1秒オーラ 好意はなぜ発生するのか(佐藤綾子)の書評

man sitting on gray rock while staring at white clouds

1秒オーラ 好意はなぜ発生するのか
佐藤綾子
集英社

本書の書評

人が生きがいに燃えているときには、オーラは強く発生します。 夢中なことを見つけ、 フローになれる人は輝いて見えます。こういう人はよいオーラを発信し、一瞬で相手の目と心を掴み、好感を得られます。ビジネスで結果を出したければ、笑顔、姿勢などで第一印象をよくするだけでなく、自分のミッションを明らかにし、それに全力で取り組み、周りの人にオーラを感じてもらうのです。

1秒オーラとはなにか?

アメリカの社会心理学者ティモシー・ウィルソンが面白い発表をしました。たった1秒間で人は1100万要素の情報を五感からキャッチすることができる、そのうちの1000万要素以上を視覚だけから入手し、その中の40要素を脳で処理しているというのです。佐藤綾子

『声よりも「映像が先」に相手の目に届き、「最初の1秒」であなたの印象は決まる』とパフォーマンス心理学の第一人者の佐藤綾子氏は指摘します。その1秒の力を活用し、自分の魅力を高めることで、ビジネスやプライベートで結果を出せるようになると言います。

「視覚はどんな感覚も打ち負かす。私たちは目で見るのではない。脳で見るのだ」と脳科学者のジョン・メディナは述べています。私達の脳は自分が見たいもの、見たくないものを脳が判断しています。人は目から入った視覚情報を重視します。目から入った印象によって、人は思考や行動を変えてしますのです。

人は、自分にとって都合がいい情報はしっかりと見ようとしますが、逆に都合が悪い情報は見なかったことにしがちです。自分にとって不都合な真実は、見ないほうが気持ちがよいため、不都合な真実については見ないように工夫します。

こうした視覚の選択性によって、私達は日々の選択を繰り返しています。たった1秒の印象も、こうやって相手の目にうまく取り入れられたり、捨てられたりしています。私達は1秒の印象をよくすること、よい印象を与えられます。逆に悪い印象を出していれば、選択性以前に見てもらえないという事実に気づきましょう。

人は事前情報に惑わされ、間違った判断をすることが多いのですが、もっと出会いを大切にすべきです。

「自分には関係ない」と思わずに、すべての出来事、すべての人が私に関係ある大切な人だと思うくらいの意気込みで、会った人をしっかりと見つめることをおすすめします。そうすれば、相手の真実や物事の真相をしっかりと見抜くことができるからです。

偉い人からの紹介だとか高学歴だという事前情報に左右されずに、目の前の相手をしっかりと見ることで、大切なことが見えてきます。目の前の人が自分の課題を解決してくれる情報を運んできてくれる人だと捉えることで、チャンスが見つかるようになります。

オーラを発するために何をすべきか?

社会はすでに、集団の中に埋もれていれば済むという集団主義文化から、個人で自分を守り、競争に勝っていく個人主義の時代に移行しています。やはりここは、印象力を高めるほうが自分のためだと割り切るときです。

大きなパーティーなど人が集まる場所に出かけたときには、角に隠れずにライトが当たるところに必ず行ったほうがよいと著者は指摘します。その際、顔の表情や洋服、手や全身の動きが常にビビッドにします。

日本とは異なりグローバル社会でのパーティーや企画会議では、存在感を示さなければ、発言する機会ももらえません。パッと見た一瞬の視覚情報があならの印象を左右することを忘れずに、パーソナルブランドを強化しましょう。

コロナ禍以降、オンライン会議が増えていますが、モニターの画面の中でも印象をよくする必要があります。第一印象のよさがその後のミーティングの鍵を握ります。相手に好かれるためには、第一印象でリスペクトを表すようにしましょう。同じ高さの目線で、にこやかな表情で相手に接することで、相手の自尊欲求を満たせ、第一印象をよくできます。

オーラは常にあなたからも私からも噴出しています。しかも、これまでどんな生き方をしてきたかがその人の今の人格を作り、今の顔つきを作り、今の姿勢を作っています。年中隠し事ばかりして生きてきた人の表情は、今の瞬間もゆがんだままでしょう。なるべく会社の隅っこにいたい、教室では先生から指名されたくないと思って常に下を向いて猫背になっていれば、今の瞬間も猫背で下を向いているでしょう。そして、誰からも注目されたくないと萎縮した感情がその人に詰まっているでしょう。これらが秒速約30万㎞の光になって噴出する、まさにこれがオーラの正体です。

笑顔の人、姿勢がよく存在感のある人からは私達はオーラを感じます。外見だけでなく内面もオーラに影響を及ぼします。

人が生きがいに燃えているときには、オーラは強く発生します。 夢中なことを見つけ、 フローになれる人は輝いて見えます。こういう人はよいオーラを発信し、一瞬で相手の目と心を掴み、好感を得られます。ビジネスで結果を出したければ、笑顔、姿勢などで第一印象をよくするだけでなく、自分のミッションを明らかにし、それに全力で取り組み、周りの人にオーラを感じてもらうのです。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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