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GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ―万全の体調で生き抜く力
著者:マックス・ルガヴェア
出版社:東洋経済新報社
本書の要約
私たちの家庭には有害な化学物質が溢れており、健康に悪影響を与えています。私たちの身の回りにあるプラスティックには、特に注意を払う必要があります。プラスチック化合物のビスフェノールとフタル酸エステルによって、私たちの健康が損なわれることがわかっています。
家庭内の有害な化学物質に注意を払おう!
ホルモンはごく微量で、私たちのからだにそれくらい強力な作用を及ぼす。そして、ホルモンに予期せぬ変化が加わった時には、私たちのからだはその影響を受けやすくなってしまう。あなた自身は感じることも見ることもできないが、家庭に入り込んだ工業化学物質は、いったん体内に取り込まれると、細胞のホルモン受容体を活性化することによって、ホルモンの作用を模倣する。そして、体内で生成された本来のホルモンの働きを阻害する。そのような化学物質を「内分泌撹乱物質」(環境ホルモン)と呼ぶ。(マックス・ルガヴェア)
GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ―万全の体調で生き抜く力(マックス・ルガヴェア著)の書評を続けます。今日は有害な化学物質を見極め、そのリスクを劇的に減らす方法を学びたいと思います。私たちの家庭には有害な化学物質が溢れており、健康に悪影響を与えています。
「内分泌撹乱エクスチェンジ」という非営利組織では、これらの化学物質を追跡して、消費者の意識を高める活動に取り組んでいます。彼らによれば、同様の作用を持つ化学物質は1400以上にのぼり、現代人はそのような化学物質に日々、囲まれて生活して言います。
私たちの身の回りにあるプラスティックには、特に注意を払う必要があります。プラスチック化合物のビスフェノールとフタル酸エステルによって、私たちの健康が損なわれることがわかっています。
■ビスフェノール→プラスチックを硬くする。
家具や哺乳瓶、缶詰の内側のコーティング、プラスチック製のフォークやスプーン、筆記用具に使われています。
■フタル酸エステル→プラスチックを軟らかくする。
使い捨てペットボトル、テイクアウト用の食品容器、プラスチック製の収納ボックスやタッパーウェア、衣料、産業用パイプ類やストローなどに使われています。
ビスフェノールのなかでも特に一般的なビスフェノールA(BPA)は、食品容器や再利用可能なウォーターボトルに使われていました。BPAの影響を懸念する声が大きくなると、多くのメーカーは、BPAの使用を取りやめて「BPAフリー(使用していない)」の製品を発売しました。
著者はフリーという表記に騙されてはいけないと言います。BPAの代替品として広く使用されている化学物質BPS(ビスフェノールS)にも、注意を払う必要があります。BPSの研究はBPAほど進んでいませんが、BPAと同様の影響があるとしています。
私たちが曝されるBPAの量は、それほど多くありませんが、それでもほかの内分泌撹乱物質と同じく、たとえ微量であっても大きな影響を及ぼします。アメリカ食品医薬品局は、BPAは安全だと主張していますが、世界的権威のある「アメリカ内分泌学会」は、低用量がもたらす有毒作用を政策立案者が見すごすか無視してきたと訴えています。政府の言うことを信じるのではなく、化学物質に注意を払い、極力それを避けるようにしましょう。
家庭内の有害物質と距離をおこう!
家庭内には、以下のような有害物質が溢れています。
■プラスチック容器によるレンジ加熱、温め直しは禁止。
加熱によってBPAとフタル酸エステルが食品中に溶け出しやすくなります。プラスチック容器を使った調理や熱い料理の保存は避けた方が無難です。
■プラスチック容器入りの食品や飲料はなるべく買わない。
自分の手元にたどり着くまで、そのプラスチック容器がどこに、どのように保管されていたのかはわかりません。トラックの荷台に積まれたまま、何日も、何週間も、何カ月間も日光を浴びるか、暑い環境でほったらかしにされていたかもしれません。
■缶詰や缶入り飲料をなるべく減らす。
缶の内面塗装にはよくBPAが使われています。缶入りの食品や飲料を一 切口にしないことは非現実的ですが、できるだけ避けるようにしましょう。
■真空調理を避ける。
真空調理は、食材をプラスチックの袋に入れて、真空パックごと湯で加熱調理する方法です。袋がBPAフリーであっても、別の化合物が使われている可能性は高いため、安全だという保証ありません。
■自宅で食事を楽しむ。
加工食品を提供する外食を避けるようにすべきです。1万人以上を対象にした調査では、外食した成人の翌日の血中フタル酸エステル濃度は、平均して35%も高かったと言います。青少年の場合は55%も高く、その原因はファーストフードの摂取にあると見られています。
■プラスチック製の保存容器をガラス製か陶器に変える。
■プラスチック製のフォークやスプーン、皿、カップはなるべく使わない。
■合成香料を使った製品を避ける。
合成香料にフタル酸エステルを添加した洗浄剤やパーソナルケア製品が数多く販売されています。合成香料を使った食器用洗剤、洗濯用洗剤、柔軟剤、芳香剤、脱臭剤、パーソナルケア製品を避け、無香料か、天然のエッセンシャルオイル(精油)を使った製品に切り替えましょう。
■古い容器は捨てる。
プラスチックは時とともに劣化しますから、何年も使っている古い容器は早めに処分しましょう。
■レシートは廃棄する。
感熱紙タイプのレシートにはビスフェノールが付着しているので、早めに捨てましょう。
■食生活を整え、口腔衛生を心がける。
フッ素化物配合の歯磨き剤は内分泌系を撹乱する恐れがあります。口腔衛生を心がけることで、それを使わずにすみます。
■非ステロイド性抗炎症薬(NSA-D)、アセトアミノフエン、抗コリン薬、抗生物質、胃酸分泌抑制薬の慢性的な服用をやめる。
著者は家庭内の有害物質をいくつも紹介していますが、自分の生活に意識を向け、成分をチェックすることで、それらと距離をおけます。脳の調子が悪いと感じたら、身の回りの環境をチェックすることで、原因がわかることがあります。健康を取り戻したければ、自分の周りの有害物質を減らすべきです。
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