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コロナと無責任な人たち
著者:適菜収
出版社:祥伝社
本書の要約
2020年1月に始まった新型コロナ・パンデミックは、本当は力がないにも関わらず、数の力とメディアコントロールで権力を握った日本のリーダーたちの実態を暴きました。反省もせず、説明責任を果たさない政治家を国民やメディアが許容したままでは、やがては国が滅びかねません。
日本がコロナ禍から抜け出せない理由
社会不安が高まる中、素人、デマゴーグ(大衆扇動者)、無責任な人、高を括る人、陰謀論者が「単なる思いつき」を大上段から語るようになります。(適菜収)
安倍政権以降、権力が平気で嘘をつくようになりましたが、メディアはあまり批判することなく、政治家の言葉を垂れ流してきました。多くの国民は嘘をスルーし、政治家はやりたい放題でしたが、今回にコロナ禍が日本のリーダーたちの実態を炙り出し、彼らが無力であることが明らかになりました。
世襲議員の代表格の安倍前首相は、思いつきで学校を休校にしたり、数百億円もの巨額な予算を「アベノマスク」で浪費し、大きな混乱を現場にもたらしました。旅行業界のために、多くの国民の反対を押し切って「Go Toキャンペーン」を強行することで、コロナを日本に蔓延させてしまいます。
ジャーナリストの質問を遮ることで、鉄壁の官房長官と言われた菅氏は、首相になった途端、コミュニケーション能力がただただ足りない人物であることが国民に知れ渡りました。五輪50日前になっても、ビジョンを示さず、「安心・安全」というスローガンをひたすら唱えるだけで、五輪を開催しようとしています。知性もリーダーシップもない政治家が暴走した結果、コロナ禍から抜け出せず、日本の国力は日増しに下がっています。
「竹やりでB29を落とせ」というレベルの精神論が蔓延し、しまいには市販のうがい薬に効果があると言い出す政治家まで現れました。敗戦が予測されたデータが示されているにも関わらず、それを無視して戦争を始めた昭和16年の政治家と今のリーダーの行動が変わっていないことに日本人の不幸があります。
日本の政治家は失敗を認めずに愚作を繰り返します。一方、イギリスではボリス・ジョンソン首相が反省の弁を述べ、政策を変更し、一気に状況を改善しました。 反省できるのは立派なことで、反省できる政治家がいることで、国民は不幸な状態から抜け出せます。
無責任なリーダーが国を滅ぼす?
菅は「国民のために働く内閣」をスローガンとして掲げましたが、アホにも限度があります。政治家が国民のために働くのは当たり前です。アメリカのために働いてきた安倍と一線を画すとも思えません。
安倍政権以降、政治家の言葉に重みがなくなりました。首相や閣僚が質問に答えない、あるいはご飯論法によって、答えをごますことが増えています。前官房長官が生み出した「菅話法」をメディアが批判しなかったために、政治家が国民への説明を怠るようになったのです。
「その指摘はあたらない」「答弁を控えさせていただく」「いま答えた通り」……。こうした菅の態度はメディアや記者に対する強硬な姿勢と捉えられてきましたが、単に言葉で説明する能力、他人とコミュニケーションを取る能力が欠如しただけだったのです。長きにわたって、政治部の記者たちがこの態度を許容したことで、無能な人物に大きな権力を与えてしまったのです。
菅総理は今年になって、何度も、緊急事態宣言を発出しますが、責任を取らずにいます。今年の1月4日の年頭会見で菅総理は「医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供いたします」、一都三県に緊急事態宣言を発出した同月7日の記者会見では「一カ月後には必ず事態を改善させる。そのために総理大臣としてありとあらゆる対策を講じて参ります」と発言しました。
1月の段階で「絶対」「必ず」と言いながら、6月になった今も緊急事態宣言が続いています。 発令した緊急事態宣言の効果が出なかった場合について質問されると「仮定のことは考えていない」と返答する総理は、五輪を行うために、ようやくワクチン対策にシフトします。
最悪のケースを仮定して、対策を怠らないのことが危機管理の基本ですが、PCR検査を怠り、ワクチン確保も後手後手になり、反省もせず、説明責任を果たさない政治家をリーダーにしたままでは、やがては国が滅美かねません。欧米や中国が、コロナ対策で成果を出す中で、日本の一人負けが際立っています。
そろそろ国民は政治への関心を取り戻し、彼らの発言や行動をチェックし、無責任な政治家を排除すべきです。リーダーを変えない限り、政治家は利権を拡大する政策を行い、多くの国民には分配が行き渡らず、社会的弱者が増加していくはずです。
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