パラダイムの魔力(ジョエル バーカー著 )を再読しています。
20年以上前の書籍なのですが、本当にすばらしい一冊で、古さを感じません。
未来を予測したい人、変化したい人には、ぜひ、読んでもらいたい一冊です。
よくわかる逸話だと思いませんか?
視点を変えたり、新鮮な目で見る努力をしないと
スペシャリストといえども、未来を予測できないものなのです。
本当に何も見えなくなると次のように書いています。
見えるはずだと思うものは、はっきり見える。自分のパラダイムに合致しないデータは、よく見えない。まったく見えないことさえある。
目の前で実際に爆発が起きているのにも関わらず
それを理解できずに、被爆し死んでいったと紹介されています。
また、現在のパラダイムをしっかりつかむようにしないと
1968年のスイスの時計メーカーのようになるのです。
機械式時計は永遠だと考えていた業界内部のインサイダーたちは
「間違った」データが目の前に出てきたとき、わたしたちは、関係ないといって無視するか、自分のパラダイムに合わせ、歪めて読んでしまう。逆にいえば、現在のパラダイムが災いして、将来を見る目が曇る場合があることを、肝に銘じておけば、将来を見通す力は飛躍的に高まるともいえる。現在、「不可能」とされることは、現在のパラダイムの枠内で不可能ということにすぎない。
中間管理職には、パラダイム・シフトを起こすような人たちの話に、耳を傾けるようにしよう、彼らの意見を無視してはいけないと説いている。新人、若手などが良いアイデアを持っているのに、中間管理職がつぶしてしまつことがよくある。部下に「そんなことはもっと経験を積んでから言え」とか、「そんなアイデアはお前が言うずっと前に試したけれど駄目だった」などと言ってはいけない。中間管理職は、自分自身がイノベーティブにならなくてもよいが、イノベーティブな人をつぶしてはいけないのである。
新人や外部のアウトサイダーには業界の常識がないために
よいアイデアを持っているのです。
経営者や中間管理職はそういった人たちのチャレンジをつぶさずに
フォローすることが大事で、この判断を誤ると企業の成長は止まってしまいます。
iPhoneの前ではゲーム機やカメラ、ガラケーが価値を失っていたことが象徴的です。
ゲームのルールが変わることを予測した若い世代のアプリ開発者が勝ち
古いパラダイムに安住した任天堂は、いつの間にか負け組になっていたのです。
新しいパラダイムは、古いパラダイムで生きているすべての人に、大きなリスクを負わせる。その人の地位が高いほど、リスクは大きくなる。現在のパラダイムに習熟しているほど、投資したものが大きいほど、パラダイムが変わって失うものは大きい。
巻き起こしたパラダイムシフトのケーススタディーが紹介されています。
葬儀屋が電話の交換システムを生み出したなど思いもよらねストーリーが読めるのも
この書籍の大きな魅力になっています。
パラダイムを変えるのは、ほとんどいつもアウトサイダーである。アウトサイダーは、現在のパラダイムの機微を理解しておらず、それに投資していないからだ。パラダイムの開拓者は、十分な根拠なしに、思い切って決断をくだす。パラダイムを変えたいと思つのは、自分の直観を信じているからだ。
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