もう一つは長時間労働。職場に長くいると、多様な人的ネットワーク、新しい経験を受け入れる姿勢、肉体的・精神的な健康といった「無形資産」を築くチャンスが奪われてしまう。お金に換算できる「有形資産」はもちろん大切だが、換算できない無形資産こそが100年ライフを楽しむ原動力になる。(リンダ・グラットン)
長寿化社会が急ピッチで進んでいます。
今先進国で生まれる子供たちは50%を上回る確率で
105歳まで生きると予測されています。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)が話題になっているリンダ・グラットンの
インタビューが先日の日経新聞に掲載されていました。
リンダはその記事の中で、この100歳まで生きる長寿化が
日本人に多様な働き方を迫ると説いています。
終身雇用の見直しが、日本企業でも避けられなくなるはずです。
100歳まで生きる社会が現実になると、私たちの働き方も変わらざるを得ません。
新卒で入社し、定年まで働くというスタイルが
80歳近くまで働くことが現実になった時には成り立たなくなるのです。
経済のグローバル化、人間の長寿化が加速すれば
日本企業は終身雇用を維持できなくなるはずです。
今の雇用システムが崩れ始めれば、個人にも影響が出るはずです。
自らの強みを伸ばして、社会に貢献できなければ
私たちの雇用は約束されなくなるはずです。
人生のうちに何度も自分の働き方を考えるタイミングが訪れるはずです。
その時に役立つのが、自分への投資と家族や仲間などの人的ネットワークになるはずです。
当然、多様な人的ネットワークが求められるはずです。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト) [ リンダ・グラットン ] |
会社が雇用を守ってくれる時代には
社内の人脈が充実していれば、問題はありませんでしたが
これからは業種や年齢を超えた人脈が重要になります。
弱い紐帯の強みが力を発揮する時代には、ゆるい人脈から
転職の話がくることが多いことがわかっています。
しかし、長時間労働をしていると会社以外のネットワークが築けません。
長時間労働は、過労死やうつなど自分の心と体の健康を害すだけでなく
未来の自分の可能性をも閉じてしまうのです。
多様な人脈を築いたり、新しい体験をするためには
朝時間や夕方以降の時間を変えていかなければなりません。
長時間労働を見直し、自分への投資の時間を持たない限り
長寿時代の人生を豊かにできないのです。
今後は、お金に換算できる「有形資産」だけでなく
自分の人生に潤いを与える「無形資産」への投資が重要になるのです。
一生涯を通じて、様々な仕事を体験出来る時代を生きていると考えることで
私たちは1日の過ごし方を変えられます。
会社だけに頼るのではなく、自分やコミュニティの力を活用することで
人生はより面白くなるはずです。
当然、企業も柔軟な雇用システムを作らなければなりません。
今後は個人の強みを上手に活用する組織が強くなっていくはずです。
できる個人から選ばれる人事制度を至急構築することが日本の組織に求められています。
プロジェクトベースの働き方が主流になれば
個人、会社の双方が人的ネットワークを活用するようになります。
人的資産を作り、維持するためにも、私たちは長時間労働を避けるべきなのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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