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「売り方」のオンラインシフト デジタル起点でリアルでも勝つ!
著者:玉井博久
出版社:翔泳社
本書の要約
デジタルマーケティングが進化する中で、マーケティングは今後4Pから7Pにシフトします。マーケティングの7Pとは、パーパス、ポスト、ページデコレーション、ピュア、パーソナライズ、パーティシペーション、パフォーマンスの7Pを実践することで、モノやサービスが売れるようになります。
マーケティングは4Pから7Pにシフトする
マーケティングの7Pとは、パーパス、ポスト、ページデコレーション、ピュア、パーソナライズ、パーティシペーション、パフォーマンスの頭文字をとった新しい概念です。(玉井博久)
ニューノーマルな時代になり、マーケティングのオンライシフトが急激に進んでいます。しかし、Webサイトをつくり、商品を並べるだけでは、モノやサービスは売れません。
著者の玉井氏は広告会社側(リクルート、TUGBOATグループ)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方を経験しています。デジタルを活用した顧客体験(CX)を高める施策を数多く手掛ける中で、マーケティングを7Pで整理するとよいと気づきます。
マーケティングの7Pを実践することで、モノやサービスが売れるようになります。
①商品をパフォーマンス(成果)として提供できるように開発する。
②その商品に対する専門的知識または熱量をオンラインにポスト(投稿)する。
③商品購入ページをデコレーション(デジタル接点)してお客様の購入をオンライン上で促す。
④お客様のデータに沿ってパーソナライズ(個別化)したオファーを行う。
⑤参加費をいただきながら何らかのプログラムへのパーティシペーション(参加)を促す。
⑥これら全てはパーパス(意義)に則ったものになる。
⑦売上利益のためではなく、本当にお客様の役に立つというピュア(純粋)な行動が前提となる。
また、著者はオンラインで売れる仕組みをつくるためには、次の3つの要素を押さえておく必要があると言います。
・ミーニングフル(意味のあるモノ・コト)
・エンゲージメント(お客様との関係性づくり)
・セルフディフェンス(安心・安全)
商品やサービスをスペックや機能性で訴求するのではなく、カスタマーサクセスを意識し、ファンを基軸にマーケティングを行うようにします。プロとしての専門知識を熱量を持って発信することで、課題を持っている顧客に見つけてもらえるようになります。
フロー・ストック・リアルタイム情報でコミュニケーションを設計する。
企業がこれまで商品開発に使っていたプロとしての専門的知識を、生活者にコーチングするサービスへとレバレッジしていくことができます。これまで何らかのモノを開発してきたプロフェッショナルである企業は、専門的立場でお客様とつながり、サービス提供ができるわけです。それによりカスタマーサクセスを実現することができます。
カスタマーサクセス、お客様を喜ばす視点で、自社のパーパス(存在意義)を再定義し、マーケティングを7Pの視点で捉え直します。
自分たちの専門的知識を熱量を持って発信することで、新たな顧客と出会えます。意味あるコンテンツをオンラインに投稿し続けられる企業が、顧客とつながれるようになるのです。
ユーチューブの1つの動画がきっかけになり、顧客との関係がスタートすることが増えています。顧客がその動画に興味を持てば、他にどんな投稿があるのかを能動的に探すようになります。そのためにもアーカイブされた投稿がなければならず、専門的知識と熱量を伝え続ける必要があります。
顧客のデータを提供してもらうことで、顧客との関係を深掘りできます。自ら積極的にデータを提供してもらうために、企業は信用を貯めていかないといけません。信用貯蓄を進めるためには社内の指標の在り方、行動を変えていく必要があります。
①心揺さぶられたお客様を、一人ひとり理解しながら接する。
②ファンを少しづつ増やす。
③他のファンとつながる機会を築いていく、ひいてはファンが新しいファンを連れてくる
この3つのステップによって、参加者の熱量が高まり、ファンコミュニティが大きくなります。
コンテンツはテキスト、音声、画像、動画の組み合わせで作られます。投稿の頻度は高ければ高いほど良いと考えます。 投稿する際に気を付けたいのは、フロー情報、ストック情報、リアルタイム情報を意識することです。
ツイッターやフェイスブックはフロー情報です。一方ユーチューブはストック情報で、インスタグラムのストーリーズはリアルタイム情報です。
ストック情報型のユーチューブはお客様と商品との関係構築がしやすくなります。ユーチューブは過去にアップされた動画を探しやすい一方で、ツイッターに投稿された過去のツイートを探すことは難しいものです。
情報をフローとして届けるか、ストックしておくべきか、リアルタイムで届けるかを考えることで、必要な人に必要な情報が届く設計にできます。専門的情報と熱量を、テキスト・音声・画像・動画の組み合わせで、フロー情報、ストック情報、リアルタイム情報として、継続して投稿することで、お客様との出会う機会を増やしていきます。
BtoBにおいてもこの手法が使えます。専門的知識をストック型のSNSに投稿しながら、リアルタイム型のウェビナーを開催することで、見込み客の発掘が可能となります。興味を持った方は確実に検索をしてくるので、その時にその顧客との商談チャンスを逃さないように、サイトの構築をしっかりと行い、デジタルでの接点を強化しましょう。
本書には、型破りのマーケティングをしてきたヤッホーブルーイングとマーケティングはしないというスノーピークの2つの事例が紹介されています。次回はこちらを紹介しようと思います。
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