「なぜか売れる」の公式(理央周著)がアマゾンから届き、早速読みました。
著者の理央周さんは、名古屋を中心に大活躍するマーケティングコンサルタントで
私たちのコミュニティのソーシャルおじさんズのメンバーでもあります。
その理央さんが、マーケティングについて的確に整理してくれたのが
この「なぜか売れる」の公式です。
MBAベースの知識をこの一冊だけでわかりやすく学べるというコンセプトが秀逸で
マーケティングのプロの私が読んでも、楽しめる素晴らしい一冊です。
理央さんのセミナーでは冒頭にマーケティングとは何か?という質問を受けます。
多くの受講者は広告!PR!、リサーチ!などと答えるのですが
それはマーケティングの一部で、手法でしかありません。
理央さんは、マーケティングとは、自然に売れる仕組みをつくることだと言い切ります。
そして、そのためには
①プロダクト戦略(何を)②ターゲット戦略(誰に)
③プロモーション戦略(どうやって)を徹底的に考え
この順番通りに考え、実施することだと言います。
しかし、多くのマーケッターは③の「どうやって」から
考えをスタートし、失敗するのだと理央さんは喝破します。
不振な会社や店の共通点は自分の強みを理解せず、顧客にそれを伝えていません。
不振な会社や店の大半は、顧客価値が低かったり、ニーズが明確でない商品を売ろうとしています。そして「何を」が原因であることを突き詰めずに、新規顧客や新規事業の開拓、さらに売り上げばかりを考えて、むしろ傷口を広げています。
価値のないものは、顧客に見つけてもらえませんし、評判にもなりません。
自分が本当に売りたいモノやサービスを明確にして
それをしっかりと伝える努力をすることが、マーケティングの第一歩なのです。
今は、商品や情報が世の中に氾濫しすぎていて、顧客は何を買ったらいいのか判らない状態にあります。ですから、自分が本当に売りたいもの、顧客に本当の価値を提供できるもの、それを、顧客にしっかりと伝える。それが大切です。
例えば、メニューの多いうどん屋さんが
本書「なぜか売れる」の公式では、ケーススタディに取り上げられていますが
人は7つ以上の選択肢があると途端に選べなくなるので
一押しのメニューを前面に出すべきだと理央さんは言います。
お薦めのメニュー(天ぷらうどん)があれば、今日は別のモノを食べても
次回にそれを食べようという来店のキッカケを与えることができるのです。
なぜ、その店で食べるのか?どうして、その店で買うのか?という理由を
顧客に伝え、顧客自身にわかってもらい、顧客をファンにすることがポイントなのです。
そして、理央さんは、顧客は「機能」ではなく、「価値」にお金を払うと言います。
IKEAは家具を展示するのではなく、顧客にルームセットを見せることで
ライフスタイルという価値を売っています。
家具を機能ではなく、自分の生活をよりよくするツールとして表現し
顧客に心地よさや満足感を提供することで
競合に対する絶対的な優位性を発揮しています。
価格競争に突入すると、薄利多売の大企業に有利だというルールを理解すれば
自分の強み、USP(ユニークセリング・プロポジション)を
磨かなければ勝ち残れません。
自分のUSPを明確にし、そこから事業領域を広げるべきだという
理央さんの考え方にはとても共感します。
本書では、名古屋のアライブというホームページ会社が紹介されています。
ここは元々は印刷会社だったのですが
ホームページに強みのパンフレットやチラシ印刷を組み合わせ
プロモーションのトータルパッケージを商品化することで業績をアップしています。
それに加え、コワーキングスペースをオープンし
優秀なデザイナーやクリエーターを集める仕掛けを作りました。
ホームページの制作に、彼らの技(多様性)を取り込むことで
いつもフレッシュなアイデアを提供できるなど、独自性が生まれ
顧客に価値で選ばれるようになたのです。
競合の激しい印刷、Web業界で成功するために採った
このアライブの「何を」のストーリーは、読んでいてワクワクしました。
今日は「なぜか売れる」の公式の書評の一回目として
マーケティングの「何を」について考えてみました。
次回以降「誰に」「どうやって」について書いてみたいと思います。
今回、理央さんと私のコラボセミナーが東京で開催されます。
11月5日に東京で理央さんとの3部構成のセミナーになります。
2冊の新刊を出版された理央さんにいろいろなお話を伺えるチャンスです。
詳細はこちらのFacebookをご覧ください。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
Photo Credit
コメント