幸齢者 幸せな老後のためのマインドリセット(和田秀樹)の書評

smiling man holding box

幸齢者 幸せな老後のためのマインドリセット
和田秀樹
プレジデント社

本書の要約

高齢者が人生の最終章で後悔しないためには、自分の思考パターンを一新することが必要です。従来の節制や制約にとらわれるのではなく、新たな自由な視点や楽しみ方を発見しましょう。高齢者にとって、自己実現や自己表現の機会を持つことは、満足度の高い人生を過ごすための鍵となります。

高齢者が後悔する6つの共通点

高齢者は本当は「贅沢が似合う年代」なのです。(和田秀樹)

欧米と異なり、日本では、贅沢な暮らしぶりを実践する高齢者は少数派です。その理由は、お金がないからではなく、心持ちの違いだと精神科医の和田秀樹氏は指摘します。

日本では、退職金を2000万円もらったとき、多くの人が「このお金は老後の蓄えにしないといけない」と考えて、多くの資産を定期預金に回します。しかし、せっかく退職したんだから、お金を貯め込むばかりではなく、自分の好きなことに使ったり、旅行に行ったり、趣味を充実させたり、他人に喜んでもらうために使ったり、もっと贅沢に暮らした方がいいのではないでしょうか。 高齢者になっても、まだまだ人生を楽しむことができます。

著者は高齢者が共通して「後悔」していることが6つあると言います。
1.もっと好きなことをしておけばよかった。
2.いろいろ経験しておけばよかった。
3.自分を殺して他人に尽くしすぎなければよかった。
4.周りにもっと自分の気持ちを伝えておけばよかった。
5.お金の心配をしすぎなければよかった。
6.医者の言うことを聞きすぎなければよかった。

この6つの後悔を知ることで、高齢者には我慢が禁物であることがわかります。我慢するよりも、今の自分の人生を楽しんだ方がはるかによさそうです。

幸せな高齢者というのは、要するに好きなことができている人だと思います。

高齢者は自分のマインドをリセットすべきです。これまでの節制や制約の考え方から解放され、新たな自由な発想や楽しみ方を見つけることを指します。高齢者の方々にとって、自己実現や自己表現の時間を持つことは、充実した人生を送るために重要な要素です。

高齢になることは自由を手に入れることであり、自分自身の欲望や興味に素直に従い、好きなことを存分に楽しむことができると考えられます。

幸せな高齢者(幸齢者)になる方法

メンタルが変わると、生き方が変わります。世の中が違って見えてきます。そうすれば、残りの人生がより充実したものになることは間違いありません。

高齢者が自分自身のメンタルをポジティブに変えることで、世界がより明るく見え、残りの人生を充実させることができるでしょう。70代になったら、より自由な生き方を追求することが重要です。実際、奔放さや自由さが80代や90代を豊かにする秘訣となることもあります。

外に出て同年代の友人たちと交流し、議論をしたり、映画や演劇の感想を語り合ったり、自身の知識や経験をアウトプットする場を設けることは、脳を刺激し若々しさを保つ助けになります。 社会的なつながりや知的な刺激は、人間の成長や幸福感にとって非常に重要です。そのため、自由な時間を使って、新たな人々との出会いや交流を求めることが大切です。

これにより、新たな視点やアイデアを得ることができ、自身の人生に新たな意義や喜びを見出すことができるでしょう。 人生の後半においても、好奇心を持ち、新しい体験を積極的に求めることは、自己成長や幸福度の向上につながります。自由な発想や行動によって、高齢者の方々は心身ともに活気に満ちた充実した人生を送ることができるのです。 

人生の分岐点は70代にあると著者は言います。70代の生き方や選択が、人生の後半戦を大きく左右する要素となります。80代になっても知的好奇心を持ち、豊かな人間関係を築いている人々は、70代を自由奔放に、活力に満ちた時期として充実させた結果かもしれません。

70代を自由で活力に満ちた時期として過ごすことは、人生の後半生を充実させるための重要な選択です。自身の興味や情熱に従い、新たな挑戦や経験に積極的に取り組むことで、人生の質や満足度を高めることができるでしょう。

脳は使えば使うほど活性化し、年をとったからといって必ずしも前頭葉の機能が衰えるわけではありません。むしろ、意欲的な人々は、人生経験を生かし、より創造的な活動に取り組むことができるという良い証拠と言えます。

