歴史的に見れば、ついこの間まで人生は悲惨で残酷で短かった。(ポール・モーランド)
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この200年で変わった歴史と人口の関係
ポール・モーランドは人口で語る世界史の中で、過去の私たちがいかにつらい時代を生きていたかを振り返っています。人類が約1万年前に農業に従事するようになってから、どの時代にも地球上のほとんどの場所で、
貧しく惨めな光景が見られたのです。18世紀にスペインで生まれた子どもですら、その4分の1から3分の1が、1歳の誕生日を迎える前に死んでいたのです。今から200年前までは子供は早死にするもので、長生きできる人は稀な存在でした。
第一次世界大戦の直前に、電気が生まれ、街を明るくします。ここから世の中は大量消費社会となり、その後電話が登場します。かつては上流階級だけのものだった贅沢が中産階級へと広まったことで、生活が大きく改善されていきました。汚物が減り、衛生状態もよくなり、基本的な生活水準が年ごとに上がっていくことで、大衆の貧困が解決できるようになったのです。
世の中が豊かになると人口動向に変化がおこります。著者は人口動向が歴史を動かしてきたと指摘します。地域や国の人口を変えられるものは3つしかなく、歴史を学ぶのであれば、これを押さえておくべきです。(ただし、人口だけで歴史を動かせるほど、世の中は単純ではありません。)
1、出生数 人口を増やす要素
2、死亡数 人口を減らす要素
3、移民 その土地に出入りする人の動き
人口が減少する日本で、働き手を確保するために、日本でも移民問題が議論されるようになりました。出生数が減り、死亡数が増加する中で、移民を受け入れないと日本の人口は確実に減り続けます。
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世界の人口が減り続ける理由
世界の人口は人類の誕生から何千万年もかけて、19世紀初頭にようやく10億に達したが、それから現在の70億に達するまでには200年しかかかっていない。
1960年代後半、地球の人口はだいたい30年ごとに倍増していましたが、現在では倍になるのに60年かかっています。人々が豊かになることで、今世紀の終わりには、人口増加が完全に止まる可能性もあります。多くの先進国では、人口減少が始まっています。急激に増えた人口が今後減少することは間違いなく、世界の人口はジェットコースター並みに変化しています。
乳幼児死亡率が低下すると同時に寿命が長くなります。豊かになり、女性が働くようになると一人の女性の産む子供の数が減り始めます。人口を維持するためには、移民が必要になり、ヨーロッパはそれに舵を切りました。イギリスがブレグジットが選択するのも、移民が大きな理由になっています。イギリス人の投票行動は移民によって左右されていたことが明らかになっています。
国の民族構成の変化が起こると政治や経済にも大きな影響を及ぼします。人口構成は国家内部の争いの要因となり、政治を混乱させます。今後、人口問題を解消するために、日本が移民政策をとった場合には、私たちはヨーロッパで起きているような問題を抱えることになるはずです。
まとめ
この200年世の中が豊かになることで、世界の人口は激変しました。人口を変えられるものは次の3つの要素しかありません。1、出生数 2、死亡数 3、移民。今後、日本が移民政策をとった場合、経済や政治に大きな影響を及ぼす可能性があることを私たちは最近のヨーロッパの歴史から学べます。
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