ドルー・エリック・ホイットマンの現代広告の心理技術101の書評

私に言わせれば、現代広告の99%はゴミである。(ドルー・エリック・ホイットマン)


photo credit: Mrs Magic New York – November 2007 via photopin (license)

広告の反応を高めたければ、消費者心理を学ぼう!

多くのDMは開封前にゴミ箱に捨て去られます。一体そのためにクライアントや広告会社はどれぐらいのエネルギーを費やしているのでしょうか?広告の目的は人に行動してもらうことですが、クリエイティブが悪ければ、誰もアクションを起こしてくれません。

今の広告はなぜそんなにお粗末なのでしょうか?ドルー・エリック・ホイットマン現代広告の心理技術101で、その答えを明らかにしています。それは広告に携わる人が、どうやって人に買ってもらうかを全然わかっていないからだというのです。モノを売りたければ、以下のH・E・ウォーレンの言葉をなんども読み返し、消費者心理を学ぶ必要があります。

人がモノを買う理由を理解するには、人について知り、人の本質というものに敏感になるべきだ。人がどのように考え、どのように生きているのかを知り、その日常生活を左右する基準や慣習に精通しなくてはいけない。人が何を欲し、何を必要としているのかをきちんと把握し、この2つを区別できるようにならなくてはいけない。テストによって実証された消費者心理の原則を自分のものにしようという意気込みがあれば、人がモノを買う理由がわかるようになる。(H・E・ウォーレン)

本書で以下の3つのことを学べば、広告のクリエイティブが変わります。
1. 人が何を求めているのか。
2. 人は自分の求めているものをどう思っているのか。
3. なぜ人はそういう行動をとるのか。

この3つをモノにできれば、人に行動を起こしてもらえます。良い広告を作ることで、顧客に商品やサービスを買ってもらえるようになるのです。
1. 顧客を満足させる方法がさらにわかる。
2. より多くの人にモノを買いたいと思わせることができる。
3. 良質な製品をより多くの人々のもとに届けられる。
4. 人々の生活により多くの満足感をもたらす手助けができる。

本書には消費者心理の17の基本原則(恐怖という要素、自我の変形、転嫁、バンドワゴン効果など)が紹介されています。今日はその中の「転嫁」をピックアップします。

転嫁を活用して、売り上げをアップしよう!

転嫁は、一般的に権威や敬意の対象となっている人、団体、組織に結びつく象徴、イメージ、見解もしそう言いたければ手がかりに関連づけた戦略だ。あなたの製品やサービスがなんらかのかたちで認められていると見込み客に納得してもらうのだ。尊敬する人や団体に認められたものを目にすると、ライトが光り、ベルが鳴り、脳からは「即、信頼する!」というメッセージが発せられる。そして、それが自分の欲しいもの、買えるものなら、人は自分のクレジットカードを探し始める。

「推薦の言葉は1000のコピーに勝る」とドルー・エリック・ホイットマンは言います。プロアクティブは、歌手のジェシカ・シンプソンにその効果を証言させることで、肌の悩みを持つ若い女性の認知を一気に高めました。

クウェーカー・オーツは、微笑むクウェーカー教徒の男性のロゴを1877年に初めて商標登録してから順調に売り上げを伸ばしてきました。しかし、1990年、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』誌に、批判記事を掲載されたことで、物議をかもすことになります。コさいわい、クウェーカーは1987年から俳優のウィルフォード・ブリムリーと契約し、新たなブランドを作り始めていました。ウィルフォード・ブリムリーの好感度の高さ、彼の地に足の着いた率直な話、そしてその生真面目さ、「信頼性の高い物腰」によって、毀損していたオーツ麦の価値が再認識されたのです。クウェーカーは推薦の言葉によって、5年間に及ぶ売り上げ低下をみごと覆すことができたのです。

消費者を動かす方法は他にもあります。「グッド・ハウスキーピング認定証」について考えてみましょう。この認定証は1909年以来、何百万人という消費者に、買ってもいい商品だというお墨付きを与えています。認定証をえるためには、『グッド・ハウスキーピング』誌からチェックされ、雑誌に広告掲載が認められた商品のみに与えられます。購入後2年以内に欠陥が出た製品に対しては、出版社が払い戻し、または交換を約束してくれるので、顧客の購入のリスクを減らしてくれます。顧客のリスクを転嫁するシステムが、消費者の購入を後押ししているのです。

著者のドルーは米国ダイレクトレスポンス広告界の第一人者として有名ですが、彼の17の原則を活用することで、確実に顧客を動かせるようになります。今日は「転嫁」について書きましたが、今後他のメソッドもこのブログで紹介したいと思います。

まとめ

ドルー・エリック・ホイットマンの17の「消費者心理の17の基本原則」を学ぶことで、広告の力を再認識できるはずです。その中の「転嫁」を使うことで、モノやサービスの認知や信頼が高まります。自社の広告をゴミにしないために、人が広告を見るときにどういう心理が働くかという広告行動心理を学びましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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