哲学

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パーパス

NEXUS 情報の人類史(ユヴァル・ノア・ハラリ)の書評

著者は、AI技術の高度化によって人間の判断や対話が締め出され、「シリコンのカーテン」と呼ばれる見えない壁が生まれていることに強い懸念を示しています。この壁の向こうで進化を続けるAIが、一般市民には理解も制御もできない存在となることで、強権国家による支配や対立が激化し、民主主義が脅かされる可能性があると指摘します。しかし著者は、そうしたリスクを抱えながらも、私たちにはまだAIの暴走を抑止できる力が残されていると述べています。
哲学

仕事と人生で削っていいこと、いけないこと 「理想の毎日」は自分でデザインできる (秋田道夫)の書評

秋田道夫氏は、「無駄」と思われがちな経験を「微細」と表現し、それを再評価する重要性を説きます。本書では、新たな価値観として「エスパ(Experience Performance)」を提唱します。コスパやタイパではなく、経験そのものの価値に注目し、成長や喜び、人との出会いを大切にする視点を提示します。効率だけに囚われず、人生を豊かにする小さな積み重ねの意義を考えるきっかけを与えてくれます。
文化

〈効果的な利他主義〉宣言!――慈善活動への科学的アプローチ (ウィリアム・マッカスキル)の書評

効果的な利他主義は、善意を最大限の成果につなげるために、データと合理的思考を活用する考え方です。限られた資源で最も大きな効果を生む方法を、科学的根拠に基づいて分析します。費用対効果の高い支援先を選択するために、優先順位をつける重要性を強調します。また、「稼いで寄付する」戦略や慎重な支援先選びなど、誰でも実践できるアプローチによって、世の中をよりよくできるのです。
文化

人が育つ会社、育たない会社: 顧客起点思考 集合天才 理念経営 (堀越勝格, 江蔵直子,矢澤知哉)の書評

企業理念が確立された企業には共感する優秀な人材が集まりやすく、採用時のミスマッチを防げます。理念が浸透すると社員のモチベーションや成長が促され、組織の一体感やチームワークが向上します。その結果、エンゲージメントが高まり、組織の結束力が強化され、最終的には売上や利益の向上につながります。
投資

無理をせず、無駄を楽しむ センスのはなし(秋田道夫)の書評

センスは特別な才能ではなく、「自分を心地よく整える工夫」だとプロダクトデザイナーの秋田道夫氏は説きます。本書では、無駄を楽しみながらセンスを磨く方法や具体的な実践例が紹介されています。また、新しいアイデアは単なるひらめきではなく、観察から生まれると著者は指摘します。
哲学

「答えを急がない」ほうがうまくいく あいまいな世界でよりよい判断をするための社会心理学(三浦麻子)の書評

ネガティブ・ケイパビリティ(あいまいさへの耐性)は創造の源です。即答志向の現代では、不確実性を受容し思考を深めることが大切です。対面・オンライン環境の違いや、即断型・熟考型思考の適切な切替えが重要です。個人の内面と外部環境の両方からこの能力を育む取り組みが、真の創造力を引き出します。答えを焦らず、熟考する姿勢を取り入れましょう。
文化

底が抜けた国 自浄能力を失った日本は再生できるのか? (山崎雅弘)の書評

日本社会は、自浄作用を失い、完全に「底が抜けた」状態に陥っています。政治の腐敗、財界との癒着、軍備拡張、メディアの機能不全が連鎖し、民主主義の基盤が揺らいでいます。説明責任の欠如や不正の放置が常態化し、国民の無関心がそれを助長しています。私たちはよりよい未来のために、問題を直視し、社会の健全性を取り戻す努力を重ねる必要があります。
チームワーク

「すぐに」をやめる ~ネガティブ・ケイパビリティの思考習慣 (沢渡あまね)の書評

現代の組織には、即効性を求めるポジティブ・ケイパビリティと、じっくりと熟考するネガティブ・ケイパビリティの両立が求められています。VUCAの時代において、イノベーションは異なる専門性や文化との深い対話から生まれます。そのため、「待つ」という選択を積極的に捉え、短期的な成果と長期的な価値創造のバランスを取ることが、組織の持続的な成長には不可欠なのです。
イノベーション

リジェネラティブ・リーダーシップ――「再生と創発」を促し、生命力にあふれる人と組織のDNA(ローラ・ストーム、ジャイルズ・ハッチンズ)の書評

ジャイルズ・ハッチンスとローラ・ストームは、収束と発散のライフダイナミクスを活用し、自己認識とシステム認識を育むことでリジェネラティブ・リーダーシップの意識を生み出す方法を示しています。このリーダーシップは、個人の内面と向き合うことから始まり、組織や生態系に広がる影響を考え、根本的な変革を促します。人々が生きる実感を取り戻し、組織が活力を持ち、生命の生態系が繁栄する未来を目指すアプローチです。
哲学

人生の経営戦略(山口周)の書評

「人生の経営戦略(ライフ・マネジメント・ストラテジー)」というコンセプトを日常に取り入れることで、人生の後半戦をより豊かで充実したものにする手助けとなるでしょう。この考え方は、自分の人生を単なる流れに任せるのではなく、戦略的に捉え、自らの目標や価値観に基づいて計画的に行動することを促します。
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