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科学的に自分を変える39の方法
著者: 堀田秀吾
出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
本書の要約
プレッシャーを感じたら、「リアプレイザル(Reappraisal)」というテクニックで乗り切りましょう。ストレスを感じたら、「楽しくなって来たぞ!」「興奮してきたぞ!」というポジティブな言葉を発することで、脳を騙せ、目の前の状況を楽しめるようになります。
リアプレイザルでプレッシャーを乗り切ろう!
プレッシャーに弱い性質は、改善したほうが生きやすいはず。(堀田秀吾)
堀田秀吾氏の科学的に自分を変える39の方法の書評を続けます。仕事にプレッシャーはつきものです。私は広告会社に勤めていたので、年に数回大きなプレゼンをやらなければなりませんでした。大口のクライアントのアカウントを維持するためのプレゼンの前は、緊張して、絶えずストレスを感じていました。場数を踏んで本番慣れしていくのは確かに有効ですが、それ以外にも方法はあります。私は以下のメソッドを学んでから、プレッシャーに強くなりました。
ハーバード大学のアリソン・ウッド・ブルックスが行った実験では、300人の被験者をいくつかのグループに分けて「採点付きカラオケ」「2分以上の人前でのスピーチ」「数学のテスト」などを実施してもらいました。そして、それぞれを実施した際に、「私は不安だ」「私は興奮している」「私は落ち着いている」「私は怒っている」「私は悲しい」のように声に出して言わせました。すると、「私は興奮している」と述べたグループは、カラオケでは正確性が上がりました。スピーチでは説得力、能力、自信、持続性などの評価が上がり、スピーチの長さも伸びました。そして、数学のテストでも最も好い成績を残したのです。
自分の感情の解釈を変えることで、人は結果を出せるようになります。これは「リアプレイザル(Reappraisal)」というテクニックで、緊張した時に効果を発揮します。reは再びで、appraisalには評価という意味があります。自分の感じている感情を再評価して、意味づけを変えることで、目の前の緊張をほぐせます。
嫌な状況に陥ったら、ポジティブな言葉を発する!
不安と興奮は、脳にとっては同じもの。緊張がピークに達したとき「興奮している」と口にすると脳を騙すことができるのです。
脳は不安と興奮の区別ができません。物事をどう受け止め、意味づけするのかは自分次第なのですから、これからやることを楽しむようにすべきです。緊張している時には、間違っても「落ち着け!」とは言わないようにしましょう。「落ち着け!」という言葉が、脳に悪影響を与えることが、ブルックスの研究結果から明らかになっています。
このリアプレイザルが使いこなせるようになれば、感情のコントロールもしやすくなり、緊張や不安感を「楽しみ」ながら、やっつけることが可能になります。無理に「落ち着こう、落ち着こう」とせずに、楽しい興奮状態を意識することで、脳が騙され、平常心で物事に臨めるようになります。
自分の捉え方を変えるだけですから、様々な場面に応用できます。困難な状況に直面したら、自分を成長させてくれるチャンスだと考えることで、行動する勇気をもらえます。ピンチになった時には、自分の気持ちをポジティブにする言葉を発することで、その嫌な状況を打破できます。
リアプレイザルは使えば使うほど、プレッシャーに強くなれます。私もこのテクニックを身に付けることで、緊張から解放され、プレゼンやセミナーを楽しめるようになりました。「興奮している!」と口にすることで、結果を出せるようになるのです。
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