髙田明氏の伝えることから始めようの書評

とっさに口をついた私の語学体験だが、好きで一生懸命やったことは、人生で決して無駄にならない。どこかでつながってくるものなのだ。(髙田明)


photo credit: PeterThoeny It was a long shot via photopin (license)

自分が経験したことは無駄にはならない

日経新聞で連載中のジャパネットたかたの創業者の髙田氏の話が面白く、毎日楽しみにしています。髙田氏が通販番組で電子辞書を販売した際にお孫さんへのギフトへ最適と宣伝しました。その際、大学時代に勉強したリンカーンの演説をとっさに英語で披露したところ、それが大反響を呼びます。大学時代はESSに所属した高田氏ですが、当時、必死に英語を勉強し、サークル生活をエンジョイしたそうです。この時の学びが数十年後に役に立ち、1日で1億円という記録的な売り上げを達成しました。普段は電子辞書を買わないシルバー層が、孫へのプレゼントとして、電子辞書を購入した結果、1億円という売り上げにつながったのです。

今勉強していることが役に立つわけがないと学生時代は思いがちです。しかし、今の学びが未来の自分を救ってくれるのです。自分の人生の体験や出会い、今の仕事で直面しているトラブルも遠い将来に役立つことがあるのです。意味がわからなくとも自分ごと化できなくとも、一旦自分の中に取り込んでみましょう。目の前の学びや仲間、体験を大切にしたり、今ここに集中することで脳がその情報や体験を記憶します。

すると必要な時にその知識や体験が生きてきます。脳の中で過去の情報と今の情報がつながって、答えがもたらされます。思いもよらぬ瞬間にひらめきが浮かび、目の前の問題が解決されるのです。髙田氏は英語を勉強したこと、欧州で英語を活用しながら働いたことが人生に大きな影響を及ぼしたと書いています。何事にも関心を持ち、アクションを起こすことが未来を明るくしてくれるのです。

何事にも関心を持って生きるほど、豊かな人生を送れるのではないか?

好奇心は何歳になっても失わないようにしたいものです。目の前の体験を大切にし、脳に刻むことを忘れないようにしましょう。旅行に出たなら、iPhoneを気にするのではなく、目の前に広がる景色を見て、そこからインスパイアされることに意識を向けるのです。先日、ジャカルタ、バリ、ロンボクを旅してきましたが、できるだけiPhoneを見ずに目の前の景色を楽しむことで、英気を養えました。またバリでの新たな出会いによって、面白いプロジェクトが始まったのも、好奇心と今を楽しむ選択をしたおかげなのです。

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今を生きる、そこから未来が変わり始める!

私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、そんな夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。毎日毎日、その日しなければならないこと、その日できることを、一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けて来た。その日、そのときをただ「今を生きてきた」。それだけだったんです。

この連載が気になって、髙田氏の伝えることから始めようを読みました。髙田氏は本書でなんども「今を生きる」ことの重要性を語っています。今を頑張れば明日は変わると信じて、多くのことにチャレンジすることで、人は成長します。過去に起こったことは変えられませんが、私たちの未来は変えられます。そしてそれを変えるためには今に集中するしかないのです。過去の失敗をくよくよして、時間を浪費するのは無駄なことです。今を犠牲にして、過去を振り返るのはもう二度としないようにしましょう。

大切なのは過去じゃありません。過去は参考にすればいいんです。私は失敗をあまり失敗だとは思いません。失敗に学んで、次に活かせたらそれは失敗ではないと思うんです。だから、他人からは失敗に見えても、私はあまりくよくよしません。「超楽天的」などと言われたりします。

「過去と他人は変えられない」というエリック・バーンの言葉を信じて、今を大切にするのです。高田氏は記念撮影の仕事をしている時にお客さんになんども声をかけ、カメラを向かせる努力を続けました。顔がしっかり写っていない写真は誰も買ってくれません。大きな声でお客様と対話したり、何枚も買ってもらう仕掛けを絶えず考えることで売り上げを伸ばしたのです。他のカメラマンがやらないこと、目の前のお客さんを振り向かせることで、売り上げを高めたのです。

目の前のことを一生懸命にやっていれば、自然と次の課題が見えてくる、ということなんです。次に何をすればいいか見えないよいうことは、まだ一生懸命じゃないのかもしれません。

髙田氏は毎日、一生懸命にやっているうちに、どうしたらもっと売れるだろうかと考えるようになったのです。こっちを向いてくれるまで、シャッターは押さないというアイデアはここから生まれました。一人に2枚も3枚も買ってもらうという課題を設けることで、グループ写真や集合写真を撮影するようになったのです。また、お年寄りにカメラの操作法を手取り足取り教えることで、お客さんをファンにしていきます。これが後の通販番組のヒントになりました。アイデアは目の前の課題に一生懸命になることで解決できます。一生懸命やっていれば、その時は役に立たなくても、いつかは役立つ時がきます。どんな知識や体験もいつかはつがなり、未来の自分を助けてくれるのです。

まとめ

人生をよりよくするためには、今を全力で生きることです。今にフォーカスすることで自分の課題が見つかります。課題を克服するために必死に考えるうちに、過去の知識や体験が脳の中でつながり、新しいアイデアが生まれます。日々一段一段階段を登っていくことで、大きな目標を達成できるようになるのです。

        スクリーンショット 2016-04-29 22.16.13  

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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