モダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方
チップ・コンリー
日経BP
本書の要約
著者のチップ・コンリーは、経験豊富なミドル・シニア世代が若い経営者やマネジャーのメンター(モダンエルダー)になることで、組織の成長が加速すると述べています。モダンエルダーという賢い年長者が増え、自らのスキルで若い世代を応援することで、未来をよりよくできるのです。
モダンエルダーが未来を明るくする!
モダンエルダーであることは、互恵的であるということだ。与えることと受け取ること。教えることと学ぶこと。話すことと聞くこと。誰もが年をとるが、誰もが年長者になれるわけではない。前者は(幸運で健康であれば)自然と起きることだ。後者は、自分で勝ち取らなければならない。(チップ・コンリー)
チップ・コンリーのモダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方の書評を続けます。著者のチップ・コンリーは、経験豊富なミドル・シニア世代が若い経営者やマネジャーのメンター(モダンエルダー)になることで、組織の成長が加速すると述べています。デジタルな知能指数(DQ)を持つ若者とEQの高いモダンエルダーがコラボすることで、ベンチャー・スタートアップ企業は、さまざまな課題を解決できるようになります。
モダンエルダーになりたければ、若いメンバーの話を聞き、質問を重ね、彼らの良さを引き出す必要があります。その上で、自らの知恵や体験を彼らに分け与えるようにしましょう。
私たちは、利己的な考えを超え、若い世代に貢献すべきです。モダンエルダーは、組織の若いリーダーのために尽くすとき、より生産的になれます。エルゼ・フレンケル=ブランズウィックは、「人は年をとるほど無欲になり、世界に貢献したいと思うようになる」と述べています。
若い木は老木の近くに植えると強く育つ。老木が先に根を伸ばした箇所に沿って根を伸ばし、成長できるからだ。また、時が経つと木々の根は複雑に絡み合い、地中は相互依存的な環境になる。結果、森はより強く、健やかになるのだ。人も同じだ。他者とつながるほど人は強くなれる。
マーシャル・ゴールドスミス博士は、世界有数の経営コーチですが、100人の有望なコーチや学者、経営者を「養子」にし、その人たちに無償で知恵を授けることを決めました。参加者に求める唯一の条件は、自身が年長者になったとき、後世に恩を返すというものでした。(マーシャル・ゴールドスミスの関連記事)
マーシャルの計画は「マーシャル・ゴールドスミスの100人コーチ」、通称「MG100」と呼ばれ、シンカーズ50が選ぶその年のビジネス界で最も革新的なアイデアのひとつに選出されています。このような年長者が増え、若い世代を応援することで、未来をよりよくできるのです。
自分の知恵と体験で若い世代に貢献しよう!
私はビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのように多くの財産を寄付できるわけではない。けれど、知識なら分け与えられる。(マーシャル・ゴールドスミス)
人それぞれのやり方で若い世代への貢献は可能です。年長者は、自分の知恵や体験が残るよう、若い人に引き継ぐにはどうしたらよいか考えるようにしましょう。
著者は未知の世界に足を踏み入れるのを恐れないべきだと指摘します。初対面の若者たちでいっぱいの会議室だろうと、見知らぬ街の裏路地だろうなどを恐れず、偶然の出会いを楽しんでいると言います。年長者になっても、マインドセットをしなやかにし、変化に適応できれば、セレンディピティを起こせるのです。
女優のイングリッド・バーグマンは「年をとるのは、山登りに似ている。多少息は切れるかもしれないけれど、眺めはすごく良い!」という言葉を残しています。年長者は山頂に到着することで、「これまで」と「これから」が見通せ、人生の後半戦をより豊かにできるのです。
モダンエルダーは、人生とは転機、変化、再発明の連続であることを知っている。私たちは人生で何回も死んで生まれ変わっているようなものだ。日本のことわざを使えば「七転び八起き」するのが人生なのだ。
残された時間が少なくなるほど、 過去を思い悩むことは減り、残りの人生をどう満ち足りたものにするかを考えるようになります。
モダンエルダーは、未来のアドバイス(フィードフォワード)を若い世代に授けられます。若い世代の話を真剣に聞き、質問をし、お互いの力を引き出す努力を重ねることで、組織は多くの課題を解決できるようになります。若い経営者はモダンエルダーの力を信じて、彼らの力を引き出しましょう!年長者と若い世代が互恵的に働くことで、組織を強くできるのです。
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