ウーバーはただの取引。エアビーアンドビーは人との触れ合い。(エリサ・シュライバー)
photo credit: TechJobsTour Tech Jobs Tour Portland 2017 via photopin (license)
食事で企業のカルチャーを共有しよう!
先日のSansan Innovation Project 働き方2020のブログを続けます。AirBnB Japan㈱ 代表取締役 田邉泰之氏と㈱クロスリバー代表取締役 越川慎司氏の「変化への対応力をつけるのは今 今日から始められる働き方改革」というセッションが面白かったので、今日はこちらを紹介したいと思います。
AirBnB Japanも御多分にもれず、社員が増加することで多くの課題に見舞われます。人との触れ合いを大切にしている企業が、自分たちのカルチャーを共有できなくなっていたのです。2014年に3名でスタートした日本法人も社員が15人を越えたあたりから、風通しが悪くなっていきます。そこで代表の田邉氏は社内の飲み会を自ら企画します。しかし、これが全くうまくいきません。社員が自発的に参加しない飲み会では意味がなかったのです。
ここで田邉氏はお酒でのコミュニケーションをやめ、食べ物を中心におきます。食事からコミュニケーションが広がるという考え方のもと、カルチャー・アンバサダー制度を導入したのです。食事を通じて、社員からの情報共有を行うことで会社の雰囲気が明るくなりました。現場の社員同士が自発的につながることで、企業文化が共有できるようになり、社員の働き方が変わったのです。働きがいを感じる社員が増えた同社は、AirBnBらしさを取り戻しました。現場に自由と責任を与えることで、自社の文化を社内から社外に広げることで、AirBnB Japanの成長が加速したのです。カルチャー・アンバサダーと社員が共に、笑顔溢れる職場を作ることで、社員のモチベーションが上がり、生産性が高まったのです。
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働き方改革は「制度・IT ×マインド・文化」。両輪を回すことが大事!
制度・IT ×マインド・文化 この両輪が回らないと前へ進まない。(越川慎司)
「働き方改革を目指す企業は失敗する」とクロスリバーの越川氏は指摘します。働きやすさではなく、働きがいを感じる社員が多い会社の方が生産性が高いことがわかっています。制度やITを導入するだけではダメで、マインドや文化を養うことが重要なのです。労働時間を削減し、新たなビジネスにチャレンジした企業だけが、生活者から支持されるのです。社員が企業にのビジョンやミッションを理解し、社会に貢献するために自発的に動くことで働きがいを感じます。AirBnB Japanのカルチャーアンバサダーがその役割を担い、食事を通じたコミュニケーションで企業の文化を社員に共有していったのです。働き方改革は「制度・IT ×マインド・文化」の両輪を回すことではじめてうまくいくようになります。
クロスリバー社の調査によると働きがいを感じる社員が60%以上いる企業は、増益になる確率が52%高くなるとのことです。逆に、福利厚生に投資をしても働きがいが改善されなかった企業は67%にのぼったそうです。経営者が社員に働きがいを感じてもらうための施策がまさに求められています。社員が働きがいを感じるためには、承認・達成・自由の3つの要素が必要になります。自分からやりたいことをやってみることで、会社の中に共感する人が現れます。小さなアクションが会社の雰囲気をよくしていくのです。みんなが働きがいを感じて行動し、アクティビティが増えると、会社全体がハッピーになります。社員が自由にイベントを企画し、自発的に動くことで社員同士がつながり、働きがいを感じるようになるのです。社員が残業を減らし、生産性を高めるためには、経営者が社員に自由と責任を与える覚悟が必要です。また、社員が実際に行動に移して、PDCAを回す必要があるのです。このようなティール組織を作ることで社員のやる気が高まります。
まとめ
働きがいのある会社にしたければ、経営者には勇気と覚悟が必要です。企業の課題を解決する自発的なメンバーが活躍できるティール組織を作るのです。一人一人が意思決定し、お互いが信頼できる組織を作ることで、社員が自らチャレンジするようになります。企業文化を伝染させるためには、カルチャー・アンバサダー制度を導入し、食事を通じた風通しの良いコミュニケーションを行いましょう。カルチャーを共有することで、自ら動ける社員が増え、働きがいのある強い企業が出来上がっていきます。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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