エルメスのインド進出での現地化戦略が面白い。

新興国が成長に向けた競争を繰り広げています。
新興国の成長基準で「1人当たりGDPが1000ドル」
という数字が良く話題になりますが、
この数字どういう意味があるのでしょうか?

「1人当たりGDPが1000ドル」の水準というのは
その国民がやっと食事が満足にできるようになる水準です。
テレビや洗濯機といった贅沢品を購入できるレベルになってきた事を意味します。
また、1人当たりGDPが1000ドルから4000ドルぐらいになってくると
住宅や自動車といった高級品も購入することが可能になります。
また、生活レベルもあがり、一部でブランド品の消費が始まると言われています。

インド、中国の時代と言われる事が多くなっていますが
両国の1人あたりGDPを比較してみました。

中国では10年前に一人当たりGDPガ1000$水準を超え
現在では5000$もクリアして
ブランド消費が旺盛に行われるようになっています。
一方のインドも、2007年に1000$水準をクリアして
毎年数字を伸ばしています。
インドでの自動車、家電マーケットは拡大を続けてきます。
そろそろ、インドでもブランド消費が始まる環境が整ってきたようです。

そのインドで、あのラグジャリーブランドのHERMESが着々と動き始めています。
今年の夏には、フラッグシップ店舗をMumbaにオープンしたHERMES
多くの高級ブランドが五つ星ホテルやショッピングモール内にひっそりと店舗を構える中で
英国植民地時代の建造物を改修した大規模なフラッグシップ店舗をオープンしました。
インドに向けた、HERMESのやる気が伝わってきます。

そして、今回HERMESは現地化政策とも言える取り組みをスタートしました。
HERMESとインドの伝統ファッション、サリーの出会いです。
老舗ブランドがインドの伝統品で変化し
新しいチャレンジをするということが
マーケティング的には面白いと思います。
絶えず変化を続けるHERMESの姿勢は勉強になります。

Hermes IndiaBertrand Michaud社長は
「インドの文化やインド女性の優美な伝統をより理解するために、
今回のサリーを発表しました。インドの伝統に敬意を示すために、
我々が現在持っている全ての技術を駆使しました」と語っています。

限定版のこのサリーのプライスは$1,800 。
インドの1人当たりのGDPと同じ値段ですが
HERMESはインドの新富裕層の心を射止められるでしょうか?

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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