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不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀
著者:マーク・ランドルフ
出版社:サンマーク出版
本書の要約
夢を実現したければ、まずはそのアイデアを行動に移すべきです。未来は誰にもわからないのですから、アイデアがいけるかどうかを知りたければ、実行することしかありません。一生かけて考えるより、1時間やってみるほうが多くを学べますから、最初の一歩を踏み出す必要があります。
成功したければ、不要なタスクと固定費を削減せよ!
私たちには実効性のあるビジネスモデルがあった。ネットフリックスのサブスクリプション契約は1ヶ月19.99ドルで、サービスの提供コストを差し引けば平均4ドル以上残った。取引ごとに利益が出る。経済学の基本だ。(マーク・ランドルフ)
マーク・ランドルフの不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀の書評を続けます。ネットフリックスはホーム・レンタル・ライブラリとサブスクリプションモデルをスタートすることで、顧客からの圧倒的な支持を得ます。
しかし、この成功には大量のキャッシュが必要でした。新規顧客が勢いよく流れ込んでくるほど、キャシュが勢いよく出て行ってしまうのです。ネットフリックスのビジネスモデルは潜在顧客に説明するのが難しいのですが、サービスを試せばハマってくれるのはわかっていました。そこで、サービスを利用してみようという人全員に初月無料を提供したのです。
ネットフリックスはサブスクリプションサービスであったため、申し込み時に年間利用料を請求するのではなく、月ごとに少額課金していました。これらの条件が重なって、キャッシュフローは悪化していったのです。最初の無料トライアルのコストは全額同社が負担しなければなりませんし、支払いに充てるお金は毎月少しずつしか入ってきません。顧客獲得のペースが上がるほど、最初にかかるコストが月額課金として回収する少額の売上を上回っていったのです。
ここで彼らは宿敵ブロックバスターにアタックします。ようやく相手との面談が設定されましたが、ブロックバスターからは全く相手にされず、彼らを倒すことが次の目標になりました。そして、無駄なタスクを徹底的にそぎ落とし、最終的に固定費を削減するためにレイオフを断行します。
つらかった9月のレイオフから数週間、数カ月が経つうち、あることに気づき始めた。会社が上向きになっている。効率が改善し、創造性が向上し、決断力が上がった。スタッフをふるいにかけたおかげで会社はスリム化し、集中力が増した。もう無駄にできる時間はなかったから、私たちは時間を無駄にしなかった。十分に優秀な人々をレイオフしなければならなかったのはたしかだが、それだけに残った社員はスーパースターぞろいだった。スーパースターばかりで仕事をするのだから、仕事の質がきわめて高くなるのは当然だ。
スタートアップは、少数の献身的な人々の集中力と献身と創造性のおかげで事業が軌道に乗ると、会社を大きくするために採用をします。しかし、オフィスや人件費の固定費問題が起こり、会社は一旦縮むことが多いのです。
レイオフによって、スタープレーヤーだけを会社に残せば、競争しながら力を磨く文化が醸成されます。自分が選りすぐりのエリート集団の一員だという自覚があれば、仕事はもっと楽しくなります。成功したベンチャーは多くの困難を乗り越えていきますが、良いチームを作れれば、大概の問題を解決できるのです。その後、ネットフリックスはナスダック市場に上場し、GAFAと並ぶ存在になりますが、創業者のマークは上場後すぐに、リードと対立し会社を去る道を選びます。
夢を実現する方法
夢を現実に変えるために取れる最強の手段は簡単、とにかく始めてみればいい。アイデアがいけるかどうか本当にわかる唯一の方法は実行することだ。一生かけて考えるより、1時間やってみるほうが多くを学べる。だからこの一歩を踏み出してほしい。
何かをスタートした時に、相手が口をそろえて言うセリフは?「絶対うまくいかない」ですが、その言葉を信じると夢を実現できなくなります。「先のことは誰にもわからない」のですから、自分のアイデアを形にし、人からフィードバックを受けるようにすべきです。実際、ネットフリックスはマークのこの方法を今も続け、ファンを同社の虜にしています。
夢を実現するためには、愚直になり、粘り強くなることです。たとえ、アイデアがうまくいかなくとも、問題は何かしらの方法で解決できます。テストとフィードバックから仮説を作り直し、再度、行動を続けるうちに、結果は少しづつよくなります。何十回とトライしても何百回やってみても、まだ夢が実現にほど遠か
アタリの創業者のノーラン・ブッシュネルの言葉が、本書の最後に紹介されています。夢を現実に変えるためには、最初の一歩を踏み出さなければなりません。
誰でもシャワーを浴びながらアイデアを思いついた経験はある。だが世の中を変えるのはバスルームから出て体を拭き、実際に行動に移す人間だ。(ノーラン・ブッシュネル)
バスルームでアイデアが浮かんだら、すぐに体を拭き、実際に行動に移せばよいのです。マークは夢を実現し、世の中を変える人を増やすために、本書を書いたのです。
「目標を達成し、夢を実現し、家族の愛から心の栄養をもらう。お金じゃない、ストックオプションでもない。これが成功ではないだろうか」という著者の言葉が響きました。ネットフリックスを途中で去ることになったマークですが、ネットフリックスの創業という激務の中で、家族との関係をしっかりと築きました。「成功とは自分が何をなしたか」だという定義すれば、マークが成功者であることは間違いありません。
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