脳は快楽を感じるとドーパミンを発し、その欲求によって
アルコールやファーストフード、ギャンブルなどが習慣化されていきます。
今、再読しているチャールズ・デュヒッグの習慣の力に
ファーストフードの悪いループに陥らないための手法が書かれていました。
最近の大手企業のマーケティング戦略でも「習慣」が意識されています。
商品開発、店舗設計、看板、店員の笑顔やキャンペーンも
きっかけと報酬という習慣の法則に基づいて設計されているのです。
繰り返しの購入を促進させるために、習慣化が研究されているのです。
以下、習慣の力からファストフードの取り組みについて引用します。
習慣はいつのまにかつくられる。調査によると、ファストフードを定期的に食べようと思っている家庭はあまりない。だが、1ヵ月に1回がしだいに1週間に1回となり、2回となり、そのあいだにきっかけと報酬によって習慣がつくられ、やがて健康に害を及ぼすほどの量のハンバーガーを子供が食べる状態に陥る。ノーステキサス大学とイェール大学の研究者たちが共同で、なぜ家庭におけるファストフード消費量が少しずつ増えていくのかを調べたところ、いくつものきっかけと報酬が、知らないうちに行動に影響を与えていることがわかった。そこに習慣のループがあることに気づいたのだ。
いくつものきっかけと報酬がファストフードの習慣化に影響を与えているのです。
マクドナルドの例からは、標準化すらきっかけになることがわかります。
たとえばマクドナルドはどの店も同じように見える。これは社の方針で、店の構造や店員の言葉遣いを標準化しているためだ。つまりすべてが一貫して、客が注文するルーチンにつながるきっかけとなっているのだ。出される食べ物はすぐに報酬をもたらすようつくられている。たとえばフライドポテトは舌にのせるとすぐほろりとほぐれ、できるだけ早く塩味と油分を感じられるようになっている。そして脳の快楽を感じる部位が活性化して、脳にそのパターンが固定化される。こうして習慣のループがさらに強化される。
恐ろしいことに多くのファミリーは、最初はファストフードを
習慣化しようなどとは、思っていないのです。
しかし、ファストフードは顧客の習慣化を見越して
行動を促すようにマーケティング戦略を立案していますから
習慣化のルールを理解しておかないと、すぐに、私たちは罠に落ちてしまうのです。
マクドナルドは全世界共通の店舗で運営され
同じ味のハンバーガーやサービスを日々、提供しています。
私たちはマクドナルドの看板を見たら
パブロフの犬のようにシズル感あふれるハンバーガーのCMを思い出します。
そして、短時間で子供のおなかと脳まで満足させてしまいますから
ついつい、家族でマクドナルドに立ち寄ってしまうのです。
子供のお腹が空いた、あるいは、時間がないからと言うきっかけで
私たちはマクドナルドに入店しまいます。
そして、ハンバーガーを買う際に
子供にはマクドナルドのハッピーセットが提案されます。
(あるいは癖になるポテトが!)
これは子供の報酬になるように、しっかりと仕掛けられているのです。
フライドポテトや他のサイドメニューも脳に快楽を与えます。
これで、私たちの脳は、マクドナルドにパターン化され、常連となるのです。
一度脳のパターンが完成されてしまうと
無意識にファストフードに通うようになります。
子供のハッピーセットがルーチンになり、いつの間にかマクドナルドが日常化します。
結果として、ファストフードの食事が繰り返され
家族全員の健康に害が及ぼされるのです。
しかし、私たちは習慣を形成するきっかけと報酬を理解することで、
このファストフードの罠から逃げられます。
きっかけと報酬を知ることで自分たちのルーチンを変えられるのです。
悪い習慣のループが形成される前に、きっかけと報酬を整理すれば
悪い習慣を良い習慣に置き換えられるのです。
ファストフードの看板を見たら、それは健康を害する案内だと思いましょう。
意識して、ファストフードを避けて通るようにしましょう。
ハンバーガーの替わりにサラダを思い浮かべたり
落ち着いたレストランでの家族団欒をイメージするのです。
ハッピーセットの代替品を子供に提案すれば
マクドナルドがルーチンには、ならなくなるのです。
更に、やせて健康的な家族をイメージすれば、完璧です。
素晴らしい未来を実現するためには、ファストフードは必要ないと決めるのです。
これで、ファストフードのループの罠に陥らなくなります。
きっかけと報酬を整理して、悪い行動をルーチンにしないようにしましょう。
その際、未来のよい自分をイメージすることがポイントになるのです。
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