「ずっとお金持ち」の人 成金で終わる人 (岩佐孝彦)の書評

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「ずっとお金持ち」の人 成金で終わる人
岩佐孝彦
日本実業出版社

「ずっとお金持ち」の人 成金で終わる人 (岩佐孝彦)の要約

税理士の岩佐孝彦氏は、今後30年間において「資産防衛」が経営者のキーワードになると言います。この見解は、単に富を築くだけでなく、それを長期的に維持することの重要性を示しています。「ずっとお金持ちでいられる人」が「資産防衛ができる人」で、反対に「成金で終わる人」を「資産防衛ができない人」なのです。

蓄財の方程式を実践しよう!

蓄財の方程式は「(収入-支出)×運用率=資産」。収入がいくらであろうと、収入以下で暮らすことを鉄のルールとしよう。 (岩佐孝彦)

税理士の岩佐孝彦氏の「ずっとお金持ち」の人 成金で終わる人は、単なる成功哲学書ではありません。この本は、長期的な視点で財産を管理し、世代を超えて富を維持する方法を詳しく解説しています。 著者の岩佐氏は、お金を稼ぐことだけでなく、それを適切に守り、増やすことの重要性を強調しています。

著者は、お金を稼ぐことだけでなく、それを適切に守り、増やすことの重要性を強調しています。特に注目すべきは、いくら多くの収入があっても、適切な管理方法を知らなければ、その富は驚くほど早く消えてしまうという厳しい現実です。

本書の核心部分には、蓄財の基本となる重要な方程式が示されています。「(収入-支出)×運用率=資産」というこの方程式は、富の構築と維持の本質を簡潔に表現しています。この方程式は、収入と支出の差額(つまり、貯蓄)に加えて、その貯蓄をいかに効果的に運用するかが重要であることを示しています。

岩佐氏は、この方程式に基づいて、「収入がいくらであろうと、収入以下で暮らす」ことを鉄のルールとして提唱しています。この原則は、一見シンプルですが、実践するには強い意志と自制心が必要です。また、「収入以下で暮らす」習慣を子供のうちから身につけさせることが、将来の資産防衛につながると説いています。

『収入がいくらであろうと、収入以下で暮らす』という鉄のルールをどんなときでも徹底する訓練をさせるべきでしょう。これが子供を老後貧乏にさせない資産防衛術のキモです。 ずっとお金持ちの人は、たとえ苦しいときでも、毎月必ず1円でも黒字にするように努めます。わずか1円でも、毎月、毎月、残高が増えていくことを死守します。

さらに興味深いのは、「毎月必ず1円でも黒字にする」という考え方です。これは、金額の大小ではなく、継続的に資産を増やす姿勢を重視するものです。この習慣は、長期的には大きな違いを生み出す可能性があります。

高収入を得たからといって、それだけで安泰ではありません。むしろ、急激な収入増加は、しばしば浪費や不適切な投資につながり、結果として富の急速な消失を招くことがあります。本書は、このような落とし穴を避け、持続可能な形で富を守り、育てていく方法を提示しています。

また、資産運用や資産防衛の本書の事例を読むことで、自分たちが何をすべきかがよくわかります。特に注意が必要なのは、複雑な税金の問題です。ビジネスの成長に伴い、税務の複雑さも増していきます。この分野においては、専門家の力を借りることが非常に重要です。

税理士や会計士などの専門家は、最新の税法や規制に精通しており、ビジネスにとって最適な税務戦略を提案してくれます。彼らの知識と経験を活用することで、不必要な税負担を避け、合法的に節税することが可能になります。

起業家に必要な「Cool Head, but Warm Heart」という視点

ビジネスの投資判断は、確かに起業家にとって醍醐味です。ただし、リターンの見込めるところにはリスクもあるのが、ビジネスの宿命。たとえ心がGOを出していても、大きな投資をする際は、あえて1週間のタイムラグをおきましょう。熱が冷めないかを見きわめてください。1週間考えて、どうしても必要だと思ったときに使うお金、覚悟を決めた投資は・ビジネスを大きく成長させてくれるでしょう。

