海賊たちが従業員エンゲージメントの高い会社を作っていた??

世間一般の見方と異なり、海賊の生活は規律正しく、真面目。(ピーター・リーソン)


photo credit: sasastro Hastings Pirate Day 2017-272 via photopin (license)

利己的な人たちは大きな成功はしない?

エリック・バーカー残酷すぎる成功法則によって
海賊に対するイメージが変わりました。
悪の象徴である海賊たちは、実は組織運営の達人で
従業員エンゲージメントの高い会社を作り出していたのです。

エリック・バーカーは利己的な人たちと
与える人(ギバー)のどちらが成功するか?を考察する中で
海賊をケーススタディにしていますが
ここから私たちはエンゲージメントの重要性に気づけます。

エリック・バーカーは海賊の親分たちが
手下を丁重に扱うことで成功を手に入れることができたと述べています。
海賊たちは私たちが思っている以上に民主的で、お互いに信頼し合っていました。
メンバー同士のエンゲージメントを高めることで
経済的に健全で、しっかりと富を蓄える仕組みをつくっていたのです。

海賊は映画や小説のイメージとは全く異なり
公海上の優秀なビジネスマンとして、活躍していたのです。
彼らは眼帯をしたサイコパスや悪党だったわけではなく
利益をあげることにフォーカスした戦略的かつ優秀な人たちでした。

かの伝説の海賊は、生涯を通じて一人も殺していないという。また、捕虜が船体から突きだした板の上を歩かされたという記録もただの一つもない。(アンガス・コンスタム)

彼らはお互いに信頼し助け合うことで成功していたのです。

海賊たちはなぜエンゲージメントを意識したのか?

なぜ、海賊には極悪非道な野蛮人というイメージがあるのでしょうか?
それは彼らがそのように振舞ったからです。
彼らはマーケティング戦略のもと、恐ろしい海賊のイメージを定着させたのです。
無駄に交戦するより、人びとを震えあがらせて、即降参させるほうがはるかに効率的です。
戦わずに相手が積荷を渡せば、経費もかからず
ビジネスを安全に行えるというメリットがあります。
彼らは自ら野蛮で残忍なイメージをつくり出すことで、経費を削減していました。

また、彼らはしっかり稼ぐために協力し、公平な組織をつくっていました。

海賊も元々悪事を働くために結成されたわけではない。むしろ悪に対処するために作られたと言ってもいい。当時の商業船のオーナーは独裁者で、船長は日常的に職権を乱用していた。船員から戦利品の分け前を奪い、逆らえば処刑した。こうした略奪への対応と、上層部に痛めつけられずに航海したいという船員たちの思いから海賊は誕生したのだ。海賊船はすこぶる民主的なところだった。すべての規則は全員一致で承認されなければならない。船長は、何か理由があればその地位から下ろされるので、暴君からしもべのような存在に近づいた。唯一、船長が全権を掌握できたのは、生死に関わる即断を強いられる交戦中のみだった。(エリック・バーカー)

海賊は、人びとが喜んで働きたくなるような組織を作っていたのです。
エンゲージメントのある理想の組織が海賊だったと言えるかもしれません。

彼らの賃金体系や労働条件は意外なほど公平だったことがわかっています。
そして、モチベーションを生み出す仕掛けをつくり
働きがいのある会社運営を意識していたのです。
海賊たちは勇敢に戦ったり、標的船を最初に見つけると報奨金をもらえました。
戦闘中に怪我した者は、被害届を出せば、補償制度によって
一定額の手当てがもらえるなどお互いをサポートしていたのです。
こうした人事制度は非常に好評で
海賊は人材の補充にまったく苦労していませんでした。

海賊の組織はダイバシティで、さまざまな人種がこの組織に参加していました。
彼らは人びとを平等に扱ったほうが商売がうまくいくを理解し
自分たちの組織をより強くしていたのです。
多様性という進歩的な取り組みによって、優秀な人材を発掘し
彼らが長期的に気持ちよく働けるように組織を運用していました。
人種に関係なくすべての船員が船のさまざまな問題に関して投票権を持ち
賃金も均等に分配されるなど、平等な組織運営を行っていました。

平等で可視化された健全経営が海賊たちのエンゲージメントを高めていたのです。
現代の経済学者たちも海賊のビジネス手腕に
舌を巻くほど、彼らの組織運営は秀逸でした。

海賊の統治法は、船員に十分な秩序と協力関係を行き渡らせ、それにより海賊は、史上最も洗練され、成功した犯罪組織になった。(ピーター・リーソン)

海賊はザッポスのような今でも通用する組織で、当時の人気商売だったのです。
彼らの利己的な部分、犯罪手法を真似しろとは言いませんが
従業員エンゲージメントに関しては参考になる部分が多いのです。
働きがいのある会社を作りたければ
海賊の組織運営を見習うと良いかもしれません。

まとめ

海賊は私たちのイメージとは異なり、綿密な組織運営を行っていました。
彼らは怖いイメージを作ることによって、交戦コストを削減していたのです。
海賊たちは働きがいのある組織をつくり
お互いに信頼することで成功しました。
平等主義、ダイバシティ、表彰制度などを取り入れ
従業員エンゲージメントの高い組織を作り上げていたのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

      

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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