脱東京 仕事と遊びの垣根をなくす、あたらしい移住(本田直之著)の書評

これからの時代、自分のオリジナリティやブランドを持っていることが重要になりますし、そういう人はどこでも生きていくことができます。もちろん、ベースになる高い能力は必要です。能力がある人が地域に移住することで、より能力が高まる。しかも、おもしろい生き方をしているので、「この人にちょっと仕事を頼んでみようかな」と思ってもらえるのです。(本田直之)

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本田直之氏の脱東京 仕事と遊びの垣根をなくす、あたらしい移住を読了しました。
インターネットやクラウドサービスの普及で
私たちは以前ほど場所を気にせず仕事ができるようになりました。
リーマンショックや東日本大震災で人々の意識も変わり
幸せに対する考え方もモノ中心から心の満足へと変わってきました。

そんな中、東京で暮らさなくても大丈夫というコンテキストが生まれ始めています。
東京から拠点を移して、地方で働く人が増えているのです。
本書はそれを脱東京と表現し、成功者の体験談とともに私たちに示してくれています。
ちなみに著者の本田氏も2004年からハワイと東京のデュアルライフを送りながら
世界中を旅し、情報発信を続けています。
環境が変わったのだから、もっと自由に生きてみたら?という
著者のメッセージには共感します。

多くの人は東京を離れて、生活できるのかと不安に思うことでしょう。
かくいう本田氏も、最初は収入減を覚悟したと言いますが
移住することで、多くのチャンスが生まれ、杞憂に終わったそうです。

その頃(2004年)よりも、時代はどんどん変化しています。
スカイプ、ハングアウトやソーシャルメディアを活用すれば
コミュニケーションコストをかけずに行えるようになってきました。
LCCなど移動コストもこの数年で大幅に下がるなど、経費は少なくなっています。
地方は家賃や食費が安いというメリットもあるので、収入が多少減っても暮らせます。
逆に、行動した人は、「移住した人」という新たなブランドを手に入れることで
今までとは異なるビジネスを行えたりもします。

インターネットのお陰で、距離を気にせずそれほどコストをかけずにビジネスが出来る時代になりました。たとえ少人数であっても、ある程度の企業レベルでリソースを持つこともできますし、業務をアウトソーシングすることもできます。大きな投資も大きな組織も必要としなくなったのです。個人の力が強くなったのもあるでしょう。SNSなどのソーシャルメディアを利用すれば、個人で情報を発信することができます。さらに、LCCの台頭による移動コストの削減もあり、どこにいても仕事が出来る環境が整ってきたのです。

私の仲間もどんどんこの環境を利用して
日本だけでなくアジアやアメリカに移住して起業しています。
あるいは、移住はしなくても、様々なエリアでのビジネスにチャレンジしています。
特に、この数年で私の周りでは、加速度的に人々の移動が増えている気がします。

実際、私も昨年からドバイに頻繁に出かけていますが
ネットとソーシャルメディアのおかげで、ビジネスにほとんど影響がありません。
逆に、ドバイからの情報発信によって、私のブランディングは強化され
全く違うタイプの相談が増えるなど、ビジネスにも良い影響を及ぼしています。

あたらしい移住では、ほとんどの人が、一人でいくつもの仕事をしています。二足、三足のわらじを履いており、肩書が一つでない人も多いのです。(途中省略)あたらしい移住者たちは、みな自立しています。行政だけでなく、他人に依存することなく、能動的に動きます。そのため、自らが中心になって、町おこしに貢献している人も多くなってきたのです。

他所者、バカ者、若者が地域を変えるという言葉が本書で紹介されていますが
今の現状を考えると、東京一極に囚われないほうが
面白い人たちに出会え、新たなプロジェクトを生み出せる可能性が高まる気がしています。
アジアやドバイで出会った人たちとのコミュニティから
多くのシーズが次々生まれていることを考えてみても
移動には、相当魅力があることを、私は実感しています。

私たちは、好きなときに、好きな場所に移動しながら
楽しく仕事ができる自由な時代を生きているのです。
自分の好きなことを世界中で実現できると思えれば、勇気をもらえます。

以下の移住先の18のクライテリアをチェックして
自分の夢の実現をどこで行うかを考えてみてもよいでしょう!

1、自分のライフスタイルを実現できる
2、物価が安い
3、気候がいい
4、受け入れてくれる土壌がある
5、人がいい
6、アクセスがいい
7、インターネット環境がある
8、自然がある
9、コンパクトシティ
10、歴史が守られている
11、文化の魅力
12、食がいい
13、仕事をおこしやすい
14、若者を登用している
15、医療面の安心
16、教育レベル
17、治安がいい
18、デザインを大切にしている

当然、東京に残るのも選択肢の一つです。
自分のやりたいことが、東京で実現できるのなら、それはそれで正しいのです。
今までは、夢の実現=東京(あるいはNY、PARIS)が基本だったのですが
環境と価値観の変化で、それが変わり始めていることを理解し
個人個人が、どこで働くかを決めればよいだけの話です。

住む場所は別に一箇所じゃなくてもよいと思えれば
人生はもっと楽しくなるかもしれません。
新しい働き方の一つとして、ローカルに移住することもありかもしれませんし
いろいろな国を回りながら、ビジネスをするのもよいかもしれません。
自分のやりたいことは、世界中どこでもできるはずだと
頭を一回切り替えてみて、人生を見つめ直すのもありだと思います。
環境が変わってきたのだから、それにあわせて
自分の夢を整理してみるのもよいかもしれません。

一箇所に住み続ける?
好きなところに移住する?
世界を動き回る?など選択肢は、確かに多くなっています。
本書を読むことで、そのヒントがたくさん見つかるはずです。
移住者のインタビューを読むことで、地方での生活やビジネスがイメージできます。
働き方、ライフスタイルがこの日本でも多様化していることを
理解できる一冊だと思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

   

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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