偏見のない多様性のある組織が強い理由

心を開放し、あらゆる人を包括し、あらゆる人を受け入れる姿勢は、職場においても重要である。多様性が企業に価値をもたらすことはよく知られている。多様性のある企業では、皆がより高い業績をあげることができるし、より賢明な判断を下すことができる。また、創造性を高め、市場を拡大させる力を持つこともできる。(クリスティーン・ポラス)


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多様性のある企業が強い理由

クリスティーン・ポラスThink CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略であるの中で、組織の偏見を減らすことで、企業のパフォーマンスがアップすると述べています。 企業があらゆる種類の人を受け入れる多様性を持てば、市場に対する深い洞察力を持つこともでき、企業をより強くできます。

偏見を捨て、人種や性別、年齢を超えた採用を心がけることで、優秀な人材を集められます。

多様性は、求人活動における強力な武器だとも言える。この武器があれば、優れた才能を持つ人材を集められる可能性が高まる。

ただ、気をつけなければいけないのは、多様性をつくるだけでは、リーダーは結果を出せません。多様性に価値を持たせるためには、企業の文化やメンバーの態度をよくする必要があります。

職場に無礼な態度が蔓延し、メンバーが自分のことを価値ある人間だと感じられない状況だったとすれば、組織のパフォーマンスは低下します。リーダーは、意見交換を気軽にできる雰囲気作りをしなければなりません。

ここで重要になるのが礼儀正しさである。私たちはすべての人を大切に扱わなくてはならない。たとえば、自分と異質な人であっても、考え方の違う人であっても、同じよう に大切に扱わなくてはならないのだ。

意識の上では、礼儀は重要だと思っていたとしても、それを実践することはとても難しいと著者は指摘します。実際多くの人は、無意識の偏見があり、それが些細な態度や行動に出してしまいます。

私たちの脳は毎秒約1100万ビットの情報を入手していますが、意識が処理できる情報の量はせいぜい毎秒40ビット程度です。つまり、私たちが取り入れた情報の大半は、無意識のうちに処理されているのです。そのため脳はは、ステレオタイプを使い、情報を処理します。

このショートカットに落とし穴があり、リーダーは間違いを犯します。ステレオタイプを持つことで、他人への偏見が生まれ、人の能力を決め込んでしまうのです。能力を持っている女性やシルバー世代の能力をもっと評価すれば、人手不足を解消できます。

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偏見は成長を妨げる。

リーダーが偏見を持つと、公平な評価ができません。リーダーの評価が不公平だと、メンバーは傷つき、積極的に動けなくなります。調査によると、女性に対してはマイナスの意見を言いたがらない人が多いことがわかっています。これを伝えると不快にさせそうだ、恥をかかせそうだと思うと、女性に対しては誰もが嘘をつく傾向があります。しかし、この態度が女性のチャンスを奪っているのです。

正直な評価を知ることができれば、人はもっと速く成長でき、速く能力を高めることができます。リーダーが遠慮することで、部下のキャリアに悪影響を及ぼします。人種に関する無意識の偏見も同じような問題を生む恐れがあります。マイノリティは、正直なフィードバックを得られず、成長する機会を奪われてしまいます。

悪いところがあっても、気を使って言わないのは、その人を下に見ることであり、侮辱であるばかりか、必然的に失敗へと導くことでもある。自分より下だと思っている人には、はじめからあまり期待をしない。だから、正しいフィードバックもしない。その結果、相手が何か失敗をすれば、自分より本当に下であることが証明されたと感じてしまう。いわゆる「予言の自己成就」が起きるわけだ。

偏見をもち、フィードバックをしない組織を変えなければリーダーは結果を出せません。では、どうすれば、偏見をなくせるのでしょうか?

まず、隠れている偏見を表に出し、目に見えるようにしましょう。「自分にはどういう偏見があるのか」。そして「その偏見によって影響を受けているのは誰か」「それによってどのような 結果がもたらされているのか」ということを自問をするのです。

社会神経科学者のジェイ・ヴァン・バヴェル、ウィル・カニンガムは、無意識の偏見を抑制するには、相手と自分の共通点に注目することが有効だと述べています。相手との共通のアイデンティティを探すことで、偏見を減らせます。

リーダーはそれぞれのメンバーに対して、自分と共通しているのは何か、また違っているのは何かを考えてみましょう。「子供を持つ親である」「同じ街に住んでいる」「同じスポーツチームのファンである」「同じ音楽が好きだ」といった共通点を見つけることで、その人に良い感情を持てるようになります。個々の人と共通のアイデンティティを見つけることで、偏見を減らせます。

自分と異質の人と交流をし、相手への理解を深めれば、偏見は少なくなっていく。互いへの感情は良くなっていくだろう。交流が頻繁であれば、互いに助け合うことも増える。 そして、偏見を減らすには、他人の意見を積極的に取り入れる姿勢も大事だ。仕事において何か重要な決定を下す時はひとりで考えずに、必ず他人の意見を聞く。

自分と同じタイプの人ばかりと付き合うのではなく、多様性を意識すべきです。私は積極的に海外に行き、様々な人とコミュニケーションするようにしていますが、彼らの知識や体験を学ぶことで、人間の能力にはあまり差異がないことに気づけました。

多様性のあるチームをつくり、偏見を捨て、能力を引き出すことで、組織のパフォーマンスを高めることができます。調査によると、多様な意見の出るチームの方が、そうでないチームよりも、より良い、より偏見のない決定を下せることがわかっています。リーダーは多様性のあるチームを作り、偏見を捨てることで、結果を出せるようになります。

まとめ

誰もが無意識の偏見を持っていますが、それが組織の悪影響を及ぼします。リーダーは自分にどのような偏見があり、それが他人との関係にどう影響しているかをよく考える必要があります。リーダーは多様性のあるチームを作り、偏見を捨てることで、個々のメンバーの力を引き出せ、組織を強くできるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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