パラダイムの魔力の書評 未来はアウトサイダーが作る。 #書評

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パラダイムの魔力ジョエル バーカー )を再読しています。
20年以上前の書籍なのですが、本当にすばらしい一冊で、古さを感じません。
未来を予測したい人、変化したい人には、ぜひ、読んでもらいたい一冊です。

「蓄音機に、商業的価値はまったくない」

この言葉は1880年のある有名人の発言です。
未来を見誤った悲観的な予測は誰の言葉だと思いますか?

驚くことに、発言主は実際に蓄音機を発明したエジソンのモノだったのです。
天才といえども、未来を予測することが如何に難しいのかが
よくわかる逸話だと思いませんか?
エジソンですら、パラダイムの動きが見えなくなるのです。
業界の常識が邪魔したり、関係者などのインサイダーに現実が見えないことが多いのです。
視点を変えたり、新鮮な目で見る努力をしないと
スペシャリストといえども、未来を予測できないものなのです。

ジョエル バーカーは書籍の中で自分のパラダイムに合致しないと
本当に何も見えなくなると次のように書いています。

見えるはずだと思うものは、はっきり見える。自分のパラダイムに合致しないデータは、よく見えない。まったく見えないことさえある。 

爆発したチェルノブイリ原発では多くの技術者が
目の前で実際に爆発が起きているのにも関わらず
それを理解できずに、被爆し死んでいったと紹介されています。

また、現在のパラダイムをしっかりつかむようにしないと
1968年のスイスの時計メーカーのようになるのです。
機械式時計は永遠だと考えていた業界内部のインサイダーたちは
デジタル化の波に気づかずに
翌年には日本に一気に逆転されるのです。

「間違った」データが目の前に出てきたとき、わたしたちは、関係ないといって無視するか、自分のパラダイムに合わせ、歪めて読んでしまう。逆にいえば、現在のパラダイムが災いして、将来を見る目が曇る場合があることを、肝に銘じておけば、将来を見通す力は飛躍的に高まるともいえる。現在、「不可能」とされることは、現在のパラダイムの枠内で不可能ということにすぎない。

パラダイムの魔力序文でコンサルタントの内田和成氏は次のように述べています。

中間管理職には、パラダイム・シフトを起こすような人たちの話に、耳を傾けるようにしよう、彼らの意見を無視してはいけないと説いている。新人、若手などが良いアイデアを持っているのに、中間管理職がつぶしてしまつことがよくある。部下に「そんなことはもっと経験を積んでから言え」とか、「そんなアイデアはお前が言うずっと前に試したけれど駄目だった」などと言ってはいけない。中間管理職は、自分自身がイノベーティブにならなくてもよいが、イノベーティブな人をつぶしてはいけないのである。

新人や外部のアウトサイダーには業界の常識がないために
よいアイデアを持っているのです。
経営者や中間管理職はそういった人たちのチャレンジをつぶさずに
フォローすることが大事で、この判断を誤ると企業の成長は止まってしまいます。

最悪の場合、倒産すらあり得るのです。

ジョエル バーカーパラダイムシフトとは新しいゲームに移行すること
ゲームのルールが変わることだど定義しています。

ルールが変わってしまえば、過去のノウハウや技術は全く意味をなしません。
iPhoneの前ではゲーム機やカメラ、ガラケーが価値を失っていたことが象徴的です。
ゲームのルールが変わることを予測した若い世代のアプリ開発者が勝ち
古いパラダイムに安住した任天堂は、いつの間にか負け組になっていたのです。

新しいパラダイムは、古いパラダイムで生きているすべての人に、大きなリスクを負わせる。その人の地位が高いほど、リスクは大きくなる。現在のパラダイムに習熟しているほど、投資したものが大きいほど、パラダイムが変わって失うものは大きい。

パラダイムの魔力には、多くのアウトサイダーが
巻き起こしたパラダイムシフトのケーススタディーが紹介されています。
葬儀屋が電話の交換システムを生み出したなど思いもよらねストーリーが読めるのも
この書籍の大きな魅力になっています。

パラダイムを変えるのは、ほとんどいつもアウトサイダーである。アウトサイダーは、現在のパラダイムの機微を理解しておらず、それに投資していないからだ。パラダイムの開拓者は、十分な根拠なしに、思い切って決断をくだす。パラダイムを変えたいと思つのは、自分の直観を信じているからだ。

アウトサイダーの思い切った決断が未来を変えていくのです。
その芽を見つけるための多くのヒントがこの本では紹介されてます。
  

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