大多数の人の場合、ポジティビティ比は、「ポジティビティ・
オフセット」を反映して、2:1のあたりにあります。 多くの時間は確かにポジティブなのです。しかしそれではまだ、「 繁栄」の種をまくまでに至らないようです。「繁栄」 側にいる人はみな、ポジティビティ比が「3:1」 を超えているのです。 (バーバラ・フレドリクソン)
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ポジティブとネガティブ感情の黄金比
私たち現代人は楽観的になることを求められていますが
ポジティブな感情だけでは人生がうまくいかないことがわかってきました。
人はネガティブな感情を全て追い出せるわけがなく
悲観的なことがない人などいないのです。
無理にネガティブな感情を遠ざけるのではなく
それを受け入れ、現実としっかりと向き合うことが必要です。
ポジティブな感情だけでは、人は幸せになれないのですから
そのバランスを意識するようにしましょう。
ポジティブ心理学者のバーバラ・フレドリクソンは
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則の中で
ポジティブとネガティブ感情の黄金比が
「3:1」であることを明らかにしています。
ネガティビティをなくそうと必死になるのではなく
ポジティブな感情とネガティブな感情のバランスを
しっかりととるようにしましょう。
では、ポジティブな感情を増やすことで何が起こるのでしょうか?
ポジティブな感情には6つの真実があると著者は言います。
1、ポジティビティは気分がいい
2、ポジティビティは精神の働きを変化させる
3、ポジティビティは未来を変える
4、ポジティビティはネガティビティにブレーキをかける
5、ポジティビティは「ティッピングポイント(転換点)」を持つ
6、ポジティビティは増やすことができる
ポジティビティによって、思考の範囲が広がり
私たちは突然のハプニングを乗り切れるようになります。
また、ポジティブな感情を経験するうちに
身体的、精神的、心理的、社会的リソースが形成され
よく眠れたり、逆境を乗り越えられるようになります。
楽観的になれ、人とのよいつながりを築けるようになると
私たちは未来を明るくできるのです。
ポジティビティは視点や意識を変えることで増やせるのですから
ポジティビティ比を「3:1」以上にしてみましょう。
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則 [ バーバラ・L.フレデリックソン ] |
ポジティブ比を高めるたまえの3つの方法
ネガティビティ0という人は、笑顔を貼りつけたピエロのように、
現実から遊離します。偽りの笑顔は人を遠ざけるでしょう。 ポジティビティとネガティビティが適度な割合で組み合わさった場 合は、これら相反する力が、人を力強く現実的にし、 腹の据わった状態にします。適切なネガティビティが、 必要に応じて引き戻してくれるため、現実を見失わずに済みます。 そして、心から感じるポジティビティが浮力を与え、「繁栄」 に向かって押し出してくれます。
100%ポジティブな人生を目指すのは無理なのですから
偽りの人生を送るのはやめましょう。
現実を直視し、それを乗り越える方法を考えたほうが
人生をよりよくできます。
ポジティビティのある人はネガティブ感情に支配された人より
10年長生きできるという研究結果もあります。
逆に、ネガティブ感情に支配され、ポジティビティを失うと
人生は下降スパイラルに陥り、そこから抜け出せなくなります。
ネガティブ感情を減らし、ポジティブ感情を拡張させることで
私たちは幸せになれるのですから、ポジティブ比を高めるようにしましょう。
そのための3つのアプローチを著者は以下のように整理しています。
①分母(ネガティビティ)を減らす
②分子(ポジティビティ)を増やす
③その両方を同時にする
ポジティビティを増やしたければ、本気で幸せになると決めることです。
心からのポジティビティを感じる瞬間を増やせばよいのです。
ポジティビティには10の感情があります。
この感情がもっとも私たちの生活の中に色濃く現れます。
ポジティビティをオンにして、身の回りに目を向ければ
自分の大切なことが見つかります。
私たちは創造的になれ、自分の可能性を追求できるようになります。
また、感謝や愛という感情を増やすことによって
人とのつながりが強化でき、より幸せな気分を味わえます。
日々の食事と運動を記録して健康の管理をするように、あるいはキャッシュフローの収支を記録して家計の管理をするように、それぞれの瞬間のネガティブとポジティブの感情を観察してみてください。意識していれば、比率を上げる隠れたチャンスを見つけることができます。カロリーの摂取や現金の使い方に目を光らせていれば、いずれは体重や貯金の目標が達成されるように、ポジティビティ比に注意していれば、その人は次の季節に花開きます。自分の親切と人から与えられる親切に注目してください。いいもの、美しいもの、優れたものを探して味わってください。そのような瞬間を大事にして、感謝や畏敬や鼓舞などの感情を解き放ちましょう。
自分の現在の位置を知るために自分の1日を振り返りましょう。
ネガティブになるきっかけがわかれば、対処法が見つかります。
私は毎晩1日を振り返る時間を持ち、翌朝、感謝日記を書くようにしています。
ネガティブな思考を検証し、それに反論を試みます。
ネガティブな思考はねじれた結論を導き、自分をダメにしてしまいます。
人はネガティブなことを反芻し、断ち切れずにより不幸になっていきます。
気持ちをそらすこと、運動、散歩、瞑想など
自分をよくするアクションを起こしましょう。
健全な気分転換があなたを不幸になることから救ってくれます。
大きく深呼吸し、その後感謝できるものを探すようにしています。
ネガティブなこととしっかり対話し、対処法を見つけたら
元気な人に会いに行ったり、好きな音楽を聞いて
気分転換をはかることで、ポジティブな感情を取り戻します。
よいことが現れた時に、それをしっかりと味わうことができる人たちもいます。そのような人たちは、未来、現在、過去のすべてにわたって、その「よいこと」ができるだけ、ふくらむように工夫します。起こる前には、「素晴らしいことが起こるぞ」とわくわくし、 起きている間は「味わい尽くそう」と考え、終わったあとは、何度もそれを思い返していい気分を味わうのです。この人たちは、 人生からポジティビティをたくさん抽出できます。
自分をより幸せにできます。
生活のペースをゆっくりにし
その時の出来事や周りの状況に、心を集中させるのです。
自分が恵まれていると捉え、小さな幸せをカウントしましょう。
私が実践している感謝日記の効用も本書で紹介されていました。
好きなことを見つけたり、自分の強みを活かすことを考え
未来思考で行動することでポジティビティを上げられることがわかっています。
まとめ
幸せな人生を送りたければ
ポジティブ思考とネガティブ思考のバランスを
「3:1」以上にすべきだとバーバラ・フレドリクソンは指摘します。
ネガティブ思考のパターンを見つけ、それに反論する思考習慣によって
ネガティブな感情を減らせます。
人生の中でよいことにフォーカスし、それを楽しむことで
私たちは幸せな時間を増やせるようになります。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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