脳は可塑性を持っており、継続的な学習や認知的な刺激によって機能を向上させることができます。年をとっても、新たな知識やスキルを習得し、脳を刺激することで、認知機能の維持や改善が可能です。

年齢に関係なく、興味や意欲を持ち、知的な刺激を求めることは、脳の活性化や創造性の向上につながります。継続的な学習や挑戦、社会的な交流など、様々な活動を通じて自己成長を促進することは重要です。 したがって、年をとっても意欲的に活動し、前向きな思考を持つことは、脳の健康と活性化を促し、創造的な活動を可能にする良い証拠となるのです。

70歳を越え、楽しく充実した暮らしを送り、毎日に幸せを感じている人は「幸齢者」。こんな呼び方なら、温かみや年をとることへの希望も感じられるでしょう。幸せな晩年を過ごして、人生を全うしたい。私たちが目指すべきは、年齢を重ねてなおがまんし続ける日々を送る高齢者ではなく、こうした「幸齢者」なのではないでしょうか。私は、これからの日本に、この言葉と考え方を広めたいと強く願っています。

これまでの人生経験を生かし、充実した人生の後半戦を送るためには、自分自身の意欲とチャレンジ精神を大切にすることが重要です。

「幸齢者」になるための「マインドリセット7カ条」

「幸齢者」になるために、次の「マインドリセット7カ条」を実践することが必要です。
第1条 勝ち負けで考えない
第2条 試してみないと答えは出ない
第3条 「かくあるべし」思考は棄てる
第4条 いまを楽しむ
第5条 人と比べない/高齢者による高齢者差別はしない
第6条 自分で答えを出す
第7条 人目は気にしない 高齢者がマインドリセットし、

高齢者が幸せになること、豊かに生きることは、日本経済にとって大きなメリットです。幸せな高齢者が貯め込んだ個人金融資産を使うことで、日本経済は活性化します。お金を使わないまま亡くなる高齢者が増えていると言います。

平均寿命の延長に伴い、長く健康に暮らせることが期待されますが、現実的には高齢になるほど体力や気力が衰え、「遊ぶ」ことができる時間や余裕も減っていきます。

一方で、余生の質を高めるためには、人生の中で積極的に楽しい体験をすることが大切です。例えば、その人にとって楽しい趣味を見つけて毎日続けることや、旅行や趣味のイベントに参加することなどが挙げられます。

また、散財してしまうことや、後悔することを防ぐためには、老後資金の計画を立てておくことが必要です。自分にとって生活に必要なお金と、余暇を楽しむためのお金を賢く使い分けることが大切です。

認知症や体調不良になってからでは自分の人生を思い返すことも難しくなります。生きているうちに、自分の人生に満足しているか、後悔していることは何かを考えて、今から始めることが大切です。自分らしい人生を送るために、今から行動することをお勧めします。お金も大事ですが、後悔しない人生のためには思い出作りも大事です。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)にも書かれていましたが、金を無駄にするのを恐れて、やりたいことを先延ばしにするのはやめましょう。そのときにしかできない体験にお金を使い、後悔しない人生を送るのです。DIE WITH ZERO関する記事はこちらから

年をとるにつれて、一部の人は保守的な思考になり、新しいことに挑戦することを避ける傾向があるかもしれません。自身の年齢や社会的な期待に基づいて、「もう年だから」といった言い訳を作り、新たな挑戦を回避してしまうのです。

しかし、年齢によって自動的に保守的な思考にならなければならないわけではありません。年齢は経験を積み、知識や洞察力を深めることができる貴重な要素です。それによって、新たな挑戦や成長の機会を生み出すことができるのです。 自身の挑戦や成長を制限する「かくあるべし」という基準を勝手に作ることは、自己成長や新たな経験の可能性を制約することにつながります。

新しいことに挑戦することや自身の興味に従って行動することは、年齢に関係なく人生の豊かさや充実感を追求するために重要です。 年齢による制限や言い訳にとらわれず、自分自身が興味を持ち、情熱を持って挑戦することで、脳を元気にできますし、たくさんの思い出もつくれます。こういう生き方をすることで、高齢者にありがちな後悔を減らせそうです。

自由な思考と行動によって、より充実した人生を築くことができるのです。高齢者になっても経験にお金を惜しまないことで、より豊かな人生を送れるようになります。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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