勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法
勝間和代
KADOKAWA
本書の要約
リスクとリターンは表裏一体で、ある程度のリスクを取らなければ、リターンを得られません。しかし、人には現状維持バイアスがあり、積極的にリスクを取ろうとしない習性があります。リスクを危険と考えるのではなく、チャンスだと捉え、自分の許容範囲でリスクテイクを心がけることで、未来を変えられます。
リスクテイクが人生を明るくしてくれる理由
どんなにチャレンジしても時代に置いていかれる危機感があるからです。変化の波は正確に予測できないとはいえ、若年層や情報リテラシーの高い富裕層のトレンドに触れれば、この先どの分野が斜陽になって、逆にどの分野に新しい芽が出て伸びそうか、という判断はある程度つくようになります。 (勝間和代)
変化の激しい時代に現状維持を選択すると時代に取り残されてしまいます。私が広告会社をやめ、独立をしようと決めたのは、2007年にアメリカでiPhoneが発売され、ソーシャルメディアが使われ始めたタイミングでした。個人が情報発信のパワーを持つことで、広告ビジネスが変わると考えた私はSNSで情報発信をスタートしました。
それがきっかけになり、書籍を出版したり、講演活動をするうちに、社外取締役、アドバイザーとして独立できたのです。マスメディアがSNSに置き換わる時代にリスクをとって情報発信すること、偶然の力を活用することで、自分の生き方を変えることができたのです。
リスクとリターンは表裏一体で、ある程度のリスクを取らなければ、大きなリターンを得られません。しかし、人には現状維持バイアスがあり、成功確率が高い場合でも、リスクをとったり、新たなチャレンジを避けようとすることがあります。
変化したほうがリターンが増えるかもしれないのに、変化を「安定の損失」と捉えて、現在の状況に固執したがるからです。本来取るべきリスクを取らずにみすみすリターンを捨てているケースが多々あります。つまり、「適度にリスクを取らないというリスク」が全体のリスクを高めているのです。
著者の勝間氏は「リスクの本質は、不確実な可能性への投資だ」と指摘します。リスクが高いことは変動幅が大きいという意味で、上下両方にふれる可能性があります。リスクを危険と考えるのではなく、チャンスだと捉え、自分の許容範囲でリスクテイクを心がけることで未来を変えられます。
「そのリスクを取ったら最悪何が起きるか」を考え、その最悪のシナリオが自分の許容範囲であればリスクをとってしまうことで、自分の可能性を広げられます。 リスクと上手に付き合い、場合によっては果敢にリスクテイクすることで、未来を明るくできるのです。
自分内競争を常態化しよう!
リスクテイクが許される職場や家庭というのは、失敗に対する許容度が高い環境です。誰でも失敗することを前提にしていて、様々な失敗について共有し、そこから学習して成功につなげる、という姿勢が保たれているため、積極的にリスクテイクできます。逆に、失敗が許されなかったり、失敗を隠蔽したりするような環境だと、積極的にリスクテイクする人はいないでしょう。
リスクをとりたければ、自分の置かれている環境を見直しましょう。積極的にリスクをとる人たちに囲まれれば、リスクが怖くなくなります。私は独立する際、経営者との付き合いを増やすことで、彼らから決断する勇気を学べました。自己投資を続け、リスクをとることで、人生は面白くなることを彼らが教えてくれたのです。
新たなチャレンジにはリスクをとるだけでなく、今までに投資してきたものやネットワークを見直すことも重要です。古いものを断捨離しなければ、新たなことを吸収するスペースは生まれません。
常に変化に対応することを習慣として、過去の不要なものを整理すること、「自分内競争」を積極的に行うことで、自分をよりよくできます。日々、自分内競争を行いながら、新陳代謝を常態化することで、時代の変化に適応できるようになります。
私たちが年を取るにつれて時代に取り残されやすくなるのは、過去のしがらみを払拭できないことが原因です。しかしもし、過去のしがらみを払拭しながら良質なものだけを残し、新たな変化も取り入れていければ、蓄積量の差において、若い人より明らかに有利になれるのです。
コンフォートゾーンを抜け出し、自分の殻の外に出ることで、新たな気づきを得られます。偶然の力を活用して様々なコミュニティに参加することで、自分の可能性を広げられ、大きなリターンを得られるようになります。自ら動いて体験することが、すべてを変えるブレークスルーになると考え、日々、新たなことにチャレンジしましょう。
「仕事は常に、将来性があるほうにBETし続ける(賭け続ける)ことが重要だ」と勝間氏は言いますが、自分が面白いと感じること、直感を信じて行動することで、良縁に巡り会えるようになります。
私は昨年から大学の客員教授になり、今年から授業を持ち始めていますが、若い学生との時間を持つことで、大きな刺激を受けています。59歳になって、大学で教えるとは思いませんでしたが、これも偶然のなせるわざです。
私は学生に教えるために準備に時間を割くようになりましたが、ここからさまざまな学びを得ています。教えることが自己投資につながり、自分に変化をもたらしてくれたのです。
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