ジェイムズ・A・レヴィンのGET UP! 座りっぱなしが死を招くの書評 椅子に殺されないために立ち上がろう!

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蒸気機関によってオートメーション化が実現し、製造業の各分野で工場の建設が相次いだ。農村部から雇用のある都市へと、人口が流入した。動力源も、雄牛から石炭へと変わった。1850年代までにはアメリカとヨーロッパにも産業革命が拡がった。農村地帯から都市への人口の流入はとどまるところを知らなかった。そして、とどまるところを知らなかったものがもう一つある。「椅子教」への転落だ。(ジェイムズ・A・レヴィン)

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今日の子どもたちの多くは、自分の手でコーヒーを挽いたことも、洗濯板を使って洗濯したことも、徒歩で通学したことも、図書館に歩いていって本を借りたことも、レコードを買ったことも、目覚まし時計のねじを巻いたことも、暖房用のストーブにくべる石炭や薪を運んだこともない。効率の名のもとに、私たちは脚を失くしてしまったのだ。

椅子依存をやめて、立ち上がろう!

ジェイムズ・A・レヴィンGET UP! 座りっぱなしが死を招くを読了しましたが、この良書を一人でも多くの人に読んでもらいたいと思い、今日はブログで紹介します。レヴィンはアメリカのメイヨークリニックの研究員で専門は肥満と健康増進です。彼は研究を通じて椅子が肥満の原因で、座りっぱなしが人を病気にするという結論を導き出しました。椅子依存症が現代人に蔓延し、病気や肥満を引き起こしています。産業革命がきっかけになり、人々はどんどん利便性を追求し、先進国だけでなく、今や世界中の都市生活者がの椅子依存症に陥り、病気や肥満を悪化させ、自分を苦しめているのです。

ジャマイカのテレンス・フォレスター教授の研究結果を読むと都市生活者の問題点が一目瞭然でわかります。ジャマイカの農村の人たちと都市生活者のライフスタイルを比較したところ、座りっぱなしが肥満を引き起こしていたのです。ダンサーであろうとバナナ農園の労働者であろうと職業に関係なく、農村部の人々はキングストンの都市生活者の半分の時間しか座っていませんでした。農村部の人々が座っている時間は、どんな日でも一日あたりわずか3時間でした。ところがキングストンに移ったとたん、座る時間は倍増し、歩く時間は半減したのです。キングストンの都市生活者が座っている時間は北米に住むひょろひょろの都会っ子と同じくらい長いことがわかりました。

農村部の生活が人を動かすのに対して、現代の都市生活は人を座らせるのだ。座る時間の差のあまりのや大きさに、私たちは心底驚いた。痩せていようがいまいが、人は都会に住んだだけで、農村部の人の半分しか動かなくなる。都市化にともなってカロリー燃焼量がこれほど減少るのであれば、世界に蔓延する肥満の原因は完全に説明できそうだった。

また、中国人の肥満と糖尿病ももこの10年で激増してしまいました。中国の変化の急激さは、産業革命初期のイギリスやアメリカによく似ており、まさに歴史は繰り返しています。もし、今後、中国が問題を無視しつづければ、肥満の大流行はアメリカやヨーロッパなど比較にならないほど大規模なものになるとレヴィン博士は指摘します。データを見るとすでに遅きに失した感もあります。北京の子どもは二人に一人が肥満であり、中国国内の肥満率はアメリカでも過去に例をみないほど急激に上昇しています。

農村部から都市部への移動が椅子の優勢に拍車をかけているという私たちの推測は、今や複数の研究で裏づけられている。1900年には世界の全人口の約90パーセントが農村部で暮らしていた。それから一世紀後の現在、世界の人口の半数以上が都市部に集まっている。産業革命以降、人の住む場所という場所は、コンクートに覆われた大都市がいくつもつながった網の目と化している。国から国へ、都市から都市へ、椅子愛は伝染している。

オフィスでも、車での移動中も、遊ぶときも、みんなが椅子にめろめろで、椅子依存症の重症患者が増加しています。この結果、多くの人が病気になり、死期を早めているのです。

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「座り脳」を脱却するために、マインドセットを変えよう!

肥満の秘密は解明された。NEATのスイッチをもたない人は、食べすぎたあとにも座りつづけるため、太りやすい傾向にある。肥満とは、座りっぱなしでいることによる当然の帰結なのだ。じっと座っていることはとても大きな威力があり、余分なカロリーを燃焼する能力は根こそぎ奪われてしまう。

長時間座ったままでいると、脳は構造的に「座り脳」になり、やがては思考パターンまでが固定化するとレヴィンは言います。しかし、脳には可塑性があるのですから、歩くことを習慣にすればよいのです。椅子依存症患者でも、最初の一歩を踏み出せば、つまり立ち上がって歩き出しさえすれば、脳はちょうど筋肉のように、変化に柔軟に適応します。座るのではなく、立ち上がることを選択し、それを脳に刷り込むのです。

歩き出した人の脳は新たな神経可塑性因子を発動し、時間の経過とともに「歩く」という新たな傾向に適応していくのだ。脳はこうしてたえず適応を続け、三週間ほどかけて変化する。つまり、椅子依存症患者でも、三週間あれば「歩き屋」になれるわけだ。でも、気をつけて!「歩き屋」だって、座り続ければ同じように簡単に、椅子依存症患者になってしまうのだから。

