経営者に習慣のチカラが必要なわけ。ポール・ゲティの大富豪になる方法の書評

繰り返しの行動がいつしか習慣になり、時にはそれがとてつもなく強い力を持つようになる。しかし人間には、自らの行動を自由に制する能力もある。つまり、自身の習慣を形づくり、それが望ましくないものになったときには対処したり捨てたりする力が備わっている。ビジネスの世界ほど、習慣のパターンが重要になり、習慣の力がはっきりと目に見える場所はない。習慣こそ、実業家が成功できるかできないかを決める最も重要な要素なのである。 (ポール・ゲティ)


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経営者こそ、良い習慣を意識すべき!

ポール・ゲティの大富豪になる方法の中に、経営者こそ良い習慣を身につけるべきだという話が紹介されています。ゲティはフォーチュン誌が「世界で最も裕福な男」と呼び、いくつもの事業を成功させてきた伝説の経営者です。彼の考えを取り入れることで、事業の成功の確率を高められそうです。

一般的によい習慣には”育む”、悪い習慣には”陥る”という表現が用いられますが、良い習慣を習得することがいかに難しいかがこの表現からわかります。良い習慣は手に入れるためには、不断の努力が求められます。ただ、良い習慣を身につけることは難しいだけで、不可能ではありません。悪い習慣を良い習慣に置き換えることで、ビジネスでも成功できるようになります。ゲティは仕事の速さ、あるいは遅さは基本的に習慣の問題だと捉え、時間を守ることが経営者には欠かせないと言います。時間を守るという好ましい習慣は、誰にとっても重要ですが、とりわけ経営者には欠かせません。

ディナーに招待されるたびに遅れてくる者は、ホストやほかのゲストにとって迷惑でしかありません。こんなことを続けていたら、そのうち相手にされなくなり、経営者にとって大切なネットワークを築けなくなります。

習慣的な速さはあらゆる経営者にとって特に貴重な資産だと言える。「時は金なり」という古くさい格言は現在でも有効であるばかりでなく、過去のどの時代よりも今こそ重要な意味を持つ。ペースが速く、複雑さを増した現代のビジネスでは、一時間どころか一分たりとも無駄にできない。経営者と経営幹部は極めて厳しいスケジュールで活動することが求められている。

会議やアポイントに遅刻しないように5分前にはビジネスがスタートできるように、余裕を持って行動しましょう。そのためには、朝から慌てないように行動すべきで、早起きの習慣を身につけることで、時間をコントロールできるようになります。

 

良い習慣をより強化する!

ビジネスを運営する者にとって役立つ習慣と役に立たない習慣のすべてを挙げることなど不可能だ。何が有益かなど、それぞれの性格や人格によってもまちまちで、関連する分野やビジネスのタイプなど、さまざまな要素によっても異なってくる。しかしながら、どんな習慣が自分にとって有益あるいは有害かは、ビジネスマンであろうがなかろうが、自分で判断できるはずだ。

自分の目標を達成する助けになる習慣こそが、良い習慣です。そのような習慣を身につけるよう、悪い習慣を良い習慣に置き換えていきましょう。悪い結果をもたらす習慣を、できるだけ早く捨て去らなければなりません。

ゲティは経営者や経営幹部は定期的に時間を作って、自分たちが仕事の際にどんな行動を習慣と呼べるほど頻繁に行っているかを調べてみるとよいと述べています。悪い習慣を紙に書き出し、評価を下しましょう。そのなかのいくつかは悪い習慣だと分かるはずですから、それらを改善していきます。

項目のいくつかは”よくも悪くもない”あるいは”いいか悪いか分からない”と思えことがあります。それらに対しては、ポジティブな習慣に変えることができないか、客観的に検討してみましょう。

例えば、金曜日の夕方に会議をするという習慣がよい結果をもたらしていないとします。この場合、会議をやめるという選択をするのはよくありません。社員が休みを意識する金曜の夕方の会議をするのをやめ、会議に適した曜日と時間を選べばよいのです。

リストのなかにポジティブな習慣が見つかった場合、それらをさらに有益に、生産的にする努力を怠らないのが優れた経営者です。例えば節約する習慣が身についていて、常にコストの削減を意識しているのなら、その努力を倍にして、出費を抑えて利益を増やす方法をもっとたくさん見つけるよう心がけましょう。

ビジネスでトップに立つことを目指す者は習慣の力を正しく評価し、繰り返しの行動が習慣を作るという事実を理解しておく必要がある。自分に害をなす習慣は即座に断たなければならない。そして望む成功をもたらす助けになる行動は、それが習慣になるまで実践するべきだ。

実際、ゲティは早起きを習慣にし、夜遅くまで部下と働くことで、石油王の地位を築きます。節約も度を越すほどでケチとしても有名で、孫の誘拐事件の際には、身代金を拒絶したほどです。

ゲティがいうように、経営者は習慣の力を信じ、自分の行動をコントロールすべきです。経営者は時間を守る、人との約束を守る、節約を心がけるなどの良い習慣を身につけ、悪い習慣を見直すべきです。自分の悪い習慣を改善できなければ、社外役員型のコーチを活用する方法があります。自分の欠点を改善するために、プロの経営者を外部から雇うことで、結果を変えられるようになります。

まとめ

ポール・ゲティは習慣こそ、実業家が成功できるかできないかを決める最も重要な要素だと指摘します。成功する経営者になりたければ、悪い習慣を良い習慣に置き換えましょう。悪い習慣を捨て去り、良い習慣を強化することで、経営をよりよくできるようになります。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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