「タイムズ」の2011年「今年の人」が先頃、発表されました。
私が驚いたのは、それが政治家や科学者の有名人ではなかったことと
欧米の先進国の人間ではなかったことです。
なんと「タイムズ」の「今年の人」に選出されたのは、アラブ、チュニジアの一市民、
ムハマンド・ブアジジ(Mohammed Bouazizi)さんで、
彼は、カートを押しながら商売する果物の露天商でした。
そのムハマンド・ブアジジさんがチュニジアのベンアリ政権崩壊を含む
「アラブの春」のきっかけを作ったのです。
ブアジジさんは昨年2010年12月17日に
チュニジア中部のシディブジッドで、
当局からの嫌がらせに抗議して自らに火を放ち
大やけどのため翌1月初旬に死亡しました。
このブアジジさんの死をきっかけに
チュニジアでは反政府デモが全土に拡大したのです。
抗議活動のうねりを受け、ベンアリ大統領(当時)が国外に逃亡し政権が崩壊し
その後、反政府デモはエジプト、リビア、シリアなどに一気に広がって行きました。
ソーシャルメディア革命と言われた、「アラブの春」のきっかけが
実は、このブアジジさんだったのです。
役所前で行われた彼の死を悼む抗議集会が
ブアジジさんの従兄弟によって動画でネットにアップされ
騒動が一気に拡大して行ったのです。
twitterやFacebookもその拡散に多大な影響を及ぼしました。
タイムズの選出理由もブアジジさんの勇気を次の様に称えています。
「彼の死は抑圧された民衆を鼓舞した。
警官、秘密警察、知事、そして終身大統領にさえも盾付くことができると
民衆に無言で語りかけた」
日本のミドルの方にも、このジャスミン革命やエジプト革命で
Facebookやソーシャルメディアの認知が一気に広がりました。
日本でもこのチュニジアやエジプトの革命がメディアを通じて報道されたからです。
その影響で、今年の春先に、多くのビジネスマンの方が
私にソーシャルメディアについてに質問してこられました。
また、FBに登録なさる方も多かったと記憶しています。
日本でのFBなどのソーシャルメディアの普及にも
ブアジジさんのアクションが発火点となり、影響を及ぼしていたと思うと
感慨深く、「今年の人」に選出されたのも納得です。
また、無名の市民を選出した「タイムズ」のメディアとしての良識にも
敬意を表したいと思います。
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