書籍「習慣で買う」のつくり方によると
人間の行動の95%は無意識に操られているそうです。
よく考えてみると、普段の買い物も習慣化されたアクションでしかなく
何気なくモノを買っていることが多いのではないでしょうか?
例えば、書店で買い物をする時も、
私などはOazo丸善のビジネス書のコーナーは品揃えが充実していますので
ついつい定期的に立ち寄ってしまいます(書籍購入の習慣化)。
私はOazoにビジネス書を買いに行くことが、習慣化されているので、
Oazoのマーケティング担当者は、私には新規獲得コストがかかりません。
Oazoの担当者がビジネス書に他の売り場の関連書を置くなどして
面白い書籍を提案し続ければ、囲い込みも、売り上げの拡大もできるかもしれません。
逆に、良質なビジネス書を集めた書店が別にでき、メディアの紹介や
友人のレコメンデーションで私に認知させればしめたもの。
情報は信頼できるし、新たな刺激を求めて、その書店をチェックしに行くことでしょう。
品揃えや提案が気にいれば、ブランドスイッチをし、
書店のコミュニケーションが上手ければ、その書店の利用が習慣化するかもしれません。
(一部Amazonがその役割りを担っていますが、
リアルの書店には、本に偶然出会う楽しみがあります。)
ユーザーに日々使わせて、脳に記憶させ、習慣化させるのは強いですね。
マイクロソフトはビジネスマンにWindowsを習慣化させ
Appleは音楽好きにiPodを習慣化させることでナンバー1カンパニーになったと
この 「習慣で買う」のつくり方で紹介されているのを読んで、私は唸りました。
習慣化はマーケティング的にはパワフルであることがよくわかりますが
新商品にも当然、チャンスはあります。
ニールセンによると新製品をトライするタイミングは以下の3つだそうです。
ディスカウントやフェア(バーゲンモード)
友人のクチコミ(クチコミモード)や
新しい刺激を求めて買い物をするとき(バリエーションモード)です。
友人のクチコミや新たな刺激が習慣ではない購入を生み出しているのです。
ある意味、この習慣化がマーケッターにとってはくせ者で
前述の3つのモードで習慣化の壁を打破しないと
なかなか新しい商品をトライさせられないということです。
そしてこの3つのモードもソーシャルメディアの利用なしには
消費者に認知させることが、だんだん難しくなってきています。
言い換えると、この3つのモードをしっかり理解し、それを伝えるための
ソーシャルメディアも含めたコミュ二ケーションデザインをしっかりと組み立てれば
チャレンジャーが習慣化の壁を壊せる可能性があるということです。
特に書籍、音楽、料理、旅行などは写真や動画での共有含めてシェアしやすいですね。
友人、知人のレコメンドが重要だと
ソーシャルメディアマーケティングの入門書にはよく書かれていますが
実際、企業の運用側が友人、知人にシェアさせることを意識して
コミュニケーションデザインを設計しているかと言われれば、まだまだです。
購入の習慣化という「無意識の脳のマジック」を打破するために
ソーシャルメディアのクチコミを意識した情報発信が不可欠な時代になってきています。
時間軸が凄いスピードになっていますから
今年中に日本でもPinterestで欲しいものを見つけ
シェアする時代が来ているかもしれません。
Facebook、twitter、Google+、Pinterestや他のソーシャルメディアも含めて
製品、ターゲット、コンタクトポイントを意識した
面白いコミュニケーションデザインが広告会社には求められています。
そして、購入化させた後の習慣化させる仕掛け作りも、当然重要になってきます。
習慣化をキーに継続させるマーケティングと新規獲得させるマーケティングについて
久々にじっくりと考えることができました。
キッカケはこの「習慣で買う」のつくり方、読み応えのある一冊で
コミュニケーションデザインのヒントが満載の良書です。
ぜひ、ご一読ください。
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