てにをは辞典(小内一編集)が一家に一冊あったなら??

書評

まさかこの歳になって、辞典を買うとは思ってもいませんでした。
先日書評にも書いたプロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術印南敦史著の中で
言葉に興味を持っている人におすすめだと書かれていたてにをは辞典小内一編集)に
興味を持ち、早速アマゾンで買ったのですが、これが思わぬ拾い物でした。
辞典というよりは言葉の世界を楽しむ玉手箱のようで
開いた瞬間から、私の好奇心をくすぐってくれたのです。
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まずは、編者の小山氏の「はしがき」から引用します。

この本を開くと、▲や▼といった記号と単語が並んでいるばかりで、国語の辞書のような言葉の説明が見当たりません。「この本はどういう本なのか?」「どう使えばいいのか?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。実は、この本は文章を書くときの手助けとなることをめざして編集したものなのです。より適切な言葉を選びたい、表現を工夫したい、そう思った時に役に立つ、いわば、”文章を書くとき頼りになる相棒”といったところでしょうか。

言葉に悩んだ時に、よりフィットした言葉を選びたくなりますよね?
いつもと同じ表現から脱出したいのですが
語彙が足りずに困るというのが、私のブログ更新の最大の課題かもしれません。
「てにをは辞典」によって多様な表現を調べられますから、文章に奥行きが出せます。
辞典を開くたびに思わぬ表現に出会えるので
私の文章も新たな世界観をつくれるかもしれません。

そして、この辞典の最大の魅力は助詞によって
言葉の魅力が増すことを豊富な事例によって認識できる点かもしれません。
今回、「結合語」(コロケーション)とその活用事例を読むことで
私のクリエイティビティが刺激され、言葉の力を再発見できたのです。

言葉は単独でも使われますが、多くの場合、二つ以上の言葉が結びついて使われます。この結びついた形を、本書では、「結合語」と呼ぶことにします。国語辞書は言葉の意味と文法的な解説を主とするので、紙面の制約上、わずかしか結合語の例を載せられません。本書には口葉の意味と文法的な解説はありませんが、のべ60万の結合語例を載せています。

例えば、「クリエイティビティが刺激される」という語は
「クリエイティビティ」と「刺激される」が
助詞「が」を介して結びついています。
このように助詞で結びついた語を本書では「結合語」と呼び
60万語の事例を掲載しています。(小内さんスゴイ!!感謝です)

助詞の代名詞でもある「てにをは」をタイトルにしたあたりも
この辞典の世界観をカモフラージュしています。
助詞の辞典だと騙されてはいけないのです!
これは実は「結合語」の活用集で、小内さんの「採集」した言葉の世界を
拝見させていただくものなのです。

この辞典のために阿久悠、塩野七生、中上健次など
250人の作家の作品から小内さんは結合語」「採集」したとのことです。
文庫本を中心に、近現代の大衆小説・時代小説・純文学・評論など
幅広いジャンルから「採集」していますから
硬軟取り混ぜた表現に触れることができます。
ペラペラめくっていると、時間がなくなりブログが書けなくなりそうです。
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ちなみに私がよく使う「上手」という言葉を調べていたら そのボリュームにクラクラしました。

じょうず【上手】▲な 言い回し。医者。嘘。応対。言葉。字。司会。洒落。話。話し手。ピアノ。役者。料理。世帯持ちの~女。褒めることの5人。▲とは お世辞にも~言えない。▲に 遊ぶ。編み上げる。操る。按配する。活かす。生きる。歌う。演出する。演じる。おさめる。踊る。帰す。書く。隠す。語って聞かせる。活用する。カムフラージユする。かわす。着こなす。切りまわす。断る。こなす。ごまかす。酌をする。処理する。説明する。立ち回る。だます。着岸する。使いこなす。つき合う。作る。できている。できる。取り仕切る。逃げる。盗む。挟む。話す。吹く。やってのける。横歩きする。読む。世渡りする。別れる。割り振る。相手の気を引く。以下省力

当初は、シソーラス(類語辞典)のような使い方を考えて購入しましたが
小内さんが収集した、言葉の海で私は溺れることにしました。
今までに私が買った辞書で、この「てにをは辞典」が一番価値があります。
手元に届いて読み始めれば、4,104円の価格が高いと思えなくなるはずです!
また、中学生と小学生の子供にも使わせたいと思いました。
子供の世界がこの辞典で間違いなくひろがると確信したからです。
一家に一冊「てにをは辞典」があったなら
日本人のコミュニケーション力は、相当アップするはずです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
  

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