記憶力がグンと伸びる!たったの「朝1分」
池田義博
ソシム

記憶力がグンと伸びる!たったの「朝1分」(池田義博)の要約
池田義博氏の『記憶力がグンと伸びる!たったの「朝1分」』は、年齢による記憶力低下という思い込みを覆し、習慣によって脳は何歳からでも伸ばせると示す一冊です。朝の光を浴びる、感謝の言葉を述べる、呼吸を整える、短いシャワーを浴びる、散歩と耳学習を組み合わせるといった行動が、脳を最適な状態に整え、集中力と記憶の質を高めてくれるのです。
記憶力を高める方法
「朝」という最高の時間帯を記憶力アップに使わない手はありません。(池田義博)
記憶力は若い時期がピークで、年齢とともに下降していくものだ――そんな固定観念が、多くの人の中に根強く残っています。しかし、その常識こそ、現代の脳科学の知見から見れば明確に誤りであり、刷新されるべき考え方なのです。
池田義博氏の記憶力がグンと伸びる!たったの「朝1分」は、その思い込みを力強く打ち破ってくれる一冊です。日本人で初めて「世界記憶力グランドマスター」に認定された著者は、記憶の達人として特別な才能を持っていたわけではありません。
40代半ばで初めて本格的に記憶術に挑戦し、たった1年の鍛錬で日本記憶力選手権を制覇し、その後も連覇という偉業を達成していきます。一般的に「記憶力は40代から衰える」と言われる中で、池田氏がその年代から記憶術を始め、わずか1年で日本一になり、さらに世界的称号まで手にした事実は大きな希望になります。
加齢は限界ではなく、正しい刺激と習慣によって脳はいくつになっても伸び続ける――その実証そのものが、40代以降の人たちに強い勇気を与えてくれるのです。
本書が教えてくれるのは、特別な脳を持った人だけが成果を出せるわけではなく、日々の習慣こそが記憶力を左右するというシンプルかつ本質的な原理です。
池田氏は、朝という時間帯を「脳の立ち上がりを決める勝負の1分」と捉え、この短く小さな行動が、一日の集中力、思考力、そして記憶の質を決めると説明します。起きてすぐカーテンを開けて太陽光を浴びることで、体内時計と脳のスイッチが同時に活性化し、頭の中のもやが一気に晴れていきます。
前日にあったことに感謝すること――特に、嫌な人や苦手な人に対して感謝の気持ちを持つ習慣(1分間の感謝イメージング)は、セロトニンの分泌を促し、記憶力の向上にもつながります。 私も毎朝、感謝日記を書くことで、自然と前向きな気持ちになり、幸せな時間を過ごせるようになりました。
さらに、呼吸を整える「1分間呼吸法」によってメンタルが安定し、記憶力の向上も期待できると言われています。 ファスト&スロー呼吸やマインドフルネスを取り入れることで、記憶力が実際に高まったと著者は述べています。
たった5分の朝シャワーでも、温度刺激と水圧の効果によって心身の切り替えが促され、ぼんやりとした意識がクリアになります。
さらに、散歩と耳学習を組み合わせることで、BDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌が促進され、記憶の「定着」と「入力」が相乗的に高まります。 その結果、インプットの質が劇的に向上するのです。
こうした朝の習慣は派手さこそありませんが、脳科学の原理に裏打ちされており、毎日続けることで確実に成果が積み上がっていきます。
朝の読書が記憶力を高める理由
読書のほうが動画よりも記憶力アップのメリットが大きいのです。
イメージの力を活かすことこそ、池田氏の記憶術の核と言えるでしょう。脳は文字よりも映像を圧倒的に好み、情報を「物語」として整理する傾向があります。
だからこそ、朝の読書習慣、特に小説を読むことが大きな効果を発揮します。物語を追いながら、登場人物の表情や情景を思い浮かべ、音や温度、空気感までを再現しようとする――そのプロセスが、脳にとって最高のイメージトレーニングになるのです。 記憶力を伸ばすために小説を読むという発想は斬新でありながら、実は脳の仕組みに最も忠実な方法でもあります。
さらに池田氏は、実務的な読書においてもイメージの力を活用することを勧めています。 たとえば、ビジネス書や実用書を読む際には、「フレームワークリーディング」を取り入れることで、理解力と記憶力の両方を飛躍的に高めることができます。
まず、目次を俯瞰して全体像を頭に描きます。次に、要点を拾い読みして構造を把握し、最後に線を引きながら再読して深い理解へと進みます。この3段階を踏むことで、読書は単なる情報収集から思考の整理へと進化します。
さらに池田氏は、再読の前にあるマインドセットを設定することを提唱しています。それが「読んだら必ずアウトプットする」とあらかじめ決めておくことです。
誰かに説明する、ブログに書く、SNSで要点をまとめる――形式は問わず、何かしら表現するために読むことで、脳は自然と重要な情報を選び取り、記憶しやすくなります。 アウトプットを前提とした読書ほど、理解を深める方法はありません。私自身も、この書評ブログで毎朝記事を書くことで、記憶力を鍛えています。
さらに池田氏は、五感を活用した記憶法も取り入れるべきだと述べています。 たとえば、声に出して読む行為は聴覚を刺激し、情報の通り道を増やすことで、側坐核にも働きかけます。 この側坐核を刺激することでドーパミンが分泌され、集中力の向上につながるのです。
短時間で感情や思考を紙に書き出す3分間ジャーナリングは、脳の整理と定着を同時に促し、覚えた内容が自分の言葉として根を下ろしていきます。これらの手法の優れている点は、場所を選ばず、どんな日常にも即座に組み込める汎用性の高さです。意図的に五感を使うだけで、記憶の品質が確実に変わるのです。
そして、池田氏自身の歩みが、このメソッドの信憑性を裏付けています。40代半ばという一般的に下降線を意識する年代から記憶術を始め、「世界記憶力グランドマスター」の称号をつかみ取った経験は、記憶力が後天的に伸ばせる能力であることを明確に示しています。
年齢や生まれつきの才能ではなく、脳の仕組みを理解し、正しい習慣を積み重ねる姿勢こそが、能力を底上げする鍵なのです。
本書が優れているのは、単なる生活改善の提案ではなく、朝の行動が脳の構造や働きにどのように作用するのかを、実証ベースで説明している点です。
朝の光を浴びることが体内時計をリセットし、大脳皮質の活動を一気に引き上げること。短時間のシャワーが自律神経を整え、覚醒度を高めること。読書やイメージ化が前頭前野を活性化し、記憶の定着に関わる海馬を刺激すること。こうした記憶のメカニズムが丁寧に語られているため、「なぜ朝の1分が重要なのか」が感覚論ではなく、ロジカルに理解できます。 本書のアドバイスを実践することで、確実に記憶力を高められそうです。
なお、本書はソシム様からご恵贈いただきました。
















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