イケメンタル
川瀬智広
フォレスト出版

イケメンタル (川瀬智広)の要約
外見に関係なく人を惹きつける人には、共通して“イケメンタル”という魅力的なメンタルの在り方があります。川瀬智広氏は、精神的な余裕やGIVE思考、自責性、観察力、感謝の習慣こそがビジネスや人間関係を成功へ導く鍵だと説きます。本書は、日々の意識の持ち方を変えることで成果を引き寄せる実践的なヒントを与えてくれます。
イケメンタルとはどういう存在か?
イケメンタルとは、文字通り「イケてるカッコいいメンタル」のことです。精神的な余裕を持っていて、意識や考え方、物事の捉え方、仕事や人間関係への向き合い方、人とのコミュニケーション、生き方までに通ずるものです。(川瀬智広)
世の中には、不思議と人を惹きつける人がいます。外見が特別優れているわけではないのに、性別を問わず人を引き寄せる魅力を持つ人が存在します。
魅力ある人には自然と人が集まり、信頼され、異性にも同性にも好かれます。顔立ちや外見に特別な特徴がなくても、なぜか助けたくなる、関わりたくなる──そう思わせる何かを持っているのです。こうした人は、ビジネスの現場でも人を巻き込み、協力を得ながら成果を上げていきます。 彼らが特別な話術や生まれ持った才能で成功しているわけではありません。
婚活学校「BRIGHT FOR MEN」を運営する川瀬智広氏は、メンタルの価値は「強いか弱いか」ではなく、「カッコイイかダサいか」で測られるものだと説きます。本書イケメンタルでは、そうした視点から、人を惹きつける人々の共通点として「メンタルのあり方」に注目し、それがビジネスや人間関係を左右する大きな要因になっているのではないかと指摘しています。
共通しているのは、精神的な余裕があり、他者への配慮や優しさを自然と実践できるということです。著者は、こうした精神性を「メンタルがイケメン」、すなわち“イケメンタル”と呼び、これこそが人を惹きつける本質的な要素であり、ビジネスを含めた人生の多くの場面で決定的な差を生むと強調しています。
イケメンタルな人は、常に「相手の視点」で考え、行動します。自分の利益や欲求を前面に出すのではなく、「相手が望んでいることは何か」「どうすれば相手が喜ぶか」を起点に動いていくのです。これは単なる思いやりではなく、戦略的な思考であり、相手の満足が自分の成果にもつながるというビジネスにも通じる姿勢です。見返りを求めず、GIVE思考で人のために動ける人は、結果として多くの信頼を得て、チャンスを引き寄せます。
さらに、イケメンタルの核には「自責思考」があります。問題が起きたときに環境や他人のせいにせず、自分の考えや行動を見直す。この姿勢が、結果につながる改善を生み出します。
たとえ失敗しても、それを「うまくいかなかったというデータ」として捉え、次の打ち手につなげる柔軟さは、ビジネスにおいても非常に重要な思考法です。
情報が過剰にあふれる現代では、「何を知っているか」よりも「誰から学ぶか」が大切です。信頼できる情報源を見極め、ノイズに流されず、自分の判断軸を保つことは、経営や意思決定にも直結します。イケメンタルな人は、そうした選択の精度が高く、ぶれない思考を持っているからこそ、多くの局面で成果を出していけるのです。
また、主体性もイケメンタルの重要な要素です。他人の目や評価に振り回されることなく、「自分はどうしたいか」を軸にして判断できる人は、ビジネスの現場でも一目置かれます。
ただし、それは自己中心的という意味ではありません。自分の意思を大切にしながらも、他者への配慮を忘れず、必要なときには「NO」を伝える勇気も持っている。このバランス感覚が、信頼関係と結果を両立させていきます。
観察力と想像力は人間力の核
観察力と想像力は単なるスキルではなく、「人間力」の核といえます。このちょっとした日常の変化に気づく習慣を持つだけで、あなたの魅力も、周囲の信頼も、自然と増えていくのです。 イケメンタルは「周りをよく見る」ことから始まる。
観察力と想像力も、イケメンタルの柱となります。相手の言動の背後にある感情や意図を読み取る力は、営業や交渉など、あらゆるビジネスシーンで強力な武器になります。相手が話したいことに耳を傾ける姿勢は、信頼を生み出し、対話を円滑に進める土台となります。
自分の感情に正面から向き合い、整理し、言語化する力もまた、ビジネスで結果を出す上で不可欠です。感情に振り回されず、冷静な判断を保てる人は、組織やチームの中で安定した存在となります。
自己観察を日常的に行うことで、感情を整え、より的確な言動ができるようになっていきます。自分の内面に意識を向けることは、他人への配慮や共感の精度を高める土台となります。ビジネスでも人間関係でも、安定した精神状態が良質なコミュニケーションを支えるからです。
そして、イケメンタルな人は言葉の使い方にも意識的です。とくに「ありがとう」という言葉を日常的に口にできる人は、周囲に安心感を与えるだけでなく、自分自身のメンタルを穏やかに保っています。私の周りの優秀な経営者も「ありがとう」を口癖にしています。
感謝は単なるマナーや社交辞令ではなく、精神のコンディションを整える最良のツールのひとつです。 私自身、かつて感情の波に揺さぶられやすかった時期がありました。そこで始めたのが「感謝日記」を書くという習慣です。毎日、その日に感謝できたことを10個書き出す。ただそれだけのことですが、続けていくうちに、自分の意識が「足りないもの」ではなく「すでにあるもの」に向かうようになっていきました。(感謝日記の関連記事)
不思議と心が落ち着き、自然と前向きな言葉が増えていったのです。 この経験を通して実感したのは、感謝は心を育てるということです。たとえ状況が思い通りにいかなくても、何かしらの「ありがたいこと」に目を向けることができる自分でいると、感情の乱れに飲み込まれなくなります。
それは結果として、対人関係における信頼感や安心感にもつながり、ビジネスシーンでもプラスに働くことが多くありました。 つまり、イケメンタルな人の強さとは、特別なテクニックを持っていることではなく、日々の小さな意識の積み重ねにあるのです。
感謝の言葉を自然に口にできる人は、自分の精神を整える術を知っている人です。そんな人だからこそ、周囲の人にも良い影響を与え、信頼を集めていけるのだと思います。
言葉は環境を変え、信頼を築き、人間関係を育てる道具です。それを自覚して使えるかどうかは、ビジネスの成果にも直結してきます。
ネガティブな状況や感情に対しても、共感とポジティブ転換を意識することで、建設的なコミュニケーションが可能になります。これを「リフレーミング」と呼びますが、この技術を身につけた人は、会議でも雑談でも空気を変えることができ、組織内でも必要とされる存在になります。
こうしたイケメンタルを体現する人は、ビジネスでもプライベートでも常に良い影響を周囲に与え、結果を出し続けます。
本書では、「大原則×マインド」「観察力×想像力」「ポジティブ×捉え方」「責任感×覚悟」「言葉×口ぐせ」「あり方×感情」「成長×肯定」「生き方×哲学」といったテーマを通じて、メンタルの整え方と、その具体的な実践法を紹介しています。
外見は一朝一夕で変えられるものではありませんが、心の持ち方は自らの意思でいつでも変えることができます。そして、その内面の在り方こそが、仕事の成果、人間関係の質、ひいては人生全体の方向性を静かに、しかし確実に左右していきます。もし、ビジネスで結果を出し、人との関係をより良く築いていきたいと考えているなら、本書はそのための判断軸を与えてくれる一冊になるはずです。
















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