってつくるべきで、4人から8人くらいで話しあって決めるといいだろう。

現場の人間が参加し、経験を活かすことで、初めて使い勝手のよいルールが作れます。
これにより、ルールが現実的になり、仕事の妨げになるような無意味なルールをなくせます。
現場が加わることで専門用語に頼ることがなくなり
使う人々に響くような言葉でルールが作れます。
ルールを実践しようというモチベーションも高まり
上から与えられたルールとは異なり、現場に浸透していきます。
このシンプルなルールによって、会社の戦略と現場の実行力が一致するのです。

1.「利益の針」をはっきりさせる
2、ボトルネック(障壁)を見つける
3、ルールを強化する 
という3つのフレームワークで会社を強くしましょう!

まとめ

売り上げや利益を上げるためには、マーケティング戦略を立案し
会社が目指す方向を明らかにする必要があります。
1、何を売るか(WHAT)
2、誰をターゲットにするか(WHO)
3、どのように届けるか(HOW)を明らかにすることで
会社の向かうべき方向が明らかになり、社員が的確に行動できるようになります。
また、会社のボトルネックを明らかにし
それを解決するシンプルなルールを作ることで、会社の経営状態は改善します。
ルール作りに現場の声を加えることで
社員のモチベーションが高まり、成果を出せるようになるのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
参考図書 
ドナルド・サルキャスリーン・アイゼンハートSIMPLE RULES
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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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