イノベーションには根本的に異なる二つのスタイルがあることがわかった。「概念的イノベーション」と「実験的イノベーション」だ。 (デイビッド ガレンソン)
photo credit: ChrisGoldNY Seagulls at Reykjavik Port, Iceland via photopin (license)
なぜ早咲きの人と遅咲きの人がいるのでしょうか?
世の中には、早咲きの天才と遅咲きの天才が存在します。
アインシュタインのように若くして相対性理論を発見する天才もいれば
ヒッチコックのように60手前から作品を世に問う天才もいます。
デイビッド ガレンソンは天才は、概念的イノベーター(短距離走)と
実験的イノベーター(長距離走)に区分されると指摘します。
概念的イノベーターは、大胆なアイデアを思い描いて
それを実行に移すというタイプで、アインシュタインはこの典型です。
一方の実験的イノベーターは、試行錯誤をくり返して
問題解決を行ないながら、進化を遂げていくタイプです。
彼らはある特定の問題に様々なアプローチでとり組みます。
あらかじめ計画するのではなく、多くの実験を重ねながら解決策を見い出します。
概念的な大発見は早い時期に起こる傾向があるそうです。
飛び抜けて独創的なアイデアは、新鮮な視点で問題にアプローチした場合に
最も、発見されやすいというのがその理由です。
概念的イノベーターは一般に、ある分野にはじめて触れてからさほど時間が経たないうちに、もっとも重要な貢献を果たす。といっている。
概念的イノベーターは、問題への一定のアプローチ法が定着してしまうと
オリジナリティが低下していく傾向があります。
概念的イノベーターは、考え方が定着することで、思考がパターン化します。
初期の重要な業績にとらわれることで、その後の成長が止まり、変化できません。
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遅咲きの天才になる方法
実験的なイノベーションは、様々な知識や経験が必要なため、時間がかかります。
ロジャー・スペリーは、大脳半球の機能を解明するために
何年もかけて、分離脳のネコや、人間の患者の実験を続けました。
ロバート・フロストの有名な作品には、20代の作品は一つもなく
30代のものはわずか8パーセントでしかありません。
40代になってようやく花開き、さらに60代でふたたび開花しているのです。
この遅咲き感がミドル世代にはたまらないはずです。
今までの多くの知識と体験を活用して、イノベーションを起こせるのですから!
過去の自分に今を掛け合わせ、新たなアイデアを生み出しましょう。
実験的なイノベーションは、必要な知識とスキルの蓄積に何年も何十年もかかるが、オリジナリティの源泉として、より長続きする。
概念的なイノベーターは、独創的なアイデアを初期に生み出す傾向がありますが
自らのアイデアに頼りすぎ、そこから抜け出せなくなります。
一方、実験的なアプローチには時間が必要ですが
様々なアプローチによって、新たば答えが見つかります。
私たちは何歳になってもチャレンジでき、自分のオリジナリティを維持できるのです。
まとめ
天才は、観念的なイノベーターと実験的イノベーターに分かれます。
観念的なイノベーターは、若い時から活躍しますが
自分のアイデアにはまり、その後の変化が期待できません。
逆に、実験的イノベーターは年齢を重ねることによって
知識と体験を積み上げていけます。
自分のオリジナリティを維持したいミドル世代は
実験的アプローチで、自分の価値を高めていきましょう。
目標を設定したら、あらかじめ計画せずに
あいまいなアイデアや解決策を試していきましょう。
コツコツと忍耐強く進めていけば、いずれ成功できるはずです。
計画的偶然性理論を信じて、行動を最大化しましょう!
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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