ビジネスの世界において、投資判断は起業家にとって最も刺激的な瞬間の一つです。新たな機会を見出し、それに賭けることで大きな成功を掴める可能性があります。しかし、その魅力的な機会の裏には常にリスクが潜んでいます。これはビジネスの宿命とも言えるでしょう。

多くの起業家は、魅力的な投資機会を目の前にすると、すぐにでも飛びつきたい衝動に駆られます。心が「GO」のサインを出しているのを感じるかもしれません。しかし、ここで立ち止まる勇気が必要です。特に大きな投資を検討している場合、1週間のタイムラグを設けることがよいと著者は指摘します。

この1週間の熟考期間は、非常に重要な役割を果たします。最初の興奮が冷めた後も、その投資の必要性を感じるかどうかを見極めることができます。熱が冷めてしまえば、それは単なる一時的な衝動だったのかもしれません。しかし、1週間経っても尚その投資の重要性を強く感じるのであれば、それは真に価値のある機会である可能性が高いのです。 慎重に検討を重ねた末に下した投資判断は、単なる衝動的な決定とは全く異なります。

十分な時間をかけて考え抜いた結果、どうしても必要だと確信できた投資こそが、ビジネスを大きく成長させる原動力となるでしょう。そのような覚悟を決めた投資は、単なる資金の投入以上の意味を持ちます。それは起業家自身の強い意志と信念の表れでもあるのです。

さらに、投資判断を行う際に忘れてはならない重要な視点があります。それは固定費を上げないという原則です。ビジネスの安定性と柔軟性を保つためには、固定費の管理が極めて重要です。新たな投資を検討する際も、それが固定費の増加につながらないかを慎重に見極める必要があります。

また、投資の是非を判断する上で重要なのが、「生き金」と「死に金」の見極めです。ビジネスの成長に直接寄与し、将来的なリターンが期待できる投資は「生き金」と言えます。一方、必要性が低く、リターンの見込みも乏しい投資は「死に金」となってしまいます。起業家は常にこの「生き金」と「死に金」を見極める目を持ち、限られた資金を最も効果的に活用する必要があります。

起業家に求められる姿勢は、「Cool Head, but Warm Heart」という言葉に集約されます。冷静な頭脳(Cool Head)で客観的に状況を分析し、リスクと機会を見極める一方で、温かい心(Warm Heart)を持ち続けることが大切です。この温かい心は、顧客や従業員、そして社会全体への思いやりを意味します。冷静な判断力と温かい心の両立こそが、長期的に成功するビジネスリーダーの特徴と言えるでしょう。 

著者の岩佐氏は、日本が直面している大増税時代と、それに伴う税務署の厳しい監視体制を背景に、単なる資産運用だけでなく、資産防衛の知識の重要性を強調しています。 本書は、相続、贈与、資産防衛に関する的確なアドバイスを提供しています。

特に注目すべきは、岩佐氏が「納税は国民の義務」という基本的な姿勢を堅持しつつ、無知のまま受け身で税金と向き合うことの危険性を指摘している点です。著者は、監視社会の中でかしこく税金と付き合うために、生きた税金の知恵を身につけ、正々堂々と合法的に適正申告することの重要性を説いています。

著者は、日本が重税国家になることへの批判や被害妄想に陥ることを戒めています。むしろ、与えられた環境や条件の中で最善を尽くすことが大切だと強調しています。この姿勢は、単に税金を避けるのではなく、適切な知識と戦略を持って資産を守り、増やしていくという本書の主旨と一致しています。

岩佐氏は、今後30年間において「資産防衛」が私たちのキーワードになると言います。この見解は、単に富を築くだけでなく、それを長期的に維持することの重要性を示しています。「ずっとお金持ちでいられる人」が「資産防衛ができる人」で、反対に「成金で終わる人」を「資産防衛ができない人」なのです。

本書は、「三代続く相続」の実現方法にも焦点を当てています。これは、単に自分の代だけでなく、子や孫の世代まで富を維持する方法を示しています。この視点は、真の意味での「お金持ち」になるために不可欠なものと言えるでしょう。 著者は、多くの人が陥りがちな失敗について警告していますが、資産運用や資産防衛の正しい知識を持つことで、事前に失敗を防げそうです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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