集中力を鍛える最善の方法。

今や情報はデジタル方式が主流となり、人類の歴史が始まってから2003年までの分量に相当する情報が、わずか2日で生み出されている。そして私たちは、パソコンやスマートフォンから続々と送り出される情報の波に押されて喘いでいる。だが、その膨大な量の情報を扱うべき肝心の私たちの脳は、何千年が過ぎようと、ほとんど進化していない。このような環境にあれば、一つのことに集中できないのも当然であり、情報の波にのまれないためには何かしらの対策が必要だ。そういった問題を解決する手段は、病名をはっきりさせることや、薬を処方してもらうことだけではない。生活習慣を見直すこと、そして集中力を取り戻すためには、何を変えればいいのかについて考えるべきであろう。(アンダース・ハンセン)

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集中力を高めるためにどうすればよいのか?

アンダース・ハンセン一流の頭脳書評を続けます。私たちは情報大爆発の時代を生きています。iPhoneやパソコン、TV、サイネージなどから絶えず情報のシャワーを浴びています。しかし、私たちの脳は数千年前からあまり進化していません。情報過多の中で生きている現代人は、目の前のことに集中できなくなっているのです。世の中には集中力を高めるための自己啓発書やサプリメント、民間療法が数多くありますが、そのじつ効果が立証されたものはほとんどありません。アンダース・ハンセンはそんなものに頼るよりはるかに良い方法があるというのです。身体を動かすだけで、脳が活性化し、集中力を強化できるのです。

集中力には脳の報酬系が影響しています。前脳に存在する神経細胞の集団である側坐核は、報酬系をコントロールしているのです。この側坐核はあなたがご馳走を食べているときや性行為の最中だけ活発になるのではなく、四六時中、休むことなく活動しています。今の行動は続ける価値があるかどうかを判断し、その情報をほかの領域に伝えてくれます。たとえば、テレビを観ている時に側坐核がその番組から充分な刺激を受けなければ、ドーパミンがあまり分泌されません。この結果、注意力が散漫になり、もっとドーパミンが放出されそうなあらゆるものに目がいってしまうのです。ドーパミンが足りなければ、脳はもっと大きな刺激を得られそうなものをひたすら探し続けます。すぐに気持ちが高揚するものを求め、時間がかかるものには目を向けたがりません。このようにドーパミンが十分に分泌されないため集中できずに、意識が散漫になってしまうのです。

では、どうすればドーパミンを分泌し、集中できるようになるのでしょうか?

今では、運動をした直後にドーパミンの分泌量が増えることがわかっている。運動を終えた数分後に分泌量が上がり、数時間はその状態が続く。そのため運動後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、心が穏やかになる。頭のなかがすっきりして、物事に難なく集中できるようになる。そして、唸りのような雑音も消えるのだ。加えて、身体に与える負荷が多いほど、ドーパミンの分泌量も増えるようだ。そのため、ドーパミンの量を増やすには、ウォーキングよりもランニングのほうが適している。

ランニングやサイクリングをしたとしても、すぐに気分がよくなるとは限りません。運動してもいきなり集中力が改善されない場合もあります。私たちは途中であきらめてはいけないのです。ドーパミンは、運動の時間が長くなるにつれて増えていくことがわかっています。脳は、徐々にドーパミンの量を増やしていくと考えられているのです。運動を習慣化することで脳が活性化していくのです。

運動は前頭葉も刺激します。前頭葉は集中力をコントロールする役目も果たしています。脳の奥ではおびただしい数の情報が入り乱れていますが、前頭葉この混乱を鎮め 、雑音を取り除き、物事に集中できるようにする役目もあります。運動してドーパミンを増やせば、報酬系と前頭葉、 2つの「集中力を左右する部位」に一気にアプロ ーチできるとアンダース・ハンセンは指摘します。

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運動を習慣にすれば、集中力が高まる!

科学の研究は、本当に効果のある「精神を集中するためのギア」はサプリメントでも、脳トレ用のアプリでもなく、身体を動かすことであるという事実を明らかにした。たとえ私たちの社会が、もとより身体が適応していた時代からどんどん遠ざかってしまったとしても、よく動きさえすれば、今でも身体は昔と同じように反応する。それを踏まえて、運動やそれが集中力に与える影響について考えるべきである。

私たちはもっと身体を動かすべきです。物事に集中したければ、運動を習慣にすべきです。その際、歩くより走った方が効果があることがわかっています。身体に負荷がかかればかかるほど、脳はドーパミンやノルアドレナリンをたっぷりと放出してくれます。そして、集中力を高めるためには運動を朝からすべきです。集中力を高めたければ、日中の早い時間、午前中に行えば、その後もしばらく運動の効果が続くことがわかっています。

一般的に集中力が必要なのは昼間であって、夜ではない。可能であれば30分続けてみよう。少なくとも20分は続けたいが、30分のほうが充分な効果が期待できる。そして、運動を習慣にしよう。

確かに午前中に集中すると結果を残せます。脳が一番元気な時間帯の朝を有効活用すべきです。朝早くから運動し、集中することで、午前中のゴールデンタイムの生産性がアップします。他の情報に流されずに自分のもっとも大切なことに集中するために、朝の運動を日課にしましょう。

まとめ

集中力を高めるためにもっとも効果的な方法が身体を動かすことです。運動を習慣化し、体に負荷を与えることでドーパミンが分泌され、集中力が高まります。朝のランニングを習慣化することで、脳が元気な時間帯の午前中の生産性がアップします。集中力を高め、結果を残したければ、積極的に運動しましょう。

参考図書 アンダース・ハンセン一流の頭脳

      

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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