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一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)
著者:高橋晋平
出版社:あさ出版
本書の要約
1、「欲しいと思うものごと」を集めたネタ帳をつくる 2、考えたい「お題」と「ネタ」をかけ合わせ、企画の原案となるアイデアをつくる 3、アイデアをもとに、「三角形メモ」を書き、売れる企画にまとめる。この3つのメモをつくることで、売れる企画をつくれるようになります。
アイデアづくりのために自分の欲求をメモしよう!
まずは日常のさまざまなシーンから、貧欲に「欲しいと思うものごと」を探し、その中で頭に浮かんだ「あったら欲しいな」「買いたいな」という思いつきもネタ帳に書きためていくように意識してください。その結果、できあがるネタ帳は、外部から見つけたネタと、内なる欲求から思い浮かんだネタが混在しているものになります。これも整理する必要はありません。とにかく自分のあらゆる「欲しいと思うものごと」を列記してためていき、ネタ帳を日々パワーアップさせていくようにします。(高橋晋平)
このブログでは、定期的にアイデアに関する書籍を紹介いていますが、今日は高橋晋平氏の一生仕事で困らない企画のメモ技(テク) を取り上げたいと思います。著者は株式会社ウサギの代表取締役で、おもちゃクリエイターとして、バラエティ玩具などの企画開発・マーケティングで数々の実績を残しています。
著者はアイデアを生み出すためには、外出時には必ずアイデアの基になる「ネタ帳」を持ち歩き、気になったことがあれば、忘れないうちにすぐにメモを取るべきだと言います。思い浮かんだアイデアをその場で保存し、自分の未来のためにアイデアをストックしておくのです。
外部から見つけたネタと、自分の内なる欲求から思い浮かんだネタを書き出すことで、脳の中で化学反応を起こせるようになります。質を気にせず、とにかく書き出し、量を確保することで、様々なアイデアが生まれるようになります。著者は「自分の欲求を刺激されたもの(素材)しかメモしない」というルールを徹底し、自分が欲しいものという制約を設けることで、アイデアの質を高めています。
著者は週に一度のメルマガがアイデアづくりの強制力になっていると言います。
メルマガのトピックを探す意味でも、日頃感じた欲求を書きとめておく癖がつきますし、自分が感じた欲求を発信する媒体を持っておくと、ネタ探しを楽しんで継続できるようにもなります。個人的には、定期的にメルマガを発行して、サボれないようにする形が一番おすすめですが、SNS、ブログなど、自分に合う方法で発信を続けながら、ネタ探しをしてみるのもいいでしょう。
私も毎朝、このブログを書くために、多くの書籍を読んでいます。日々、著者からもらったアイデアをメモし、ネタ帳として活用することで、アイデアが次々生まれるようになりました。毎日ブログを更新するというルールによって、アイデアのネタがストックできるようになったのです。
売れる企画づくりに必要な3つのメモとは?
「いろいろなネタを材料にして、化学反応を起こしたほうが、いい企画がつくれる」ことです。
著者は本書で売れる企画づくりに必要な3つのメモを提案しています。
1、企画づくりの材料をメモする「ネタ帳」
化学反応を起こすために、ネタは整理することなく、ごちゃまぜのままでメモする。その際、ひとネタを1行でメモする
2、アイデアを量産する「かけ合わせメモ」
企画のもとになるアイデアは、「考えたいお題」×「ネタ」のかけ合わせでつくります。
このブログでも何度も紹介しているジェームス・W・ヤングが指摘する通り、アイデアは要素と要素の掛け合わせで生まれます。広告会社でアイデアを生み出す際に、私はひたすらこのメソッドを試し、何度もよい結果を得られました。それ以来、私はこのかけ合わせのテクニックを日々活用しています。
解決したいテーマと自分のネタ帳に書かれているネタをとにかくかけ合わせ、アイデアをどんどんつくっていきます。さまざまな「欲しいと思うものこと」かけ合わせていくことで、新しいアイデアが面白いように生まれます。
言葉でアイデアを考えただけの段階で、自分の中で具体的なイメージが湧くアイデアは企画になりやすく、かつ伝わりやすい企画になっていく可能性があります。実は 「アイデアを考える」こととアイデアを実現させることとの間には天と地ほどの差があります。それを避けるために、浮かんだアイデアが実現可能かどうかを検証するようにしましょう。
3、ヒット企画へと仕上げる「三角形メモ」
よい企画をつくるためには、「何を」「誰に」「いくらで」の3点を意識します。この3つを頂点に三角形でメモを書くことで、企画の質を高められます。
「何を」・・・その企画がユーザーに提供する価値。ここには、一番の提供価値(大トンガリ)だけを書きます。
「誰に」・・・この企画のターゲット顧客の属性や欲求を書きます。メインのターゲット顧客を設定します。
「いくらで」・・・ユーザーがその企画を利用する時に必要なコストを書きます。
このメモに、マーケティングの基本である「環境分析(3C、SWOT)」「基本戦略(STP)」「具体的施策(4P)」などを追記しながら、すべてがバランスよく整った三角形のメモをつくることで、企画の精度が上がります。その際、「何を」と「誰に」を優先し、マーケティングプランを考えるようにするのがポイントです。このルールを守ことで、顧客に支持される強いプロダクトが生み出せます。
企画には、「一番の提供価値」がなければ、顧客からスルーされてしまいます。 商品の価値(大トンガリ)を明確にすることで、顧客に気づいてもらえます。様々なスペックを一度にアピールすると、特徴が曖昧な商品が生まれ、誰も話題にしてくれません。ソーシャルメディア時代には、小トンガリを隠しておく戦略が効くと著者は指摘します。商品のよい点を隠しておいても、顧客がそれを発見し、勝手に応援してくれます。
売りにしたい点をあえて言わないことは、勇気がいるかもしれませんが、そのほうが、「こんなにいいポイントが他にもあって、買った自分だけがそれを知ることができた!」という、さらに高いユーザー満足度につながります。その結果、その商品の高評価や情報拡散にもつながるわけです。
企画づくりには失敗がつきものです。「なぜダメだったのか?」「なぜ誰もついてこなかったのか?」「なぜ実現できなかったのか?」などの理由が蓄積されればされるほど、次に成功する確率が高まります。企画の仕事とは、小さな一歩を何回でも踏み出し、他者からフィードバック(ダメ出し)を受けることなのです。
1、「欲しいと思うものごと」を集めたネタ帳をつくる
2、考えたい「お題」と「ネタ」をかけ合わせ、企画の原案となるアイデアをつくる
3、アイデアをもとに、「三角形メモ」を書き、売れる企画にまとめる
という3ステップを踏みながらよい商品をつくることで、顧客に感動体験を与えられるようになります。
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