まわりから称賛されたり好意を寄せられたりする人は、ただ幸せを感じられるだけではない。成功する可能性も高くなるのだ。理由のひとつは、経済的に大きな成功のほとんどがチームの取り組みによるものだからである。だれもが、有能な人と働くという恩恵にあずかりたいと思っている。しかし、有能な人はそれほど多くないし、彼らは仲間を選べる立場にある。よって、チームのメンバーとして魅力的だと思われると大きな利益につながるが、その地位は努力して獲得しなければならない。(ロバート・H・フランク)
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個人よりチームの利益を優先する!
ロバート・H・フランクは成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学の中で、よいチームを築くと成功する可能性が高くなると述べています。この日本でも一つの会社で一生を終えるのではなく、転職や起業、副業をするのが当たり前になってきました。私たちが成功して幸せになるためには、人のサポートが欠かせません。有能な人と出逢うチャンスを作り、良好な関係を結ぶ必要があるのです。
不愉快な人はどんなチームからも求められない。いくら才能があってもチームワークを崩す人はよほどの天才ではない限り、生きずらくなっています。スティーブ・ジョブズのようなほんのわずかな革命家以外は人との関係を重視しなければなりません。才能や一生懸命に働こうとする意志が優秀なチームに参加するためには求められます。また、仲間への信頼(個人よりチームの利益を優先する)という考えを持たなければ、人から高く評価されません。
あのアップルでさえ、ジョブズ亡き後CEOのティム・クックは野心家の上級副社長のスコット・フォーストールを解雇しています。フォーストールはあまりに野心家で人から信頼を得られなかったのです。野心が強すぎる人はチームの結束を乱しかねないという理由から、彼はアップルを去らねばならなかったのです。成功するチームのメンバーは野心家であることが多いのですが、度を超えた野心は不利に働くのです。よいチームのためには適度の野心とチームへの貢献の両方が欠かせません。
成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学 [ ロバート・H・フランク ] |
運に感謝すると自分の評価が上がる!
著者のフランクは同じ人物のインタビューを野心家のものと運に感謝するタイプの2種類作り、人がどう感じるかを調査しました。その結果、運に感謝する幸運バージョンのインタビューを読んだ被験者の方が、その人物に好意を感じることがわかりました。フランクは運に感謝することが成功の秘訣だと次のように述べています。
他者から高く評価されるためにも、成功における運の役割を認識するのが得策だということだ。これが幸せにつながることを示す証拠もある。そして、他者に高く評価され、魅力的な仲間になるだろうとみなされれば、おそらく物的な面で豊かになる可能性も高まるだろう。
成功は自分の能力のおかげだけでなく、運がよかったからだと感謝するマインドによって、人から好かれるようになります。野心だけでなく、感謝と貢献の気持ちを持って、人と接するうちに周りの人から信頼されるようになるのです。能力の高い人とチームを作ることで、私たちは成功する確率を高められます。狭いコミュニティに属するだけでは、チャンスの数は限られますから、会社や家族以外の第三のコミュニティ(サード・プレイス)に参加しましょう。その際、自分の価値でそのコミュニティに貢献することを考えるのです。自分の野心をあまり表に出し過ぎず、他者との良好な関係を築き、味方を増やします。よいコミュニティに参加することで、副業を始める時や、起業の際に様々なサポートを受けられるはずです。
まとめ
自分一人では成功できませんから、よいチームを築くようにしましょう。個人の利益より、チームが成功することを優先し、自分の価値を周りに提供するのです。会社や家族以外の様々なコミュニティに属し、能力の高い人との関係を築き、お互いに成長することを心がけることで成功する可能性を高められます。
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