ビタミンDが脳の老化を防いでくれる理由

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GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ―万全の体調で生き抜く力
著者:マックス・ルガヴェア
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

ビタミンDには、脳と循環器系の健康を改善し、がんの発症リスクを減らし、自己免疫を改善あるいは予防する効果が期待されています。食事からだけでなく、積極的に太陽の光を浴びて、ビタミンDを取るようにしましょう。また、冷水シャワーを浴びることで、ストレスにも強くなり、心の健康を取り戻せます。

脳の老化を防ぎたければ、太陽の光を浴びよう!

すばらしい自然に触れることは単なる気晴らしではなく、「ジーニアス・ライフ」を送るカギなのだ。広大で予測のつかない自然は、私たちの脳とからだに、いつもとは違う体験を味わわせてくれる。ちょっとした遠出でも、免疫系の働きを促し、ストレスを減らし、代謝も高めてくれる。幸せな気分にしてくれ、不安も追い払ってくれる。脂肪を落とし、アンチエイジングの効果まで期待できるかもしれない。(マックス・ルガヴェア)

GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ―万全の体調で生き抜く力(マックス・ルガヴェア著)書評を続けます。今日は、太陽の光を浴びることの重要性を学びたいと思います。

太陽の光を浴びることで、概日リズム維持することができ、健康的な日々を送れるようになると著者は言います。日光には生活リズムを整える以外に、皮膚でビタミンDを合成する役割があります。 充分な量のビタミンDを合成するのは簡単だと考える方は多いと思いますが、実際には、アメリカ人の約42%はビタミンD不足であることがわかっています。

日焼け止めの使いすぎや、1日の93%の時間を屋内や車内で過ごすことで、彼らはビタミンD不足に陥っています。ビタミンDは脳や心臓、免疫系ばかりか、老化の進行速度にも影響を及ぼします。

ビタミンDは血液中に入ると、体細胞の受容体と結合します。ビタミンDの受容体は、全遺伝子の5%に当たる約1000の遺伝子発現に影響を与えます。脳にもたくさんのビタミンD受容体があります。ビタミンDは、脳内で抗酸化レベルを調節し、酸化ストレスを中和して緩和します。アルツハイマー病やALS(筋萎縮性側索硬化症)に伴う、神経細胞の過剰な活動も抑制します。

また、ビタミンDは、免疫細胞を刺激してアミロイドβを除去します。アミロイドβは、脳内に蓄積してプラーク(老人斑)をつくることで、アルツハイマー病を引き起こすと考えられているタンパク質です。最近のメタ分析によると、アルツハイマー病の最大の環境リスク要因として、ビタミンD不足であることがわかっています。

健康で血中ビタミンD濃度が正常な人の場合、歳を重ねても認知能力 が高く、その低下速度も2~3倍遅いのです。プラセボを用いた少人数の実験では、血中ビタミンD濃度の低いアルツハイマー病患者に、1日わずか800IUのサプリを12カ月間処方しただけで、症状の進行を防げました。

約4000人の成人を対象にした大規模な調査において、ビタミンDが不足すると、その後の4年間で抑うつの発症リスクが75%も増加することがわかっています。ビタミンDは神経伝達物質の生成と調節を助けます。そのうちのひとつがセロトニンであり、この神経伝達物質が不足すると抑うつ症状が現れます。もし気分が落ち込むようなら、もっと太陽の光を浴びるとよいと著者は言います。

ビタミンDの取り入れ方

太陽の光を浴びて合成したか、サプリで摂取したかに関係なく、ビタミンDは次のふたつの最前線で動脈硬化と戦ってくれる。高血圧の軽減と、慢性的な炎症の抑制である。

自然と触れ合う人は、血圧が低く、炎症も軽度で、動脈は弾力性に富んでいます。ホワイトカラーと自然に触れ合うう時間が多い人の違いを生む要因はたくさんありますが、日光を浴びることで、ビタミンDを皮膚からつくれるようになります。

古代には2型糖尿病、がん、アルツハイマー病は稀で、心臓疾患も比較的少ない症状でしたが、現在では、世界中で数億人がこれらの病に苦しんでいます。ビタミンD不足は、炎症に悪影響を及ぼすことで、疾患の発症に関与している可能性があります。 多発性硬化症や炎症性腸疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患は、たいていビタミンD濃度が低い人がなりがちです。

太陽の光を浴びるのは、ビタミンDを増やす理想的な方法です。自然から距離を置くのをやめ、太陽の光を積極的に浴びるようにしましょう。

ビタミンDはキノコ類、鮭、カレイ、しらすなどに多く含まれています。ビタミンDはサプリからも摂取できますが、摂取する際は、ビタミンD3のサプリを必ず選んだ方がよいと言います。

2014年に32件の研究をメタ分析したところ、がんや心臓疾患など、さまざまな原因による早期死亡のリスクが最も低かったのは、ビタミンDの血清25(OH)D濃度が40~ng/mlの時であることが明らかになりました。5ng/mlに達すると、認知能力にもよい効果を及ぼしました。これをビタミンDの摂取量に換算すると、ほとんどの人にとって1日2000~5000IUが、先の範囲をクリアすることになります(日本では4000IUまでとされる)。

私たちの祖先は厳しい自然環境で過ごし、ストレスを乗り越えてきました。その手法を普段の生活に取り入れることで、マインドと体をより強くできます。低温ストレス(冷水シャワー、氷浴、海や川での長距離水泳、クライオセラピーなど)には、注意力を高め、気分を爽快にする効果があります。

また、からだを冷温に曝すと非ふるえ熱産生が起き、代謝を高め、力ロリーを燃焼します。高温は熱ショックタンパク質を活性化させ、ほかのタンパク質の働きを支え、神経変性疾患の予防にも役立つちます。

ビタミンDには、脳と循環器系の健康を改善し、がんの発症リスクを減らし、自己免疫を改善あるいは予防する効果が期待されています。食事からだけでなく、太陽の光を浴びて、ビタミンDを積極的に取るようにしましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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