藤原麻里菜氏の考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71の書評


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考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71
著者:藤原麻里菜
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約 

本書には、アイディアづくりの71のメソッドが紹介されていますが、これらの方法を組み合えわせることで、よいアイディアが浮かぶようになります。特に言葉から発送する癖をつけ、名詞や形容詞などを組み合わせることで、アイディアをスピーディに量産できるようになります。

まず、言葉から発想しよう!

言葉から発想する癖をつけることで、想像力がどんどん成長していき、ふつうだと思いつかないようなアイディアが生まれる。そしてこれは、無作為に言葉をつくる発想法なので、アイディアを考えるスピードが速くなり、量を増やすことができる。その分、ピタッとくるアイディアに出合う確率も高くなる。(藤原麻里菜)

本書の著者の藤原麻里菜氏の肩書は多岐にわたります。発明家、YouTuber、コンテンツクリエイター、文筆家、映像作家などなど。2013年に所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーの担当から「YouTubeで好きなことをやってみたら」と言われたことがきっかけになり、YouTubeチャンネル「無駄づくり」を開設しました。動画で自作の実験工作や発明など何百もの「無駄作品」を発表するうちに人気に火がつきます。

藤原氏は71の「考えるテクニック」を活用することで、今までにいくつものアイデアを生み出してきました。そのメソッドとそこから生まれた彼女ならではの発明品の数々を本書で楽しめます。アイディアづくりは、まさに言葉から始まります。名詞を組み合わせたり、「大きい」「小さい」などの形容詞、修飾語を付けて言葉の性質を変化させたりすることで、誰でも、何でも、無限に生み出すことができようになります。

言葉から考え、単語を「合体」させるなどのメソッドからは、馬鹿げたアイディアがいくつも生まれます。それらをも否定せずに、様々な言葉を組み合わせるうちに、課題を解決するヒントが見つかります。

本書の発明商品を見ているうちに、私は仲間の高橋晋平氏のことを思い出しました。彼は「MouMa」と言う「妄想商品マーケット」の中で、メンバーとともに新商品のネタづくりを楽しんでいます。そこに並ぶ商品は、藤原氏の無駄作品のように、私たちの創造力を刺激します。

以下、MouMaについて、高橋晋平氏の記事より引用します。

MouMa(モウマ)は、「妄想商品マーケット」。19文字以内で、「こんな商品があったらいいな」というアイデアを書いて、好きな値段をつけて出品することができる、Webサービスです。例えば、「どこにでもワープできる窓 300,000円」などというように。想像したものは何でも、もちろん非現実的なものでも、ただ文字で書くだけで出品できます。天才発明家になったような感じです。(高橋晋平)

 MouMaに出品されている商品を見ると、様々な言葉が掛け合わせられていることがわかります。「妄想する→アイディアを書く→値段をつけ、出品する→購入してもらう」というステップによって、アイディアづくりが楽しくなります。

私は定期的にMouMaを訪問していますが、メンバーの投稿から刺激を受けると同時に、アイディアづくりには遠慮が要らないということを実感しています。

 

様々なアイディアを組み合わせてみよう!

何か考えているテーマがあるなら、関連する名詞やテーマから「ダジャレ」を考えてみると、アイディアの突破口になることがある。ダジャレを考えるときは、みんながよく知っているものを掛け合わせるのがいい。昔話だとかことわざ、有名人など、多くの人が何らか共通のイメージを持っているものを使うと、ギャップが生まれておもしろみが出る。

「ダジャレ」から考えることがアイディアの突破口になると藤原氏は指摘します。例えば、AIをテーマにダジャレでアイディアを考えることで、以下の商品が生まれます。

・AIドル(Al×アイドル):人工知能を搭載したアイドル
吉田AI作(AI×吉田栄作):トレンディなセリフしか言わない人工知能

ダジャレというのは、まさに「新しい言葉」をつくることだ。くだらないように思えるかもしれないが、そのものの本来の性質とは関係のない文脈で新しい言葉の組み合わせを考えることができるので、ダジャレはたいへんすばらしい。この作業によって、いままでに考えもしなかったことを思いつくことができるようになるのだ。

ダジャレは想像を飛躍させ、面白いアイディアを生み出してくれます。

アイディアを考える際の基本は「言葉をつくってイメージをふくらませる」ことですが、それ以外にも様々なアプローチがあります。

例えば、自分の生活の周りのペインを取り除くと言う方法もあります。自分の半径1メートル以内に起こっている出来事を認識し、そこに潜む小さなストレスを意識することで、アイディアが量産できるようになります。日常のストレスを見つけ、そこから言語化してみるのです。

特に失敗というストレスからは、よいアイディアが生まれます。どうしたら失敗しなかったかを考えたり、いかに失敗をフォローするかを考えることで、新たな発見が生まれます。最近失敗したことを思い出し、それを回避することを考えることで、様々なアイディアが浮かびます。著者が考えたズボンのチャックが空いていることを知らせるIoTのアイディアは秀逸です。

 

本書には、アイディアづくりの71のメソッドが紹介されていますが、これらの方法を組み合えわせることで、よいアイディアが浮かぶようになります。
【考える術01】「言葉」から考える
【考える術02】単語を「合体」させる
【考える術18】「視点のパターン」を考える
【考える術19】「いまある知識」で解決する
【考える術38】「自分のこと」から考える
【考える術39】「好きなこと」から考える
【考える術70】アイディアを「一覧」にする
【考える術71】つねに「いろんな見方」をする
これらのメソッドを自分ごと化し、つねに「いろんな見方」をすること、他者とは異なることを考えることで、斬新なアイディアが浮かぶようになります。

おもしろいアイディアを思いつくには、同じものを見ても、どれだけ人と違った感じ方ができるかが大切だ。日ごろから、目に映るものからいろいろなことを考える癖をつけていきたい。 日ごろからこうして見るもの、聞くものに対して、どんな想像ができるか考えることを習慣にしていきたい。そのうちに、考えることがどんどん楽しくなってくる。

私も街を歩くときはキョロキョロし、五感を使って、様々なアイディアを考えるようにしています。そこから様々なアイディアを生み出すことを習慣にしています。

自分だけの視点からアイディアを生み出すことで、私は人生をより豊かにできました。日々、アイディアを誰かのためにつくることで、感謝され、幸せな気分になれます。

ぜひ、本書を活用して、様々なことを妄想しながら、アイディアづくりにトライしてみましょう。ここからよりよい人生を送るためのヒントをもらえます。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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