ポール・スローンのいつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデアの書評

人は誰もが、革新的な発想をして行動に移す「イノベーター」にならなくてはならないときがあるが、実際のところは誰でもなれるものである。イノベーターのように考え、行動すればいい。だが、多くの人が、それを難しいと感じている。人には、不要な危険を避け、以前にうまくいったことを繰り返し、快適な生活で満足するという、ごく自然な傾向があるからだ。 (ポール・スローン)


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業界のルールを破って、イノベーターを目指そう!

ポール・スローンいつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデアの中に Queenのフレディ・マーキュリーのことが書かれていました。1975年の中学校1年の時に、私はQueenにハマり、彼の歌声の虜になりました。その当時流行っていた「ボヘミアン・ラプソディ」が本書で取り上げられていることにびっくりしましたが、著者の説明を読んで、フレディの革新性を理解できました。この楽曲で使われたフレディのアイデアを真似れば、確かにイノベーターになれるかもしれません。彼はポピュラー音楽の型を破ることで、ロック史に残るスーパースターになれたのですから!

この曲はポピュラー音楽のルールをすべて破っていた。当時のほとんどのポップスがシンプルで型にはまっていたのに対して、マーキュリーは一つの曲に様々なスタイルやテンポを複雑に混ぜ合わせたのである。この曲は6つの要素から構成されている密集和音のアカペラのイントロ、バラード、ギターソロ、オペラのパロディ、ロックアンセム、そして美しいフィナーレだ。人を殺したという、運命を嘆くような謎めいた歌詞があり、そしてとても長い曲だった。

フレディのスタイルを真似て、自分の仕事の型を破ることを考えれば、自分の存在を変えることができます。まずは、自分の業界のルールを打破することを考えて、アクションを起こしてみましょう。

実はフレディはこの曲をシングルとしてリリースしたいとレコード会社のEMIに提案していたのですが、 楽曲が長すぎるという理由で拒否されてしまいます。この曲は5分55秒の長さでしたが、当時の音楽業界の慣例では、ラジオ番組で流すのは3分半以内の曲に制限されていたのです。 確かに私が子供の頃には、3分前後の曲しかラジオからは流れていませんでした。

そこで彼は、EMIの頭越しに友人のラジオDJケニー・エヴァレットに直接掛け合います。の一部だけを流すという条件で、このレコードを手渡しましたのです。エヴァレットは最初は条件に従って流していましたが、リスナーの反響があまりに大きかったため、自分が司会を務める週末のラジオ番組で、6分近いこの曲をノーカットで何度かオンエアーしたのです。

翌週の月曜日には、この曲を求めて多くのファンがレコード店に押し寄せましたが、レコードは発売されていなかったのです。ここに至ってEMIもレコードをリリースせざるをえなくなり、ラジオでは流せないと言われ続けてきた曲が大ヒットして、彼らの代表作になったのです。

また、この曲は、まったく同じバージョンでランキング1位を二度獲得した初めての曲となりました。一度目は最初のリリース時の1975年、二度目はフレディが亡くなった1991年のことでした。アメリカでは100万枚以上を売り上げてゴールドディスクを獲得し、1992年には映画『ウェインズ・ワールド』に使われた影響で、世界中で人気が再燃したのです。

慣習を破ることで、Queenは成功した!

フレディ・マーキュリーがこの曲に取り組み始めたのは、1960年代後半のことでした。彼はリスナーを楽しませるためでも、ヒット曲の法則に従ったわけでもなく、自分の音楽表現を解き放つクリエイティブな作品としてこの曲を書いたのです。当時の機材ではレコーディングがとても大変なうえに、楽曲や歌詞などには大きなリスクをはらんでいました。しかし、彼のチャレンジは評価され、多くのファンから支持されたのです。なんと2002年には『ギネスブック』で英国音楽史上最高のシングル曲に選ばれるなど、型破りだった楽曲がロックの名曲になったのです。

フレディ・マーキュリーは1946年に東アフリカのザンジバル(現タンザニアの一部)に生まれましたた。17歳のときに、ザンジバルの内戦を逃れてイギリスに渡ったマーキュリーは、ロンドン郊外のアイルワース・ポリテクニック(現ウエスト・テムズ大学)で芸術を学びました。

彼はいろいろなバンドを渡り歩いたのち、1970年にギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーの二人に出会い、Queenとしての活動をスタートします。その後、ベースのジョン・ディーコンを加えたバンドはは、重要かつ影響力のあるロックバンドに成長していったのです。

彼はキーチェンジの繰り返しや曖昧なコード、変わったハーモニーなどの型破りなアレンジで慣習を破り、ディスコ、ダンス、ラグタイム、オペラ、ヘヴィロックを含む多様なジャンルに挑戦したのである。クリエイティブな才能を持つ人は 、既存のものに手を加えるようなことはしない。また、顧客や上司、批評家の要求に耳を傾けることもしない。まず、自分が考える画期的なアイデアをとことん追い求めるのだ。

才能のあるイノベターは、相手のスケジュールや制約に合わせたり、る他の人々の期待に沿ったりはしません。自分のペースで、自らの作品を作り上げています。

型破りの作品を世に問う時には、自らが宣伝担当になる必要も出てきます。自分が心から信じているものなら、PRを担当し、最高の売り込みをして、それをヒットさせなければなりません。他者の要求を聞かずに、妥協もせず、ひたすら、自分が考える画期的なアイデアを追い求める必要があります。

あまりに斬新すぎるという理由で、自分が手がけた作品やプロダクトが従来のル ートから拒まれた場合には、直接掛け合うのもよいのでしょう。フレディーも自ら宣伝担当になることで、「ボヘミアン・ラプソディ」をヒットさせたのですから、イノベーターで成功したければ、彼の態度を真似てみましょう!

まとめ

イノベーターになりたければ、業界のルールを打破することから始めましょう。自分の業界の規制や慣習をリストアップし、それを否定するアイデアを書き出してみるのです。このメソッドを活用すれば、誰でもイノベーターになれるとポール・スローンは指摘します。フレディ・マーキュリーの実績を信じて、まずはアクションを起こして、自分を変えることから始めてみましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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