中竹竜二氏のウィニングカルチャー: 勝ちぐせのある人と組織のつくりかたの書評


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ウィニングカルチャー: 勝ちぐせのある人と組織のつくりかた
著者:中竹竜二
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

組織文化とは、実際には目には見えないものですが、組織の成果や評価、未来を激変させる力を持っています。組織文化の変革によってルールが変わり、働く人の言葉や行動、習慣がよくなります。それが製品やサービスに変化を起こし、新たな成果を生み出します。

組織文化がなぜ重要なのか?

ウィニングカルチャーとは何なのでしょうか。 それは、自ら問い続けることです。 「勝ちとは何か」「なぜ勝つのか」「どう勝つのか」「どこまで勝ち続けるのか」。 一度導き出した「解」をあえて自分で疑い、自問を繰り返し、過去の成果に甘えることなく、自分の殻を破って謙虚に学び続け、進化や成長を止めないこと。 これが、私の定義するウィニングカルチャーです。(中竹竜二)

日本ラグビーフットボール協会理事の中竹竜二氏は、ラグビー日本代表が負け犬根性から抜け出し、常勝軍団に生まれ変わった理由を「ウィニングカルチャー」が築かれたからだと指摘します。選手一人ひとりが、自律的に自分たちの文化を変え、ウィニングカルチャーを根付かせることで、ワールドカップでベスト8という結果を残せたのです。

組織文化とは、実際には目には見えないものですが、組織の成果や評価、未来を激変させる力を持っています。組織を変革することで、チームは進化・成長していきます。 組織文化は、その組織を構成する人だけに共有される価値観のことで、これを生み出すことで、圧倒的な強みが手に入ります。組織の文化をウィニングカルチャーに変えることで、組織は成果を出せるようになるのです。

組織の中で、共通認識されている暗黙のルールや空気といった、人々が何となく共有している価値観が、組織全体の方向性を決定づけるのに大きな影響を与えています。

組織文化は、その組織に属する人々がどんな価値観で判断を下すのかという一人ひとりの小さな意思決定にも影響を与えています。 最近では、一部の企業が組織文化の重要性に着目し、目指す姿へと組織文化を変革し、進化を続けています。この組織文化は唯一無二なものですから、決して模倣できません。人材流動化が進み、新たな働き方方が、定着する中で、唯一無二な存在の価値観のある企業が、採用でも強みを発揮していきます。

組織文化がやがては成果を生み出す!

自分たちの組織文化を明確に示し、それが唯一無二の個性であることを対外的に伝えていかなくてはなりません。

組織文化は、企業を取り囲むあらゆるステークホルギをひきつけるカギにもなります。
■組織で働く人。
■組織の製品やサービスの顧客
■組織とともに栄えようとする取引先。
■組織に投資する株主。

組織文化は唯一無二の競争力の源泉になり、多くの人たちを引きつけます。ヒト、モノ、カネといった目に見える資源だけで競争するのではなく、経営者は組織文化を発信し、自社のファンを作る必要があります。組織が掲げるビジョンやミッション、バリュー、組織の中に漂う空気や人間関係、組織で働く人々が何となく共有する価値観や言葉、行動など、目には見えない組織文化が、自社の強みになっていきます。

優れた企業は組織文化で他社との違いを打ち出し、従業員や顧客、取引先、株主などのステークホルダーを魅了すべきです。

守るべきものは守り、変えるべきものは変えることで、組織はさらに成長する。そのためには、まず自分たちの弱さを知る必要がある。誰もが見ようとしない最大のウィークポイントは組織の根底に宿り、誰も口に出して指摘しようとはしません。しかし望ましくない組織文化を言葉にできれば、意識してそれを変えることができます。組織文化を知ることは、自分たちの組織と向き合い、良い部分も悪い部分もさらけ出し、以前にも増して強い組織に変わることでもあります。

本書で紹介されているfreeeは、ラグビー日本代表と同じように、自らの弱みを曝け出し、それを認め合い、実際に思っていることを伝えることで強くなれました。オープンな空気を醸成し、メンバー全員が体得することで、freeeは目標を達成できる組織に生まれ変われました。

組織文化が変わることで、企業は強くなれます。
■組織内の意思疎通が格段に速くなります。
組織に属する全員が同じ価値観を共有すると、企業活動のさまざまな場面でいちいち価値観をすり合わせる必要がなくなり、意思決定のスピードが上がります。
■本質的な議論ができるようになります。
仲間に対して過剰に気を遣う必要もなくなり、社内のコミュニケーションが活性化します。
■ 個人が迷ったときにも立ち返る場所があるので、 判断に迷うケースが激減します。
業務スピードがアップし、生産性と創造性が圧倒的に高まります。
■コミュニケーションがよくなることで、社内の結束が固まります。
組織文化の変革によってルールが変わり、働く人の言葉や行動、習慣がよくなります。それが製品やサービスに変化を起こし、新たな成果を生み出します。

組織文化を変えるためには、数年以上の時間がかかります。危機を迎える前に、平時の頃から組織文化を変え、競争力のある組織を作りましょう。VUCAの時代には、受け身の姿勢ではなく、能動的に変化する組織が勝利を掴むのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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