奥真也氏の「生存格差」時代を勝ち抜く 世界最先端の健康戦略の書評

「生存格差」時代を勝ち抜く 世界最先端の健康戦略
著者:奥真也
出版社:KADOKAWA

本書の要約

近い将来、医療は完成形に近づき、人生120年時代がやってきます。「病気で死なない時代」では、健康を維持できるかどうかで、人生の質が大きく変わってくきます。健康寿命を伸ばすためには、生活習慣病を遠ざけ、自分の臓器や血管を節約しながら使うようにすべきです。

テクノロジーが引き起こす人生120年時代

人間の寿命は延び続けており、今や「人生100年時代」はそこまで来ている、いや、すでに到来しているという見方もできるかもしれません。そして、テクノロジーがさらに進化することによって、そう遠くない将来、多くの人が「理論上の寿命である120歳」まで生きられる時代さえも視野に入ってくるのではないか。 私はそう考えています。(奥真也)

人生100年時代と言われて久しいですが、医療の進化はその年齢をも高めようとしています。近い将来、医療は完成形に近づき、人生120年時代がやってくると言うのです。「病気で死なない時代」では、健康を維持できるかどうかで、人生の質が大きく変わってくきます。健康寿命を伸ばすためには、生活習慣病を遠ざけることが大事だと医師・医学博士の奥真也氏は指摘します。

人生後半戦の健康を維持し、寝たきりにならないように生活習慣を改善することが重要になりますが、そのためには定期的に医師の診察を受けることが欠かせません。持病の診察だけでなく、最近の体調や健康面で気になることなども一緒に相談することで、の病気を早期発見し、早期治療を開始することも可能になります。

ある程度の年齢になったら、高い専門性はなくても幅広い病気の知識がある「かかりつけ医」通院し、自分の体の状態を定期的にチェックしましょう。今回の新型コロナウイルス感染症によって、病院に行かない人が増えていますが、これを解決するのがオンライン診療になります。

LINE株式会社とエムスリー株式会社の共同出資で設立されたLINEヘルスケア株式会社は、LINEのビデオ通話で医療機関の検索、予約、診察、薬の処方、決済まで行えるオンライン診療サービス「LINEドクター」をスタートしています。

AIによる問診システムの導入も現実味を帯びてきています。近い将来、AI医師による診察、インターネットを通じた遠隔地からの自動診察などの導入も現実的になっていくはず。データの蓄積や網羅性で人間を超えるAI医師は、非常に有能な「かかりつけ医」になりそうです。 AIは人間のように思い込みで病気を見逃すことはありません。疲労による判断ミスもありません。AIを活用することで、誤診率をかぎりなくゼロに近づけることができるのです。

「不死時代」到来の大きな立役者はテクノロジーであることは間違いなく、様々なテクノロジーにを活用することで、病気を早めに発見したり、癌などの重い病を克服できるようになります。

人間の臓器にも耐用年数がある?

健康を維持するためには、休肝日をつくる、食生活を見直す、禁煙するといった「臓器の節約生活」が必要になるわけです。そうでなくても人間の体は、年齢とともに傷み、衰え、ヘタっていくばかり。奇跡のV字回復で若い頃のような機能を取り戻すことはありません。だからこそ現状の機能を維持し、できるだけ長持ちさせる。そのためには臓器を酷使せずに節約しながら使う、という意識が求められるのです。

人間の臓器にも経年劣化や”耐用年数”があると著者は言います。「人間のほとんどの臓器の耐用年数は50年程度」だと考え、臓器を大切に使うようにしましょう。

かつて人間の平均寿命が50年程度だった時代は、個体としての人間の寿命と、個体を構成するそれぞれの部品の寿命がだいたい一致していました。しかし医学の進化によって平均寿命が大きく延びた今、個体と部品の寿命にズレが生じ始めているのです。

これから迎えるのは人生120年という不死時代ですが、そこでは誰もが”年代モノの臓器”を抱えながらの生存を余儀なくされます。

特に私たちは血管の老化に注意を払うべきです。体のすべての臓器は血管と切り離しては、機能しません。血管も臓器のひとつである以上、耐用年数があり、経年劣化が起こります。不死時代においては「血管」に余分な負担をかけるような酷使をせず、節約するという意識を持つことがとても重要になります。

医療テクノロジーの進化を受けて、一部の臓器の「人工臓器への置き換え」が現実になりつつあります。角膜や皮膚などについては、現場でも実用の目処が立ちはじめています。しかし、全ての臓器の置き換えが簡単にできるわけではなく、私たちはまだまだ既存の臓器に頼らざるを得ません。

もともと耐用年数が50年くらいしかない臓器を100~120年間使うことになるわけです。ならば、今まで使ってきた自前の臓器を、できるだけ傷つけず、壊さないように大事に使うしかないということ。体の状態を良好なまま維持し、健やかな「不死時代」を迎えるには、いかに生まれ持った自分の臓器の「劣化を防ぎ、長持ちさせるか」が重要になります。そのためには、臓器を無駄に酷使せず「節約」して使うという意識が求められるのです。

不老時代には、臓器や血管だけでなく、目や耳や脳にも気を使う必要があります。

現代人は脳を酷使していますが、その結果、様々なストレスを脳に与えています。脳を働かせ過ぎないほうが、心も体もストレスにさらされるリスクが低くなります。著者は脳を酷使するのではなく、節約する必要があると言う仮説を本書で披露しています。脳を使いすぎす、休めすぎず、程々に使う習慣を身につけましょう。

健康はお金なようなもので、日々を過ごすための大切な「資産」だと捉えるべきです。どちらの資産もその価値を確保、維持するには、長い老後という人生設計を見据えた自己マネジメントが非常に大事になります。人生120年時代と言う未来から逆算し、今から健康に投資しましょう。そのためのヒントが本書には数多く紹介されています。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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