産業革命以降、過去数世代のあいだに、座りっぱなしのせいで何百万人もの脳が「座り脳」になってしまったのです。現代の都市生活者の大半は「座り屋」で椅子教徒になっています。脳が「椅子教」に適応すれば、社会全体もそれに合わせて変化します。ほとんどの人が「座り屋」になってしまうと、社会の構造も椅子の存在を前提とし、利便性を追求したプロダクトが次々生まれるようになりました。オフィスも住宅も、椅子に座る生活を前提にして変化するのです。劇場の椅子はよりゆったりと柔らかくなり、ドライブスルーが発展し、買い物は足でするものでははなく、アマゾンのサイトでクリック一つで完了するようになり、人はますます歩かなくなるのです。私たちがせっせとつくり上げてきた現代の生活様式は、歩かないことが前提になってしまったのです。この結果、歩くことで進化してきた脳が、椅子依存症になることで退化する可能性すら出てきました。

私たちは古代からの「動き屋」の世界を、現代の「怠け者の座り屋」の世界へと変容させてしまった。その結果大きくなったのはお尻だけではない。脳もまた「座り脳」になっている。だが、一度は屈したものの、椅子の刑の宣告は無効にすることもできる。再適応すれば、生き残りは可能だ。私たちは立ち上がれるのだ。

もし、私たちが立ち上がる選択をしなければ、悲惨な未来が待っています。クリケッターズ・ブレイントラストの次の研究結果を読んで、自分のマインドセットと行動を変えるべきです。食後に座ったままでいた場合、血糖は高山型を描いて急上昇し、ピークが2時間にわたって持続することがわかりました。しかし、食後に15分間、時速約1.6キロの速度で歩くだけで、上昇カーブは高山型から穏やかで安全な丘陵型に変わり、ピーク時の血糖値が半減します。このように毎食後にちょっと歩くだけで、高血糖は抑えられます。カロリーの高い食事と歩かないことを選択するとやがて人は糖尿病を患うのです。

食べ物は燃料だ。私たちは動くために食べる。食べても動かずにいると、その結果は高山レベルの血糖値だ。椅子依存症が広がる現代社会で糖尿病の罹患率が倍増すると予想されるのは、当然なのだ。

また、睡眠と椅子に座る休憩は異なります。座ることでは睡眠の効果を得られません。私たちの体は睡眠中、スイッチがオフになると同時に、自己修復モードに入ります。筋肉と骨の健康維持に不可欠な成長ホルモンの大半は、睡眠中に分泌されるのです。認知症との関連が指摘されるタンパク質が脳から除去されるのも、睡眠中です。インスリン分泌の最適化や糖尿病の予防にも、睡眠は一役買っているなど眠ることが私たちの心と体に良い影響を及ぼしています。ジークムント・フロイトは、睡眠が精神面の修復に欠かせない役割を負っていると示唆しました。さらに、複数の神経学者が、睡眠中に多数の神経回路が修復され、記憶が定着すると指摘しています。

眠っている状態と座っている状態は、体を動かさない点では似ているが、違うものだ。椅子に座ってコンピュータースクリーンを見つめているときの体は、いわばエンジンをアイドリングしているような状態だ。この状態で動かずにいると、筋肉は刺激が少なすぎて故障してしまう。また、座っているときは体内の自然なインスリンの働きが低下する。そのため座りっぱなしでいると血糖値が上がり、糖尿病につながる。

精神面の影響を言えば、仕事で座っているとき、人はストレスを受けてます。仕事中はオフィスで座っている人が多いと思いますが、この時コルチゾールが分泌します。座っている間は、血中の中性脂肪が増えつづけ、心拍数は下がります。脚からの血液の戻りが悪くなり、足首がむくみ、腰痛も起き、手首も痛みます。それでも長時間座りつづけていると脳は休止状態に陥り、創造力が落ちてしまうのです。座りっぱなしは体や心に悪影響を与えるのです。

ヴィレンド・サマーズ博士とシェリー・マクレディア=スピッツァーは長時間眠らない被験者を観察しました。睡眠時間が少なくなればなるほど、被験者の食べる量と座っている時間は増えたのです。睡眠不足が肥満とイライラを引き起こしたのです。逆に、昼寝をすることが体にエネルギーを与えます。昼寝のあとは、それ以前より活動的になれるというデータもあります。椅子から逃げ出し、歩き回るためには、よい睡眠が欠かせません。座りすぎたら、昼寝をしたり、夜の睡眠の質を高めなければなりません。座ることの弊害を理解し、自分の健康を取り戻しましょう!

まとめ

現代の都市生活者は座ることが当たり前になり、その結果、肥満や病気を引き起こしています。もしも、あなたが椅子依存症になっているのなら、自分の脳を変えましょう。歩く習慣を取り入れ、自分を改善すべきです。健康体で長生きしたければ、一日になんども立ち上がり、歩き回るようにすべきです。早死にしたくなければ、産業革命以前の人たちを真似し、座る時間を減らすべきです。

        スクリーンショット 2016-04-29 22.16.13  

 

 

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徳本昌大

徳本昌大ソーシャルおじさん

投稿者プロフィール

複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みを持つ。
ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションデザインの実績多数。

現在、ベンチャー企業の取締役 顧問として活躍中
インバウンド、海外進出のEwilジャパンCOO
Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー GYAKUSAN株式会社など
アルコール依存症を克服した独自の習慣術でのベンチャー起業家へのコーチングも行う。

ドラッカー名言学び実践会主催
iPhone記事や、ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新しています。
MacFanの書評連載も評判

著書に、
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。

電子書籍も積極的にリリースしています。
「ミドル世代のための小さな会社の創り方」
「名刺作成のプロが教える ソーシャリアル名刺の作り方」
などが代表作。

参考サイト
http://column.bizright.co.jp/
 

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