「弱い紐帯の強さ」という言葉を最近では頻繁に聞くようになりました。
1973年にスタンフォード大学の社会学者
マーク・グラノヴェッター (Granovetter) が
「The strength of weak ties」という論文で
発表した社会的ネットワークの概念です。
このグラノヴェッターの「弱い紐帯の強さ」こそ
正にソーシャルメディア時代に正にフィットした言葉なのです。
マーク・グラノヴェッターは、1970年に
ボストン郊外に住む282人のホワイトカラーの男性に
就職についての調査を行いました。
彼らに現在の職を得た方法を聞くと
56%が人的ネットワークを使って仕事を見つけたと答えたのです。
そしてそのうち16%が親しい人たちから情報を得ていたのですが
驚く事に残りの84%の人は、どちらかというとつながりが薄い人から
仕事を紹介され、満足度なども高かったと言います。
そこでグラノヴエッターは、このようなあまり親しくない関係を
「弱い紐帯」と呼び、その重要性を公にしたのです。
異なるコミュニティに属している人との情報交換で多くの出会いをデザインできると
このブログでも書き続けていますが
同じ世界に生きている人に就職のお願いをするよりも
違うコミュニティの人に相談した方が
ネットワークが格段に広がるのため、就職の可能性が高まるのです。
会社や学校の仲間はだいたいが自分と同じような環境の人であるため
仲間も同じような人となり、知っている情報も似てしまいますから
違う環境(=弱き紐帯)とのコミュニケーションが意味を持つのです。
生活環境や価値観、付き合い、会社や職業、年齢なども異なるコミュニティから
多くの新しい情報がもたらされてきます。
私が代表を勤めるソーシャルおじさんズも弱い紐帯なのですが
年齢は36歳以上と決めているのですが、中国やアメリカに住むメンバーや
違う職業のメンバーの方々から日々いろいろな情報をもらえるようになったのです。
自分の考えや夢を宣言、アウトプットすることで
それがソーシャルメディアやリアルの口コミを通じて伝播していくのです。
ソーシャルメディアによって形成される社会ネットワークにおいては、
古くからの友人などの強い絆で結ばれている人物よりも
TwitterやFacebookで知り合ったような弱い絆で結ばれた人物のほうが
あなたに新しい価値を見いだしてくれて、面白いことを運んできてくれるのです。
日々ソーシャルメディアでコミュニケーションをしている弱い紐帯の友達の方が
会社の仲間や学生時代の友人よりも
最近の自分のことを詳しく知っていますし、可能性を感じてくれるのです。
違うコミュニティの友人のその先には、また別の多くのネットワークが存在していて
そこにまで、その友達経由でリアルタイムに情報が届くようになりました。
このネットワークにはアウトプットこそが最高の武器になるのです。
昨年、朝活の書籍を出版するときに共著の小川晋平さんと
書籍の企画をする中で、多くの朝活仲間と出版することを決めました。
小川晋平さんのソーシャリアルのネットワーク経由で
私の知らなかった多くの朝活仲間に出会え、電子書籍のプロジェクトがスタートし
あっという間に書籍の出版ができたのです。
おまけに、このご縁から富山の朝活仲間の永吉隼人さんにも出会え
富山の朝活でお話しする機会もいただけました。
チャンスや出会いは本当に弱い紐帯から生まれてくるようになったのです。
家族や会社のメンバーを大事にすることは当然なのですが
ソーシャルメディア時代を生き抜く上では、弱い紐帯もしっかりと意識したいですね。
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