自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術 (細川英雄)の書評

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術
細川英雄
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

オリジナリティのあるメッセージを作るためには、ストーリーの中に自分の経験を表現し、伝えることが重要になります。自分の経験が相手の現状に変化をもたらすものであれば、相手はあなたの話を真剣に聞いてくれます。自分の〈ことば〉をつくり、発信することで、自己および他者と対話ができるようになります。

コミュニケーションには、自分らしさが欠かせない!

その〈考えること〉と〈ことばにすること〉のプロセスを理解し、自分の言いたいことを探り、他者に向けてたえずメッセージを発信することで、その力は確実に向上します。 (細川英雄)

自分しか語れないことを表現できるようになることで、相手に確実に覚えてもらえるようになります。自分の思考をまとめ、それを相手に伝えることで、自分を特別な存在に変えられます。

広告会社に入試したときに、優秀な先輩のスタイリッシュなプレゼンやメッセージ開発に憧れ、私は彼らの真似をひたすら行いました。当然、そこには私のオリジナリティのかけらもありませんでしたが、型を覚え、そこに自分のアイデアやメッセージを付加することで、徐々に自分らしいスタイルが出来上がっていきました。私は話の中にオリジナリティがなければ、相手からの関心を得られないことに気づきました。

プレゼンを何度も行ううちに、自分の言葉で話せるようになり、アウトプットが苦でなくなりました。しかし、インプットをサボると途端にプレゼンが面白くなくなります。時代の変化に適応し、相手に納得してもらうためには、自分への投資(インプット)が欠かせません。

自分の思考を言葉として表現し、相手とコミュニケーションを重ねることで、自分らしさが生まれてきます。

自分の「言いたいこと」「考えていること」は、相手とのやりとりの中で次第に姿を現すものだと考えることができるからです。したがって、オリジナリティが個人の中に固定的にあるものだという考え方にとらわれているとまた、自らにあるものが見えにくくなります。

オリジナリティは以下の3つのステップで生まれてきます。
① 表現過程における自分との対話(自己把握)
② 表現過程における相手との対話(他者提示)
③ 表現の機能としての他者との対話

お互いの考えを交換し、フィイドバックを重ねるプロセスを通して、さまざまな考えがあることを認識できます。ここから視点が広がり、相手に共感してもらえるメッセージが開発できるようになります。

表現する際に重要なことは、なぜを明らかにすること

〈興味・関心→問題関心→問題意識→自分のテーマ→表現活動〉の循環の中で、自分の「言いたいこと」を明確にする問い、それが「なぜ」という問いです。これは、自分のテーマをつくるための問いでもあります。

自分のメッセージを表現する際には、「なぜ」を明らかにすることが不可欠です。

「なぜ」という問いかけに対して、「~だから」という具体的な例をあげていくことで、思考が深まります。「なぜ」を掘り起こすことで、「自分のテーマ」が明確になります。 ここからストーリーを紡ぐことで、自分らしい意見や主張が生まれます。ここにオリジナリティがあることで共感が生まれるようになります。

メッセージを表現する際には、以下の3つのステップで考えることで相手に伝わりやすくなります。
①「なぜ」から始める。
②「~だから」を経る。
③「~と考える」という結論に至る。全行程の中から自然と滲み出てくるものだと考えるのがいいでしょう。

つまり、表現という行為が、一つは「(自分の)言いたいこと」をつかむためであり、もう一つはその「言いたいこと」を他者に伝えるためであるということがわかります。そしてそれは、ほかならぬあなたが思考し、表現するということなのです。 そうすると、あなたが「なぜ」を発することは、「自分の立場をはっきりさせること」であり、それは同時に、自分の「言いたいこと」を相手に対して明確に示そうとする積極的かつ能動的な行為だということになります。

オリジナリティのあるメッセージを作るためには、ストーリーの中に自分の経験を表現し、伝えることが重要になります。自分の経験が相手の現状に変化をもたらすものであれば、相手はあなたの話を真剣に聞いてくれます。

私は日々、自分の読書体験とそこから生まれた変化をこのブログに書き記しています。自分の読書記録を公開することで、新たな出会いをデザインできたり、自分の考えに対する適切なフィードバックをもらえるようになりました。読書体験を公開することで、よいことが引き寄せられるようになったのです。

自分の〈ことば〉をつくり、発信することで、自己および他者と対話ができるようになります。この積み重ねによってオリジナリティが生まれ、他者に貢献できるようになるのです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
パーパス哲学リーダー習慣化書く
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました